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 (JUGEMレビュー »)

まず私たちの生命と暮らしを脅かす事実を知ること。それにたいしてどのような認識を持つのか。この国のみならず、世界を壊滅させる災厄とどう向き合うのか。次世代に対してどう責任を取るのか、そもそも責任を取れるのか。自分に何ができるのか。この現実にどう向き合うのか。それを教えるのが教育のはずだが、この国には教育も哲学も存在しない。
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「最悪」の核施設 六ヶ所再処理工場 (集英社新書)
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小出 裕章,渡辺 満久,明石 昇二郎
原発よりもはるかに危険な六ヶ所村再処理工場。私たちの日々の生活が薄氷の上で営まれていることを痛感させられる。同時に、この国には「国民の生命・財産・自由を守り抜く!」と威勢のいいことを言う総理大臣と無能の政治家しかいないことに絶望する。核燃料サイクルと言い、下北半島の再処理工場と言い、3兆円以上の国民の税金がつぎ込まれ、いまだ後始末も将来の見通しもたっていない現実をどう考えているのか。彼らは核兵器を持ちたいという願望と税金をロンダリングして私腹を肥やすことしか眼中にない。北海道の地震だけに目を奪われてはならない。六ヶ所村は今回の震源地の目と鼻の先にあるのだ。
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D.J.ブーアスティン
私にとっては古典の中の古典。三度読みました。そしてその慧眼にいまだに驚いています。
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殺人犯はそこにいる (新潮文庫)
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清水 潔
ジャーナリストと称する職業がある。自称ジャーナリストもいれば、テレビのコメンテーターとしてリベラルに媚びる政権批判をし、名を売り、講演で稼ぐ職業をジャーナリストと呼ぶ者もいる。とんだ茶番である。ジャーナリストとはどこまでも「事実」を追いかける。テレビに出て能天気な解釈や感想を垂れ流している暇などないはずだ。ジャーナリストを志す若い人には清水氏の著作は避けて通れない。その名に値する本物のジャーナリストがここにいる。
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デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義 (集英社新書)
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福田 直子
おそらく自民党・安倍政権はSNSを駆使し、分析するデータサイエンス(日本版なのでレベルはまだ低いですが)の重要性に着目し、選挙にどうすれば勝てるか、自分たちに有利な世論を形成し、国民を誘導・分断するにはどうすればいいのかが分かっているのです。そのためのノウハウも蓄積しつつあります。安倍首相の貧困な語彙力からは想像できないカタカナ言葉を聞いていると、それがSNSを分析している集団から教えられたものであることがよくわかります。ただ彼らの致命的な弱点は将来の社会を導く理想がないことです。おそらく、思いもかけない結果が待っていることでしょう。なぜなら、所詮、彼らはアメリカとビッグデータの奴隷でしかないのですから。これからの政治は、好むと好まざるとにかかわらず、この本に書かれていること抜きには語れなくなっているのです。
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 (JUGEMレビュー »)

安倍政権に対するメディアの忖度が云々されていますが、元々同じ穴のムジナなのです。忘れてならないのは、日中戦争から太平洋戦争にかけて、日本の世論と新聞のほぼ全部は好戦的・拡張主義的だったのです。しかも、当時はまだ言論統制体制が発足していなかったのです。この本は、そうした「一貫して好戦的な世論とそれに便乗する新聞」が先導し、近衛文麿はじめ文民政治家がそれに便乗、軍部がさらに便乗、という構図を一次資料で克明に論証しています。安倍政権を支持するネトウヨの皆さんの日本語力では、まともな読解は無理ですので勧めません。一方、正確な歴史を知るためには「世論」の不気味さを知ることだと気づいている若い人には是非一読を勧めます。
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茫漠の曠野 ノモンハン
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松本草平
著者は大分市にある『天心堂へつぎ病院』の院長、松本文六氏の御尊父、松本草平(本名松本弘)氏です。詳しくは、ブログで紹介したいと思いますが、第一次資料として極めて価値の高いものです。40年ぶりに復刻版を出された松本文六氏と出版社に感謝する他ありません。
戦略も何もない、無謀・無慈悲な戦争を語り継ぐことは、最も崇高で重要な人間の営為だと私は考えています。作家の司馬遼太郎氏は、電話で草平氏に次のように伝えてきたそうです。「先生の臨場感のあるノモンハン戦記に出会えて本当にありがとうございました。私は大東亜戦争の折、戦車隊の一員として従軍しましたが、先生の従軍記以上のものを創ることはできません。」と。
一人でも多くの方がこの本を読まれることを望みます。ちなみに松本文六氏は伊方原発差止め訴訟の原告でもあります。その縁で、この本に出会うことができました。
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「南京事件」を調査せよ (文春文庫)
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清水 潔
全国のネトウヨの皆さんへの推薦図書です。清水氏のこの本を読んでから、「南京事件はなかった!」「南京事件は捏造だ!」と叫びましょうネ。
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日本列島の全原発が危ない! 広瀬隆 白熱授業  DAYS JAPAN(デイズジャパン)2018年1月号増刊号
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広瀬隆
広瀬氏をアジテーターだの、オオカミ少年だの、悲観主義に過ぎると言って批判する人がいる。しかし、ブログで何度も述べてきたように、真の悲観主義こそがマインドコントールによって奴隷根性のしみ込んだ私たちの精神を浄化してくれるのだ。そもそも無知では悲観が生まれようもないではないか。国などいくら破れても結構。せめて山河だけでも次世代に残そうと考える人ならぜひとも読むべき本である。いや、これから幾多の春秋に富む若い人にこそすすめたい。
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チャヴ 弱者を敵視する社会
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オーウェン・ジョーンズ,Owen Jones
【本書への賛辞】

「怒りが生んだ、最高の本」
──ガーディアン紙

最高の論争がみなそうであるように、知性に裏打ちされた怒りが本書を支えている。
──エコノミスト誌

暴動や世界中に広がったオキュパイ運動に照らして考えると、分断社会に関する著者の鋭い分析は、
不気味なほど未来を予知していたことがわかる。
──アートフォーラム誌

情熱と、思いやりと、すぐれた道徳性が結実した仕事だ。
──ニューヨーク・タイムズ紙

政治の定説を見直す大胆な試み。著者は戦後のイギリス史を縦横無尽に往き来し、
階級、文化、アイデンティティといった複雑な問題を軽々とまとめてみせ、
結果として「階級」問題に火をつけ、大きな効果をあげている。
──インディペンデント紙

いまの制度が貧しい人々を見捨てていることに対する苛烈な警告──それが本書だ。
──ブログサイト「デイリー・ビースト」

ジョーンズは、「地の塩」だった労働者階級が政治のせいで「地のクズ」と見なされるようになった経緯を見事に説明している。
──タイムズ紙

この本は、新しいタイプの階級嫌悪と、その裏にあるものを痛烈にあばいて見せてくれる。
──ジョン・ケアリー(The Intellectuals and the Masses著者)

これは「イギリスはおおむね階級のない社会である」という考え方への、論理的で情報満載の大反撃だ。
──オブザーバー紙

情熱的で示唆に富む……この声が届くことを心から願う。
──スコットランド・オン・サンデー紙
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紹介していない本が山のようにあります。数日前にこの本を本棚の奥から引っ張り出し再読しました。いや〜面白かった。。とにかくこの本のことを忘れていた自分が信じられない。読んでない人に熱烈に勧めます。ハイ。
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秋山 敏
高校生にとって、今でも一押しの不朽の名著。でもこの本をことを知っている英語教師は少ないと思います。是非復刊してほしいものです。
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スノーデン 日本への警告 (集英社新書)
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エドワード・スノーデン,青木 理,井桁大介,金昌浩,ベン・ワイズナー,宮下紘,マリコ・ヒロセ
2017年4月18日、朝日新聞がようやく「パノプティプコン」を取り上げました。遅すぎますね。
これから先の日本社会は、ますます荒廃が進み、国民の不満が頂点に達し、やがて爆発します。それを未然に防ぐために、国は国民の監視を強化します。
実際アメリカでは「愛国者法」により、電子メールや携帯の通話履歴が監視の対象になっています。誰が、いつ、どこで、何を読んで、誰と通信を交わしたか、すべて国に筒抜けです。
「パノプティプコン」とはフランスの哲学者フーコーが用いた概念ですが、国民が刑務所の囚人のように監視される体制を言います。監視者の姿は見えませんが、囚人は監視者不在でも、監視を意識することによって管理統制されるのです。これを「パノプティシズム」と言います。
このシステムから解放されるためには、権力がどう管理・統制しようとしているかを知らねばなりません。この本はそれを知るための第一歩です。あなたが無知のまま、奴隷の人生を送りたければ、読む必要はありません。
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A.ミラー
アリスミラーのこの本は、塾を始めるきっかけになりました。ただ生活のためだけなら、他のことをしていたでしょう。『才能ある子のドラマ』とあわせて、当時の私には衝撃的な本でした。人生はどこでどう転ぶかわかりません。人間の奥深さを知ることで、何とか自分を維持していたのです。この本を読むと当時のことが、ありありと思い出されます。ある意味で、私の人生を方向づけた本かもしれません。
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NHK「東海村臨界事故」取材班

2月18日のブログでも書きましたが、仕事のために読むビジネス書の類は、最終的には効率を重視し、最小の資本と労力の投下で、いかにして最大の利益を上げるかということに尽きていると思います。そのための働き方改革であり、そのための賃上げです。そのための人心掌握術であり、顧客対応です。ビジネス書を読めば読むほど、人間は軽薄になり、視野が狭くなっていきます。もしあなたがそれを自覚するきっかけがほしいなら、是非この本を読むことを勧めます。読書はビジネスのためにするのではないということが分かると思います。この本は私たちの日常の風景を一変させるだけのインパクトを持っています。いわば、ことばの最高の意味における「闖入者」なのです。
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黒い巨塔 最高裁判所
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瀬木 比呂志
この本はまだ発売されていません。自分で読んでいない本を推薦するのは邪道でしょう。しかし、これまでの『絶望の裁判所』『ニッポンの裁判』(ともに講談社現代新書)に続く裁判所、司法批判の第3弾が長編の権力小説だということで、過去2冊の本の面白さからして、推薦に値する本だと思いました。『原発ホワイトアウト』の最高裁判所ヴァージョンだと思います。読んでからコメントを追加したいと思います。
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アモン・シェイ
学校なる場所に通っていた時、毎年夏になると課題図書を読んで、読書感想文を書かねばならないのが苦痛でした。課題図書の選定には学校と書店の密約があるに違いないと思っていたくらいです。

偶然巡り合った面白い本の感想を書くのならまだ我慢できたかもしれません。つくづく学校というところは、余計なことをしてくれると思ったものです。

あまりにめんどうくさいので、「あとがき」を参考に、あらすじを書いて提出したら、トリプルAをもらいました。

学校というところは、もしかしたら、人生の退屈に耐える訓練をする場所だったのかもしれません。この本を読んで、改めてそのことを確認しました。別に先生を責めているわけではありません。それほど自覚的に生きるということは難しいのだとため息をついているだけです。
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想田和弘監督の観察映画。音楽による演出は一切なく、徹頭徹尾監督の視点で撮られたドキュメンタリー映画。見終わった後、日本の選挙風土の貧困さが浮かび上がる。この国に民主主義はない、ということを改めて確認し、そこから出発するしかない。その勇気を持つ人には必見の映画です。合わせて『選挙2』もどうぞ。
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ウェーバーの死の1年前、1919年、学生達に向けた講演の記録です。
一部抜粋します。

「自分が世間に対して捧げようとするものに比べて、現実の世の中が―自分の立場からみて―どんなに愚かであり卑俗であっても、断じてく挫けない人間。どんな事態に直面しても「それにもかかわらず!」と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への「天職」を持つ。」(P105〜106)

「さて、ここにおいでの諸君、10年後にもう一度この点について話し合おうではないか。残念ながら私はあれやこれやいろんな理由から、どうも悪い予感がしてならないのだが、10年後には反動の時代がとっくに始まっていて、諸君の多くの人が―正直に言って私もだが―期待していたことのまずほとんどは、まさか全部でもあるまいが、少なくとも外見上たいていのものは、実現されていないだろう。」(P103〜104)

10年後には、ワイマール体制は機能不全に陥り、1933年にはヒトラーが首相に就任します。

平和憲法は、日本人にとって310万人の命と引き換えに手に入れた唯一と言っていい理念であり、アイデンティティーでした。その唯一の誇りを、日本人は損得勘定で葬り去ろうとしています。言い古された言葉ですが、歴史は繰り返すのです。
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小学校を卒業するころ、将来なりたい職業として思い描いていたのが、天文学者か生物学者でした。プロ野球選手は、自分のセンスでは無理だと悟りました。物ごころついたころから興味があったのは宇宙や昆虫や植物の世界でした。そんなわけで南方熊樟に出会うのは必然的な成り行きだったのです。人間は言葉によって世界を把握しますが、それ以外の把握の仕方があるはずだと、ずっと思ってきました。南方熊樟は、小林秀雄と同じく、直観による世界の把握の仕方を教えてくれました。この本は、言葉によって構成された世界秩序の外に出て、世界を改めて考えたい人に大いなるヒントをあたえてくれます。安倍政権によるゴキブリのフンのような、あまりにばかばかしい政治状況を見せつけられているので、精神の衛生学として一気に読みました。
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こどもの教育から裏金を使ったオリンピック誘致、原発再稼働、戦争準備から武器の売却、安倍政権の裏の権力としてメディアに絶大な影響力を行使する電通。私たちは電通が作り上げた「箱」の中でいいようにマインドコントロールされている。自分の意見だと思っていたものが、実はそう思わされていただけだということに気づかなければならない。音楽をはじめとする芸能情報、その中で踊らされるミュージシャンやタレント、果てはデザイン業界までを席巻する。今や電通の介在しないメディアはないと言ってもいい。利権あるところに電通あり、です。
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前作『日本はなぜ「基地」と「原発」止められないのか』に続く著者渾身の力作。自分の人生を生きたい人にすすめます。ただそれだけです。18歳で選挙権が与えらる高校生が政治を考える際の基本的なテキストになる日がくるといいですね。無理でしょうが。これ以上余計なコメントはしません。まず手に取ってみてください。
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メディアで取り上げられるよりはるか前から日本会議の存在について私は言及していました。電通と同じくタブー視するメディアには心底失望したものです。報道すればタブーはタブーでなくなるのです。何を恐れているのでしょうか。干されれば、何とか生活をする工面をすればよい。それだけのことです。
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帯に「祝祭都市にスタジアムはいらない」とあります。そもそも2020年まで天災と原発事故をやり過ごし、経済危機を乗り越えて存在しているでしょうか。極めて怪しいですね。偶然書店で手に取って読みました。彼の文章を読むと、建築は現世の権力に奉仕するものではなく、想像力の王国を作るものだと思わされます。建築にそれほど興味のない人でも、読めます。いや、いつのまにか引き込まれているでしょう。
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難関中高一貫校で学び、東大に合格しても、それはもはや知性のバロメーターではありません。この本に書かれていることが真実だと見破れることこそが本物の知性です。ニセの知性は既得権益を守るためにはどんな屁理屈でもひねり出します。おまえは何も知らないと言って他人を見下し、金と権力におもねるのです。ニセの知性は理想の灯を掲げることができません。「脳内お花畑」などという幼稚な言葉を使って揶揄するしかないのです。彼らの決まり文句は、他国が攻めてきたらどうするのかという、それこそ「脳内お花畑」的なものです。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とは、まさに至言です。
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松岡正剛氏の本はどれも面白く、シリーズの千夜千冊を除けばほとんど読んでいます。『多読術』は、高校生にぜひ勧めたいと思います。高校時代に、この本を読んでおくと、さまざまな分野の知的見取り図を手に入れることができます。学校の授業だけではなく、この本を手掛かりにして知の荒野に歩みを進めてほしいと思います。
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安倍首相は「この道しかない」と言って消費税を上げ、集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定をし、公約とは正反対のTPPを批准することで、日本の文化=アイデンティティーを破壊しようとしています。

もし私たちが生き延びたければ、そのヒントがこの本の中に書かれています。日本は超大国の「夢」を代弁するだけの国になってはなりません。
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山本氏の国会での質問を、本になって改めて読み直して感じることは、文字通り「みんなが聞きたい」質問をしてくれたということです。安倍首相が小学生に「なぜ政治家になったのですか」と質問された時、「父親も祖父も政治家をしていたからです」と答えていました。小学生相手に、何と言う悲しい答えでしょうか。語るべき理想を持たない政治家など、所詮は官僚に利用されるだけです。それに対して、山本氏には語るべき理想がある。「政治なんてそんなものさ」というリアリストが発散する腐臭を吹き飛ばすさわやかさがある。それは、彼の身体には収まりきれない理想が持つ力そのものです。彼は言います。「力を貸してほしい。少なくとも、あなたが必要だと思われる社会、私が必要だと思われる社会を作っていきたい。そう思うんです」と。日本の総理大臣にふさわしいのはどちらでしょうか。
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おそらく、日本人自身よりも海外の知識人のほうが、日本の問題を正確にとらえていると思わせる本です。読み終えて何気なくテレビを見たら、わが大分県選出の国会議員、岩屋毅氏と江藤晟一氏が、2016年ミスユニバース大分県代表を選ぶ催し物に出ていました。名誉顧問だそうです。いかがわしい宗教団体をバックに票を稼ぐだけでは飽き足らず、こんな大会に顔を出して名前を売ろうとする。大分市長の佐藤樹一郎氏も出席していました。このお三方は、こんなことをするために国会議員や市長になったのでしょうか。国民の税金を使ってやることといえば、テレビに出演してにやけた顔をさらすことでしょうか。もう物事の軽重が全く分かっていません。せめてこの本くらい読んではどうでしょうか。私はこの本に書かれていることの大部分に賛成です。
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出版されてすぐ読みました。国会で、読んでもいないのに、安倍首相が躍起になって否定した事実が書かれています。蓮池氏はあちこちから人格攻撃の対象とされてきましたが、自分にも落ち度があったと認めています。自分は総理大臣なのだから落ち度はないと居直る人間とは好対照です。この本を読んで、拉致問題について今一度国民が考えることを望みます。
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渡邉 格
2年半ほど前に求めて、一気に読みました。マルクスの『資本論』の中に書かれていることを、著者が自分なりに消化し実践していく過程が書かれているので、一種のドキュメンタリー文学として読めます。きっと著者と同じ思いの若者は全国にたくさんいると思います。かけがえのない一回きりの人生を、充実して生きたいと思っている人に勇気を与える本です。
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今年度ノーベル文学賞受賞作品。チェルノブイリは言うまでもなく、フクシマでさえ人々は忘れたがっています。もう過去のことだと言い聞かせて。しかし、過去のことではなく、まぎれもない現在進行中の現実であり、私たちが生きている世界そのものです。この本を読んだ後、橋下徹が御堂筋をイルミネーションで照らし出し、F1カーに乗って写真を撮っているところを見ました。その時のセリフ。「大阪はここまでできる!」

もう何と言うか、別世界を生きている人間です。彼の発する言葉は文学とは無縁です。人間が言葉を持ったのは、言葉にしがたいものを言葉にしようとするためです。政治家が発する言葉の軽さと言ったらありません。それだけ現実も軽いものになったということでしょう。
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人間は、条件次第で、喜々として殺人を犯す。そして、その条件を整備しつつあるのが、安倍政権とその背後でうごめく『日本会議』である。このことに気づいていても、「配慮する」ことを最優先して報道しないメディア(特にNHK・読売新聞・産経新聞)。そしてそこに寄生する学者やコメンテーター、芸能人。このドキュメンタリー映画は、彼らの自画像である。たまには、自らの顔をじっくり眺めてみるがよい。
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私が長年考えてきた問題を解明するヒントになりました。ブログで書いたように、まず感情を基にした結論があって、それを正当化するために人は「知性」を動員するという、ごく当たり前のことが書かれている。つまり、知の粉飾決算報告書である。
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中村 好文
中村さんの著作の中では、個人的に最も好きな本です。読んでいるだけで楽しくなります。限りなく優しい、でも、痛烈な文明批評です。これからの生き方のヒントが満載です。それを一人でも多くの人と分かち合いたいと思い、中村好文論・その3の中で引用させていただきました。
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暮らしを旅する
暮らしを旅する (JUGEMレビュー »)
中村 好文
以下は私がアマゾンのレビューに投稿したものです。再録します。
「もし人に幸福な生き方があるとしたら、中村好文さんのような生き方だろうと、ずっと思ってきました。
建築雑誌をパラパラとめくりながら、ふむ、と思って手が止まると、そこには必ずと言っていいほど中村さんの設計した住宅がありました。
文は人なりと言いますが、その人の書く文章のエッセンスがこれほど見事に建築にも表現されている例はめったにありません。
建築に限らず、食の分野でも、ことばと実物の乖離がはなはだしい時代に、中村さんの設計した住宅や美術館に出会うと、どこか安心するのですね。
そういうわけで、著者の本はすべて読ませてもらっています。
この本も偶然、年末に本屋さんで手に入れ、装丁やカバーの手触りを楽しみながら読んでいます。
読みながらいつの間にかほのぼのとしている自分を発見します。
一日に一編か二編を過去の記憶をたどるようにして読んでいます。
この本の平明さ、やさしさがどこから来るのか。そんなことを分析するのは野暮というものです。
とにかくこの素敵な小さな本は、旅のお供にどうぞ!とすすめたくなります。」
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中村さんの書かれた本はすべて読みました。どの本もおすすめです。これから家を建てようと考えている人は、どの本でもいいですから、一冊中村さんの本を読んでみてはいかがでしょうか。エッセイとしても十分楽しめます。この本は北海道にあるパン屋さんの建物を作りながら、人は「パンのみにて生きるにあらず」を実践したものです。ダジャレ好きの中村さんらしい(笑)。
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良心的兵役拒否の権利から積極的中立主義へ−最終版
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    私の政治的立場は護憲であり、憲法九条を「世界情勢に合わせて」純化するという立場です。個人的なことを言えば、私はこれまでいかなる政治的・宗教的団体にも所属したことがなく、選挙の時は自民党以外の政党に投票してきました。


     

    民主党にも投票しましたし、前回は共産党に投票しました。しかし、政党にはあまり期待していません。したがって、自分が投票した政党が惨敗しても落胆することもありません。その国の政治のレベルは国民のレベルですから、過剰に期待してもしようがありません。
     

     

    国民が、自分の経済的利益だけを考えて社会的な影響力を持つ勢力にすり寄るのをやめない限り、政治は変わりません。少子高齢化が進み、人口減少社会の中で格差が固定化され、原発事故の後始末という永遠の課題を背負った国が、依然として『富国強兵』路線を突き進むのは、破滅への道を歩んでいるとしか思えないのです。
     

     

    私の考えは悲観的でしょうか。しかし、「現実主義」を標榜し、弱者をかえりみず、強権的な空威張りを続ける、冷笑主義(シニシズム)と虚無主義(ニヒリズム)に侵された集団にくみすることがどうしてもできないのです。こういう連中に金と権力と軍隊を持たせれば国家は滅びる、というのが歴史の教えです。日本は「弱小国」として、しかし、世界に向かって堂々と主張できる普遍的な価値の唱導者になるしかない、と私は思います。
     

     

    前置きが長くなりました。護憲派の欺瞞を乗りこえるために考えなければならないもう一つの点について検討します。

     

     

    2:日本が集団的自衛権の行使を法制化したことは、すべてとは言わないまでも、国際的には歓迎されているという事実。

    についてです。


     

    なぜ日本の集団的自衛権が、いわゆるアメリカを始めとする有志国連合に歓迎されているのか。それは、これまで日本は世界の平和にただ乗りしていると見なされていたからです。日本だけ「兵役逃れ」をするのはけしからんというわけです。ここにきて、日本もようやく「武力行使」という「乗車券」を買うようになったと認識されたのです。つまり、国際社会は日本の軍事力を徴集しようとしていたのです。護憲派はこの現実的趨勢に対して、それと拮抗するだけの理念を提出しなければなりません。

     


     

    その理念こそは、憲法九条を根拠とする良心的兵役拒否の権利を国家レベルにまで高めることで生まれる「積極的中立主義」です。前に述べたように、良心的兵役拒否をした場合、その権利を行使した者には、必ず、代替的役務が課されます。この代替的役務が「積極的中立主義」です。これは安倍政権の「積極的平和主義」に対抗するものです。ことばは似ていますが、中身は全く違います。
     

     

    まず自衛隊を軍隊として認め、その機能を個別的自衛権の範囲内に限定する旨を憲法に規定する。その際、解釈改憲の余地がない明文の規定を作る。たとえば「理由のいかんにかかわらず、またその規模を問わず、日本国内に他国の軍事基地を置いてはならない」というような。次に自衛隊を2つの組織に再編する。
     

     

    1:個別的自衛権(日本の領土・領海・領空に限定する)と積極的中立主義を実行する軍事部門。

     

    2:日本だけではなく世界で活躍することを前提とした、先進の装備を備えた国際災害救助隊。

     

    当ブログ、

    『国を守るということ−忘れられないシーン』

    http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=22 をご覧ください。


     

    積極的中立主義は、A国とB国が争っている時、一切の代償を求めず、「贈与」として、紛争当事国の両方を援助するという思想です。その条件は以下のようになります。
     

    1:援助は非軍事的なものに限る。死傷者の救助や破壊されたインフラの復旧、食糧や薬などの物資の運搬など。ただし、一方だけを援助しない。損得やイデオロギーを超えて両方を平等に援助する。

    2:援助するときは主権を侵害しないように、相手国の同意を必要とする。
     

     

    以上の条件のもとで、自衛隊は紛争地帯で活躍します。胸と背中に日の丸をつけ、それがやがては国際赤十字のシンボルのようなものとして世界に認知される日をめざして。そうなった時、自衛隊は、国を守り災害救助に駆けつける名誉ある組織として位置づけられます。名誉を重んずる若者の入隊も増えることでしょう。
     

     

    その結果、国民は、平和のために自衛隊に「ただ乗り」するのではなく、国を守るということは、国民と自衛隊がともに担わなければならない名誉ある崇高な仕事だと認識するようになります。そして、この理念を世界に向けて発信するのにふさわしい政治家は山本太郎氏を置いて他にいません。なぜなら、彼ほど反対勢力から罵倒され、顰蹙を買い、無視されたにもかかわらず、初心を貫いている政治家はいないからです。以上、アウトラインだけを述べました。少なくとも野党はこの程度の理念を掲げて、選挙を戦ってほしいものです。

     

    | 良心的兵役拒否 | 14:31 | comments(0) | - |
    良心的兵役拒否の権利から積極的中立主義へ−その1
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      憲法九条があれば戦争に巻き込まれずにすむとか、戦後70年間戦争をしないですんだのは九条があったからだ、という言い方はミスリーディングです。これは結果論であって、後からなら何とでも言えるというたぐいの議論です。アメリカの核の傘に守られていたから平和だったのだ、という主張も十分説得力があります。ここに護憲派の欺瞞があります。橋下徹や百田尚樹のようなデマゴーグが跋扈するのは、この欺瞞を嗅ぎとっているからです。


      国民の多くは、とりわけ社会の上層部(富裕層といってもいいのですが)で影響力を持っている人間たちは、この欺瞞に気づいています。いや、自分の経済的利益につながらない抽象的な議論にうんざりしていると言ったほうがいいかもしれません。そういった感情の下地ができあがっているところに、「国際政治の現実」だの「東アジアの安全保障環境の変化」だのと言われれば、あっさりそれを受け入れてしまうのです。これが、安倍政権の支持率が下がらない理由です。


      こういった状況を乗りこえるためには、以下の二つについて考えねばなりません。

      1:国際政治は、ホッブスが言うように、利害を異にする国家どうしがオオカミとして争い合う「自然状態」である。したがって、世界最強の軍隊をもっているアメリカと同盟していなければ平和は守れない、という思い込み。リアリズム。

      2:日本が集団的自衛権の行使を法制化したことは、すべてとは言わないまでも、国際的には歓迎されているという事実。


      まず1について考えてみましょう。

      冷戦の終結後、唯一の超大国となったアメリカは国連と国際条約を軽視してきました。たとえば国連の議決を無視して強引に進めたイラク侵攻です。日本はそれにいち早く賛成・協力しました。しかし、侵攻の口実となった大量破壊兵器はありませんでした。これはアメリカ自身も認めています。にもかかわらず、日本はその後の検証もせず、アメリカを非難することもしていません。すなわち、アメリカは国連を中心とした世界秩序を目指すのではなく、自国が中心となって新たな世界秩序を作ろうとする野望を露わにしているのです。まさに「他を制圧して世界王国を築こうとする一大強国」(カント)としてふるまっています。このままでは、山本太郎氏が国会で追及したように、日本はアメリカの軍事行動に加わることを拒否できないでしょう。


      ところが一方で、国家の枠組みだけでは解決困難な地球規模の問題が次々にクローズアップされています。1990年代の気候枠組み変動条約、対人地雷全面禁止条約、国際刑事裁判所設立規定などの多国間条約の成立にはNGOに代表されるような市民のネットワークが影響力を発揮しました。NGOが国家の枠組みを超える国際的な存在だからこそできたことです。これは、カントのいう「世界市民」と呼ばれるにふさわしいものです。つまり、「人類が有限な地球を共有していることを自覚し、地球上のさまざまな問題をめぐる公共的な議論にコミットする(理性を公的に使用する)人々」のことです。


      アメリカと運命を共にすることこそが最も現実的だと考えるリアリストたちは、世界をホッブス的な「自然状態」だと考えているのです。歴史の進歩など「夢」に過ぎないというわけです。それゆえ、国連やNGOに代表される世界市民社会を否定せざるを得なくなります。


      しかし、こういう考え方は、余りにも時代錯誤的です。さらに言えば、国連を基礎にもつ世界秩序の構想に比べて、もはや少しも「現実主義的」ではありません。お互いにたいして、潜在的敵意を持つ主権国家を前提にした考えを「現実主義的」だと誇るにしても、それは単に超大国の「夢」を代弁しているにすぎないのです。


      そう考えると、日本が憲法九条を堅持するということは、アメリカの覇権主義的な野望にくみするのを防ぐだけではなく、第二次世界大戦後の日本と国連が共通の出発点にした理念と決意を国際社会にたえず思い出させるという意味をもっているのです。


      長くなるので2に対する考察は次回のブログに譲ります。ただ、一つだけ言っておきたいことがあります。現実主義者にできることは、理想を掲げる人間を冷笑するだけで、最終的にはニヒリズムに陥るしかないということです。ニヒリズムは最もたちの悪い感情です。ニヒリズムに侵されて感情を劣化させた人間は他者を勇気づけることは決してできません。


      私は一介の塾の教師ですが、生徒には世界平和のために理想を掲げてもらいたいと思っています。できればそのような仕事についてほしいとも考えています。しかし、たとえどんな仕事についても、その仕事を懸命にすることが、この理想とどこかでつながっていることを感じられるような、そういう働き方をしてほしいと願っています。

       

       

      | 良心的兵役拒否 | 23:39 | comments(0) | - |
      良心的兵役拒否について
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        学生時代、私はロシア語とロシア文学を学びました。アフターケアを怠って、今ではロシア語は簡単な挨拶を除けば、大部分は忘れてしまいました。それでもロシア文学の素晴らしさは、底抜けにお人よしのロシアの民衆とともに、私の心に深く刻まれています。

        夏休みになると決まってトルストイの『戦争と平和』を読みました。プーシキンや大好きなチェーホフ、そしてドストエフスキー。文学の素晴らしさを教えてくれたのも、これらの大作家や詩人たちでした。

        トルストイのことをいろいろと調べているうちに、北御門二郎氏に出会いました。極刑を覚悟のうえで、自らの信念に基づき徴兵拒否を行なった気骨の人でした。
        そして私は氏の生き方や考え方に大きな影響を受けたのです。

        画像は私の書斎にある北御門二郎氏が訳したトルストイ3部作です。晩年は、氏のように晴耕雨読の生活がしたいですね。ただし、強烈な反骨精神を内に秘めて。




        以下はみすず書房から出版された北御門二郎氏の『ある徴兵拒否者の歩み』の紹介文からの引用です。

        引用開始

        ― 著者は北御門二郎(1913-2004)。『アンナ・カレーニナ』『イワンの馬鹿』などの生き生きとした訳文で多くの読書人に愛されたトルストイ翻訳家です。


        熊本のギリシャ正教の家庭に育った北御門は、旧制高校時代にトルストイと出会い魂を震撼させられました。「トルストイを原文で読むため」にロシア語の習得を立志し、東大英文科に在籍しながら、ロシア語を学ぶためにハルビンに渡りました。そこで知った日本軍の残虐行為に戦慄を覚えた北御門は、トルストイが提唱した絶対平和主義を実践するべく帰国後の日本で徴兵拒否を敢然と行ない、“公然反逆者”という烙印を捺されることとなったのです。

        戦争傍観者となり、熊本の山村から戦渦を見つめ続けた青年時代。「誰よりもトルストイの気持がわかる」という矜持からロシア文学の大家に論争を挑み、訳業の道を歩んだ壮年時代。そして、憲法9条を反古にしようとする翼賛的な政治家の言動に心を痛め、それでもなお“殺しあわない世界”の実現を希求し続けた老年時代。その生涯をつづった本書には、ファシズムが蔓延する当時の時代状況においても、自らの良心にしたがい行動する北御門の強靭な精神力が描かれます。

        国中が戦争という「殺し合い」を是認し、侵略や残虐行為を繰り返す日本軍の「躍進」に沸きたつなか、独り絶対平和主義を貫くことの困難さは想像を絶します。本書は、トルストイに導かれた北御門の真率なる歩み―もう一つの戦争体験―を知る好機となるのではないでしょうか。

        引用終わり

        良心的兵役拒否の権利とは、絶対的な平和を正義の不可欠の条件と見なしている人に、その価値観を尊重して兵役を拒否することを許すことです。たとえば、2011年まで徴兵制を持っていたドイツでは、この権利を制度化していました。

        ただし、その権利を行使した者には、必ず代替的な役務が課せられます。拒否権が乱用され、兵役逃れに使われないためです。代替的役務は、兵役そのものと同じくらいリスクが大きく、骨の折れるものでなくてはなりません。災害被災地での救助活動とか、非武装の看護兵などです。兵役と同じくらい困難で、命の危険にさらされますが、これを引き受ければ、自分の良心に反して、戦争に参加して人を殺すという精神的な苦痛からは解放されるのです。日本も憲法9条を純化させ、国家的規模で良心的兵役拒否権を行使し、代替的役務を引き受ければよいのです。

        非暴力・不服従といえばガンジーを思い出す人も多いでしょうが、日本にも北御門氏のような人間がいたのです。私は絶対平和主義こそが、日本が高く掲げるに値するものだと考えています。

        以上述べた観点から、国を守るためと称して軍備を増強し、アメリカの属国となって戦争にのめり込むことに道を開いた安倍首相とその取り巻きの言説が、こどもじみた屁理屈に過ぎないことが分かります。戦争になった時には一兵卒として自らが前線に行くことを宣言する政治家もいなければ、良心的兵役拒否の権利があることを国民に教える政治家もいません。彼らはリアリストの仮面をかぶっていますが、自ら戦場に赴くこともなければ、兵役を拒否する勇気もない、単なるヘタレに過ぎないのです。

         
        | 良心的兵役拒否 | 14:01 | comments(0) | - |
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