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デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義 (集英社新書)
デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義 (集英社新書) (JUGEMレビュー »)
福田 直子
おそらく自民党・安倍政権はSNSを駆使し、分析するデータサイエンス(日本版なのでレベルはまだ低いですが)の重要性に着目し、選挙にどうすれば勝てるか、自分たちに有利な世論を形成し、国民を誘導・分断するにはどうすればいいのかが分かっているのです。そのためのノウハウも蓄積しつつあります。安倍首相の貧困な語彙力からは想像できないカタカナ言葉を聞いていると、それがSNSを分析している集団から教えられたものであることがよくわかります。ただ彼らの致命的な弱点は将来の社会を導く理想がないことです。おそらく、思いもかけない結果が待っていることでしょう。なぜなら、所詮、彼らはアメリカとビッグデータの奴隷でしかないのですから。これからの政治は、好むと好まざるとにかかわらず、この本に書かれていること抜きには語れなくなっているのです。
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 (JUGEMレビュー »)

安倍政権に対するメディアの忖度が云々されていますが、元々同じ穴のムジナなのです。忘れてならないのは、日中戦争から太平洋戦争にかけて、日本の世論と新聞のほぼ全部は好戦的・拡張主義的だったのです。しかも、当時はまだ言論統制体制が発足していなかったのです。この本は、そうした「一貫して好戦的な世論とそれに便乗する新聞」が先導し、近衛文麿はじめ文民政治家がそれに便乗、軍部がさらに便乗、という構図を一次資料で克明に論証しています。安倍政権を支持するネトウヨの皆さんの日本語力では、まともな読解は無理ですので勧めません。一方、正確な歴史を知るためには「世論」の不気味さを知ることだと気づいている若い人には是非一読を勧めます。
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茫漠の曠野 ノモンハン
茫漠の曠野 ノモンハン (JUGEMレビュー »)
松本草平
著者は大分市にある『天心堂へつぎ病院』の院長、松本文六氏の御尊父、松本草平(本名松本弘)氏です。詳しくは、ブログで紹介したいと思いますが、第一次資料として極めて価値の高いものです。40年ぶりに復刻版を出された松本文六氏と出版社に感謝する他ありません。
戦略も何もない、無謀・無慈悲な戦争を語り継ぐことは、最も崇高で重要な人間の営為だと私は考えています。作家の司馬遼太郎氏は、電話で草平氏に次のように伝えてきたそうです。「先生の臨場感のあるノモンハン戦記に出会えて本当にありがとうございました。私は大東亜戦争の折、戦車隊の一員として従軍しましたが、先生の従軍記以上のものを創ることはできません。」と。
一人でも多くの方がこの本を読まれることを望みます。ちなみに松本文六氏は伊方原発差止め訴訟の原告でもあります。その縁で、この本に出会うことができました。
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「南京事件」を調査せよ (文春文庫)
「南京事件」を調査せよ (文春文庫) (JUGEMレビュー »)
清水 潔
全国のネトウヨの皆さんへの推薦図書です。清水氏のこの本を読んでから、「南京事件はなかった!」「南京事件は捏造だ!」と叫びましょうネ。
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卑怯者の島: 戦後70年特別企画
卑怯者の島: 戦後70年特別企画 (JUGEMレビュー »)
小林 よしのり
2015年に読み、感動した本(漫画)です。個人的には、これは小林よしのりの最高傑作だと思っています。『堕落論』とあわせて読んでほしいと思います。左右に関係なく、あなたが絶えず仮の足場を求めて思考を継続する意思を持つなら、避けて通れない著作です。
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日本列島の全原発が危ない! 広瀬隆 白熱授業  DAYS JAPAN(デイズジャパン)2018年1月号増刊号
日本列島の全原発が危ない! 広瀬隆 白熱授業 DAYS JAPAN(デイズジャパン)2018年1月号増刊号 (JUGEMレビュー »)
広瀬隆
広瀬氏をアジテーターだの、オオカミ少年だの、悲観主義に過ぎると言って批判する人がいる。しかし、ブログで何度も述べてきたように、真の悲観主義こそがマインドコントールによって奴隷根性のしみ込んだ私たちの精神を浄化してくれるのだ。そもそも無知では悲観が生まれようもないではないか。国などいくら破れても結構。せめて山河だけでも次世代に残そうと考える人ならぜひとも読むべき本である。いや、これから幾多の春秋に富む若い人にこそすすめたい。
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知識人とは何か (平凡社ライブラリー)
知識人とは何か (平凡社ライブラリー) (JUGEMレビュー »)
エドワード・W. サイード
いわゆる「知識人」なるものが絶滅して久しい。しかし、サイードの言う知識人の定義は時代がどんなに変わっても常に新しい。「知識人とは亡命者にして周辺的存在であり、またアマチュアであり、さらには権力に対して真実を語ろうとする言葉の使い手である」高校生や大学生にはぜひとも読んでほしい本です。
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磯崎新と藤森照信の茶席建築談議
磯崎新と藤森照信の茶席建築談議 (JUGEMレビュー »)
磯崎 新,藤森 照信
この本は茶室を巡る様々な建築的発想・知識の宝庫です。それにしても磯崎新氏の驚くべき記憶力と該博な知識には驚かさされます。建築史を語るには欠かせない二人の対談です。時がたつのを忘れさせるほどの面白さでした。
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チャヴ 弱者を敵視する社会
チャヴ 弱者を敵視する社会 (JUGEMレビュー »)
オーウェン・ジョーンズ,Owen Jones
【本書への賛辞】

「怒りが生んだ、最高の本」
──ガーディアン紙

最高の論争がみなそうであるように、知性に裏打ちされた怒りが本書を支えている。
──エコノミスト誌

暴動や世界中に広がったオキュパイ運動に照らして考えると、分断社会に関する著者の鋭い分析は、
不気味なほど未来を予知していたことがわかる。
──アートフォーラム誌

情熱と、思いやりと、すぐれた道徳性が結実した仕事だ。
──ニューヨーク・タイムズ紙

政治の定説を見直す大胆な試み。著者は戦後のイギリス史を縦横無尽に往き来し、
階級、文化、アイデンティティといった複雑な問題を軽々とまとめてみせ、
結果として「階級」問題に火をつけ、大きな効果をあげている。
──インディペンデント紙

いまの制度が貧しい人々を見捨てていることに対する苛烈な警告──それが本書だ。
──ブログサイト「デイリー・ビースト」

ジョーンズは、「地の塩」だった労働者階級が政治のせいで「地のクズ」と見なされるようになった経緯を見事に説明している。
──タイムズ紙

この本は、新しいタイプの階級嫌悪と、その裏にあるものを痛烈にあばいて見せてくれる。
──ジョン・ケアリー(The Intellectuals and the Masses著者)

これは「イギリスはおおむね階級のない社会である」という考え方への、論理的で情報満載の大反撃だ。
──オブザーバー紙

情熱的で示唆に富む……この声が届くことを心から願う。
──スコットランド・オン・サンデー紙
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フェイクニュースの見分け方 (新潮新書)
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烏賀陽 弘道
私は政治的な言葉と詩的言語の間を、その振幅が大きいがゆえに、往復することによって精神を活性化させています。政治的な文章を読むときに気をつけていることは、ファクトとオピニオンを区別することです。これはイロハのイだと思っていたのですが、今はお互い罵詈雑言の投げつけ合いで、言論空間がいびつになっています。これは今の政治を反映したものでしょう。菅官房長官が「問題ない」「その指摘は当たらない」などといったコミュニケーション遮断語を頻繁に使いだしてから、この傾向は加速しています。言論空間のゆがみを正し、正常な論争が復活することがあるのでしょうか。地に足がついた生き方をしたいなら、まず気分に流されず、事実を見極めることから始めなければなりません。事実を提示しないジャーナリストは、ジャーナリストではありません。そのことを確認するためにも本書は必読です。本物の読解力をつけたいと考えている中高生には特にお勧めです。
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 (JUGEMレビュー »)

紹介していない本が山のようにあります。数日前にこの本を本棚の奥から引っ張り出し再読しました。いや〜面白かった。。とにかくこの本のことを忘れていた自分が信じられない。読んでない人に熱烈に勧めます。ハイ。
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チェンジング・ブルー――気候変動の謎に迫る (岩波現代文庫)
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大河内 直彦
アインシュタインの名言のひとつに、「過去から学び、今日のために生き、未来に対して希望をもつ。大切なことは、何も疑問を持たない状態に陥らないことである。」があります。
本書は文系・理系を問わず、高校生や大学生必読の本です。単に気候の科学を紹介しただけではなく、科学者たちのさまざまな逸話を紹介しながら、科学における知識・研究の積み重ねの重要性を教えてくれます。この本にのめり込むかどうかが、あなたの知性のリトマス試験紙になります。受験勉強的発想の狭隘な世界観を粉砕してくれるかもしれません。
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見て見ぬふりをする社会
見て見ぬふりをする社会 (JUGEMレビュー »)
マーガレット ヘファーナン
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新・日米安保論 (集英社新書)
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柳澤 協二,伊勢崎 賢治,加藤 朗
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英語の実際的研究 (1969年)
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秋山 敏
高校生にとって、今でも一押しの不朽の名著。でもこの本をことを知っている英語教師は少ないと思います。是非復刊してほしいものです。
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安倍首相から「日本」を取り戻せ! !
安倍首相から「日本」を取り戻せ! ! (JUGEMレビュー »)
泥 憲和
まともな言説は、誰にでもわかる易しい言葉で書かれています。そして、それが本物であればあるだけ、真実を直視する勇気のない、臆病者からバッシングを受けます。安倍政権や維新の会のヤクザ議員からバッシングを受けない言説は何のインパクトもない、ニセモノだと言ってもいいくらいです。泥さんの発言は、間違いなく政権にとって都合の悪いものだったのです。表紙の写真はコワいですが、この本を読めば泥さんの優しい心根に触れることができます。
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スノーデン 日本への警告 (集英社新書)
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エドワード・スノーデン,青木 理,井桁大介,金昌浩,ベン・ワイズナー,宮下紘,マリコ・ヒロセ
2017年4月18日、朝日新聞がようやく「パノプティプコン」を取り上げました。遅すぎますね。
これから先の日本社会は、ますます荒廃が進み、国民の不満が頂点に達し、やがて爆発します。それを未然に防ぐために、国は国民の監視を強化します。
実際アメリカでは「愛国者法」により、電子メールや携帯の通話履歴が監視の対象になっています。誰が、いつ、どこで、何を読んで、誰と通信を交わしたか、すべて国に筒抜けです。
「パノプティプコン」とはフランスの哲学者フーコーが用いた概念ですが、国民が刑務所の囚人のように監視される体制を言います。監視者の姿は見えませんが、囚人は監視者不在でも、監視を意識することによって管理統制されるのです。これを「パノプティシズム」と言います。
このシステムから解放されるためには、権力がどう管理・統制しようとしているかを知らねばなりません。この本はそれを知るための第一歩です。あなたが無知のまま、奴隷の人生を送りたければ、読む必要はありません。
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日本力
日本力 (JUGEMレビュー »)
松岡正剛,エバレット・ブラウン
テレビを始めとするメディアを通じて、何かといえば日本はスゴイ!と叫んでいる、あるいは叫ばないと身が持たない人たちに読んでもらいたい本です。だってそれは日本人がまともな思考をしてこなかった、今もできていないことの裏返しでしかありませんからね。日本スゴイと叫んでいる人を見ると、自分が持っている劣等感をこんな形でしか表現できないのかと思って気の毒になります。日本スゴイ!だからどうしたの?あなたは何をやりたいわけ?
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まんが政治vs.政治まんが――七人のソーリの一〇年
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佐藤 正明
今の政治状況に対して、まともに反応すればするほど、こちらがアホに思えてきます。正面突破は犠牲者が出るだけでなく、精神的にも疲労困憊しますからね。こういう時代の表現方法は、もはや風刺とブラックジョークしか残っていない気がします。
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魂の殺人―親は子どもに何をしたか
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A.ミラー
アリスミラーのこの本は、塾を始めるきっかけになりました。ただ生活のためだけなら、他のことをしていたでしょう。『才能ある子のドラマ』とあわせて、当時の私には衝撃的な本でした。人生はどこでどう転ぶかわかりません。人間の奥深さを知ることで、何とか自分を維持していたのです。この本を読むと当時のことが、ありありと思い出されます。ある意味で、私の人生を方向づけた本かもしれません。
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朽ちていった命:被曝治療83日間の記録 (新潮文庫)
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NHK「東海村臨界事故」取材班

2月18日のブログでも書きましたが、仕事のために読むビジネス書の類は、最終的には効率を重視し、最小の資本と労力の投下で、いかにして最大の利益を上げるかということに尽きていると思います。そのための働き方改革であり、そのための賃上げです。そのための人心掌握術であり、顧客対応です。ビジネス書を読めば読むほど、人間は軽薄になり、視野が狭くなっていきます。もしあなたがそれを自覚するきっかけがほしいなら、是非この本を読むことを勧めます。読書はビジネスのためにするのではないということが分かると思います。この本は私たちの日常の風景を一変させるだけのインパクトを持っています。いわば、ことばの最高の意味における「闖入者」なのです。
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生前退位をめぐる安倍首相の策謀 (宝島社新書)
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五味 洋治
天皇陛下が去年8月のお言葉で一番国民に伝えたかったのは、一言で言うと安倍首相の改憲を許してはならない、ということだったのです。それはブログでも再三書いてきましたが、今上天皇の20年にわたる慰霊の旅や国民に寄り添う姿勢が何よりそのことを証明しています。普通の読解力があれば分かることです。しかし、安倍首相には肝心の読解力がありません。安倍首相は今上天皇の思いを、単なる生前退位の「制度上の問題」にしてしまったのです。これは明らかな策謀です。国民は今一度、天皇陛下のメッセージに真剣に耳を傾けるべきです。
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教育の論理―文部省廃止論 (講談社文庫)
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羽仁 五郎
1979年、今から38年前に出版されたこの本を読み返しました。そして愕然としました。羽仁五郎が指摘したことがますますリアリティーをもって、前景化しています。福沢諭吉も言うように文部科学省はいらないのです。教育関係者は、自らの原点に戻るため、この本を読むべきです。
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服従
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ミシェル ウエルベック
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排除と抵抗の郊外: フランス〈移民〉集住地域の形成と変容
排除と抵抗の郊外: フランス〈移民〉集住地域の形成と変容 (JUGEMレビュー »)
森 千香子
第16回大仏次郎論壇賞を受賞した本作は、従来時間軸で論じてきた社会学の手法に、パリ郊外というエスニック・マイノリティーが住む「空間」を突きつけ、彼らがなぜグローバルテロリズムに追い込まれるのかを明らかにしたものです。

一読し感銘を受けました。問いを生きるという学問の原点が、彼女のフィールドワークにつながり、「移民たちは、彼ら自身に問題があるのだという視線を注がれていました。でも実際には、多数派による差別が問題を生み出していた。問題は社会の側にあったのです」と結論付けます。

この著作は日本社会のみならず、世界のこれからを考えるのに、大いに役立ちます。これぞ学問と言えるものです。『シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 』とあわせて読むことを勧めます。
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黒い巨塔 最高裁判所
黒い巨塔 最高裁判所 (JUGEMレビュー »)
瀬木 比呂志
この本はまだ発売されていません。自分で読んでいない本を推薦するのは邪道でしょう。しかし、これまでの『絶望の裁判所』『ニッポンの裁判』(ともに講談社現代新書)に続く裁判所、司法批判の第3弾が長編の権力小説だということで、過去2冊の本の面白さからして、推薦に値する本だと思いました。『原発ホワイトアウト』の最高裁判所ヴァージョンだと思います。読んでからコメントを追加したいと思います。
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被災の思想 難死の思想
被災の思想 難死の思想 (JUGEMレビュー »)
小田 実
若い人は彼の仕事も、名前すら知らない人もいるでしょう。来年で没後10年になります。彼が生きていたら、3・11をどうとらえ、どう表現していたか。それを見たかったし、彼の発言を聞きたかった、とつくづく思います。ジャーナリズムは劣化の一途をたどり、教育は非民主的な社会に適応できるように、こどもたちに真実を教えません。すべてのものには歴史があります。今ある世界が全てではなく、それを作り出した社会と人間の営みがあったのです。もし若い人が自由に生きようと思うのであれば、そして元気を出したければ、彼の著作を読んでみることです。『何でも見てやろう』でもいいですね。とにかく一冊手にとって見てください。そして彼の提示した問いに答えてみてください。
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そして、僕はOEDを読んだ
そして、僕はOEDを読んだ (JUGEMレビュー »)
アモン・シェイ
学校なる場所に通っていた時、毎年夏になると課題図書を読んで、読書感想文を書かねばならないのが苦痛でした。課題図書の選定には学校と書店の密約があるに違いないと思っていたくらいです。

偶然巡り合った面白い本の感想を書くのならまだ我慢できたかもしれません。つくづく学校というところは、余計なことをしてくれると思ったものです。

あまりにめんどうくさいので、「あとがき」を参考に、あらすじを書いて提出したら、トリプルAをもらいました。

学校というところは、もしかしたら、人生の退屈に耐える訓練をする場所だったのかもしれません。この本を読んで、改めてそのことを確認しました。別に先生を責めているわけではありません。それほど自覚的に生きるということは難しいのだとため息をついているだけです。
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選挙 [DVD]
選挙 [DVD] (JUGEMレビュー »)

想田和弘監督の観察映画。音楽による演出は一切なく、徹頭徹尾監督の視点で撮られたドキュメンタリー映画。見終わった後、日本の選挙風土の貧困さが浮かび上がる。この国に民主主義はない、ということを改めて確認し、そこから出発するしかない。その勇気を持つ人には必見の映画です。合わせて『選挙2』もどうぞ。
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職業としての政治 (岩波文庫)
職業としての政治 (岩波文庫) (JUGEMレビュー »)
マックス ヴェーバー
ウェーバーの死の1年前、1919年、学生達に向けた講演の記録です。
一部抜粋します。

「自分が世間に対して捧げようとするものに比べて、現実の世の中が―自分の立場からみて―どんなに愚かであり卑俗であっても、断じてく挫けない人間。どんな事態に直面しても「それにもかかわらず!」と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への「天職」を持つ。」(P105〜106)

「さて、ここにおいでの諸君、10年後にもう一度この点について話し合おうではないか。残念ながら私はあれやこれやいろんな理由から、どうも悪い予感がしてならないのだが、10年後には反動の時代がとっくに始まっていて、諸君の多くの人が―正直に言って私もだが―期待していたことのまずほとんどは、まさか全部でもあるまいが、少なくとも外見上たいていのものは、実現されていないだろう。」(P103〜104)

10年後には、ワイマール体制は機能不全に陥り、1933年にはヒトラーが首相に就任します。

平和憲法は、日本人にとって310万人の命と引き換えに手に入れた唯一と言っていい理念であり、アイデンティティーでした。その唯一の誇りを、日本人は損得勘定で葬り去ろうとしています。言い古された言葉ですが、歴史は繰り返すのです。
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熊楠の星の時間 (講談社選書メチエ)
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中沢 新一
小学校を卒業するころ、将来なりたい職業として思い描いていたのが、天文学者か生物学者でした。プロ野球選手は、自分のセンスでは無理だと悟りました。物ごころついたころから興味があったのは宇宙や昆虫や植物の世界でした。そんなわけで南方熊樟に出会うのは必然的な成り行きだったのです。人間は言葉によって世界を把握しますが、それ以外の把握の仕方があるはずだと、ずっと思ってきました。南方熊樟は、小林秀雄と同じく、直観による世界の把握の仕方を教えてくれました。この本は、言葉によって構成された世界秩序の外に出て、世界を改めて考えたい人に大いなるヒントをあたえてくれます。安倍政権によるゴキブリのフンのような、あまりにばかばかしい政治状況を見せつけられているので、精神の衛生学として一気に読みました。
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電通と原発報道――巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ
電通と原発報道――巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ (JUGEMレビュー »)
本間龍
こどもの教育から裏金を使ったオリンピック誘致、原発再稼働、戦争準備から武器の売却、安倍政権の裏の権力としてメディアに絶大な影響力を行使する電通。私たちは電通が作り上げた「箱」の中でいいようにマインドコントロールされている。自分の意見だと思っていたものが、実はそう思わされていただけだということに気づかなければならない。音楽をはじめとする芸能情報、その中で踊らされるミュージシャンやタレント、果てはデザイン業界までを席巻する。今や電通の介在しないメディアはないと言ってもいい。利権あるところに電通あり、です。
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英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる (集英社新書)
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施 光恒
英語教育に携わる人は、一度この本を読んでみるべきではないでしょうか。言葉は悪いですが「英語ばか」がこの国には余りにも多すぎる気がします。
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日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか
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矢部 宏治
前作『日本はなぜ「基地」と「原発」止められないのか』に続く著者渾身の力作。自分の人生を生きたい人にすすめます。ただそれだけです。18歳で選挙権が与えらる高校生が政治を考える際の基本的なテキストになる日がくるといいですね。無理でしょうが。これ以上余計なコメントはしません。まず手に取ってみてください。
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菅野 完
メディアで取り上げられるよりはるか前から日本会議の存在について私は言及していました。電通と同じくタブー視するメディアには心底失望したものです。報道すればタブーはタブーでなくなるのです。何を恐れているのでしょうか。干されれば、何とか生活をする工面をすればよい。それだけのことです。
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安冨 歩
経済学という自己正当化の道具、あるいは権力に寄生するための方便を分かりやすい言葉で暴露した本物の経済学の本。宇沢弘文氏の「社会的共通資本」と併せて読むことをすすめます。
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磯崎新
帯に「祝祭都市にスタジアムはいらない」とあります。そもそも2020年まで天災と原発事故をやり過ごし、経済危機を乗り越えて存在しているでしょうか。極めて怪しいですね。偶然書店で手に取って読みました。彼の文章を読むと、建築は現世の権力に奉仕するものではなく、想像力の王国を作るものだと思わされます。建築にそれほど興味のない人でも、読めます。いや、いつのまにか引き込まれているでしょう。
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りぼん・ぷろじぇくと
難関中高一貫校で学び、東大に合格しても、それはもはや知性のバロメーターではありません。この本に書かれていることが真実だと見破れることこそが本物の知性です。ニセの知性は既得権益を守るためにはどんな屁理屈でもひねり出します。おまえは何も知らないと言って他人を見下し、金と権力におもねるのです。ニセの知性は理想の灯を掲げることができません。「脳内お花畑」などという幼稚な言葉を使って揶揄するしかないのです。彼らの決まり文句は、他国が攻めてきたらどうするのかという、それこそ「脳内お花畑」的なものです。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とは、まさに至言です。
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桐野 夏生
権力も財力もない人間は、想像力を武器に戦うほかありません。以前ブログでも取り上げた『亡国記』とともに読むことをすすめます。
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吉見 俊哉
文部科学省と財界は文系学部、特に社会思想を研究する学部を標的にして、その廃止を迫っている。これがどれだけ短慮で、バカげたことかヨーロッパの大学を見てみればよい。コンピテンス、要するに高速事務処理能力と記憶力を重視する理系学部さえあれば国は繁栄するという考え方です。文系学部は「結果を出せない」といいます。株式会社化をなりふりかまわず進めようとする国の中で、文系学部は穀つぶしだと映っているのでしょうね。この国の知性の劣化はとどまるところを知らないようです。
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福島第一原発 メルトダウンまでの50年――事故調査委員会も報道も素通りした未解明問題
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私の元塾生の縁でお会いしたことのある烏賀陽弘道氏の渾身のレポート。事実を丹念に調べ上げ(これがジャーナリストの本来やることです)事実をして語らしめることのできる稀有なジャーナリスト。この本を読まずに福島第一原発の事故の本質に迫ることはできない。ダブル選挙の前に一人でも多くの国民が読むことを期待します。
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松岡正剛氏の本はどれも面白く、シリーズの千夜千冊を除けばほとんど読んでいます。『多読術』は、高校生にぜひ勧めたいと思います。高校時代に、この本を読んでおくと、さまざまな分野の知的見取り図を手に入れることができます。学校の授業だけではなく、この本を手掛かりにして知の荒野に歩みを進めてほしいと思います。
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安倍首相は「この道しかない」と言って消費税を上げ、集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定をし、公約とは正反対のTPPを批准することで、日本の文化=アイデンティティーを破壊しようとしています。

もし私たちが生き延びたければ、そのヒントがこの本の中に書かれています。日本は超大国の「夢」を代弁するだけの国になってはなりません。
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山本氏の国会での質問を、本になって改めて読み直して感じることは、文字通り「みんなが聞きたい」質問をしてくれたということです。安倍首相が小学生に「なぜ政治家になったのですか」と質問された時、「父親も祖父も政治家をしていたからです」と答えていました。小学生相手に、何と言う悲しい答えでしょうか。語るべき理想を持たない政治家など、所詮は官僚に利用されるだけです。それに対して、山本氏には語るべき理想がある。「政治なんてそんなものさ」というリアリストが発散する腐臭を吹き飛ばすさわやかさがある。それは、彼の身体には収まりきれない理想が持つ力そのものです。彼は言います。「力を貸してほしい。少なくとも、あなたが必要だと思われる社会、私が必要だと思われる社会を作っていきたい。そう思うんです」と。日本の総理大臣にふさわしいのはどちらでしょうか。
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おそらく、日本人自身よりも海外の知識人のほうが、日本の問題を正確にとらえていると思わせる本です。読み終えて何気なくテレビを見たら、わが大分県選出の国会議員、岩屋毅氏と江藤晟一氏が、2016年ミスユニバース大分県代表を選ぶ催し物に出ていました。名誉顧問だそうです。いかがわしい宗教団体をバックに票を稼ぐだけでは飽き足らず、こんな大会に顔を出して名前を売ろうとする。大分市長の佐藤樹一郎氏も出席していました。このお三方は、こんなことをするために国会議員や市長になったのでしょうか。国民の税金を使ってやることといえば、テレビに出演してにやけた顔をさらすことでしょうか。もう物事の軽重が全く分かっていません。せめてこの本くらい読んではどうでしょうか。私はこの本に書かれていることの大部分に賛成です。
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蓮池 透
出版されてすぐ読みました。国会で、読んでもいないのに、安倍首相が躍起になって否定した事実が書かれています。蓮池氏はあちこちから人格攻撃の対象とされてきましたが、自分にも落ち度があったと認めています。自分は総理大臣なのだから落ち度はないと居直る人間とは好対照です。この本を読んで、拉致問題について今一度国民が考えることを望みます。
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2年半ほど前に求めて、一気に読みました。マルクスの『資本論』の中に書かれていることを、著者が自分なりに消化し実践していく過程が書かれているので、一種のドキュメンタリー文学として読めます。きっと著者と同じ思いの若者は全国にたくさんいると思います。かけがえのない一回きりの人生を、充実して生きたいと思っている人に勇気を与える本です。
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本では土屋正雄氏の名訳が出ていますが、できれば英語で読んでもらいたい小説です。カズオ・イシグロの文章は読んでいてとても気持ちがいい。素晴らしい文体です。いつの間にか声に出して読んでいることがあります。ジョージ・オーエルと並んで私が最も好きな海外の作家です。彼が書くような英語を書きたいですし、彼のように考え、話したいものです。DVDを見た後は、是非小説も読んでください。
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もう何と言うか、別世界を生きている人間です。彼の発する言葉は文学とは無縁です。人間が言葉を持ったのは、言葉にしがたいものを言葉にしようとするためです。政治家が発する言葉の軽さと言ったらありません。それだけ現実も軽いものになったということでしょう。
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資本主義社会に生きるということは、会社といかにかかわるかを意味します。それほど私たちの働き場所として会社は大きな力を持っています。その会社がこれからどうなるのかを、数少ない本物の経済学者・岩井克人氏が洞察しています。凡百の経済評論家には決して書けない本です。今からでも遅くない。是非読んでみてください。
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著者は私と同じく学習塾を営む在野の哲学者。私が塾を始めた時、著者の『赤門塾通信』を読み、励まされました。

上下2巻で、結構なヴォリュームですが、やっと読み終わりました。今改めて日本の精神史をたどりなおしたいと考えている人には、ぜひ勧めたいと思います。感想は又いつか別の機会に。
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この本を理解できる政治家はおそらくいません。いたら、絶滅危惧種でしょう。
小林秀雄、岡潔、鈴木大拙のような人間はもう出てこないでしょうね。こういう人間を生み出す土壌が日本にはなくなりました。
代わりに登場してきたのが、橋下徹やホリエモンこと堀江貴史といった、マスコミによって改革の旗手と持ち上げられたマネー資本主義の申し子たちです。
感情を劣化させた人間が幅を利かせる社会は、効率を追求し、競争を加速させるだけの生きづらい社会です。日本社会はどうしようもなく劣化が進んでいます。
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岡 潔
教育で最も大切であるにもかかわらず、多くの人が忘れているのが感情教育です。世界的数学者・岡潔のことばでは「情緒」ということになります。普通、情緒とは正反対にあると考えられている数学のような学問で、ブレイクスルーをもたらすものは「情緒」だと岡潔は言います。今回読み直してみて、その深い洞察力と、そこから出てくるみずみずしい感性と新しさに、改めて驚かされました。

こどもの将来を本当に考える親なら、あれこれ参考書を買い与えるより、是非この本を読むことをすすめます。私たちが失ったものの価値が分かり、呆然とするはずです。

この本を読んで何も感じなかったらどうするのか?
残念ですが、どうしようもありませんね。これまで通り、自分の信じる道をお進みください。
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鈴木大拙の言わんとすることが、ようやくわかりかけてきました。年齢を重ね、日本文化の基底にあるものをじっくり味わうことで開示される世界があるのです。日々の生活に追われていては、この本を読み、味わう暇などないでしょうが、それだからこそ手に取ってみてはいかがでしょう。
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以下は私がアマゾンのレビューに投稿したものです。再録します。
「もし人に幸福な生き方があるとしたら、中村好文さんのような生き方だろうと、ずっと思ってきました。
建築雑誌をパラパラとめくりながら、ふむ、と思って手が止まると、そこには必ずと言っていいほど中村さんの設計した住宅がありました。
文は人なりと言いますが、その人の書く文章のエッセンスがこれほど見事に建築にも表現されている例はめったにありません。
建築に限らず、食の分野でも、ことばと実物の乖離がはなはだしい時代に、中村さんの設計した住宅や美術館に出会うと、どこか安心するのですね。
そういうわけで、著者の本はすべて読ませてもらっています。
この本も偶然、年末に本屋さんで手に入れ、装丁やカバーの手触りを楽しみながら読んでいます。
読みながらいつの間にかほのぼのとしている自分を発見します。
一日に一編か二編を過去の記憶をたどるようにして読んでいます。
この本の平明さ、やさしさがどこから来るのか。そんなことを分析するのは野暮というものです。
とにかくこの素敵な小さな本は、旅のお供にどうぞ!とすすめたくなります。」
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とっておきの場所 ・ ニューヨーク「ペイリー・パーク」
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    私にはとっておきの場所が二か所あります。一つは、ブログでも紹介した、コペンハーゲン中央駅から電車で小一時間の距離にあるルイジアナ美術館。この美術館の素晴らしさは、何と言ってもランドスケープにあります。建築はランドスケープの一要素に過ぎないと教えてくれたのはこの美術館でした。百聞は一見に如かず。デンマークに行くことがあったら、ぜひ立ち寄ってみて下さい。

     

     

    ルイジアナ美術館

     

     

     

     

     

    今回紹介するのは、もう一つのとっておきの場所、ニューヨークの街の真ん中にある「ペイリー・パーク」です。高層ビル群が建ち並ぶニューヨーク近代美術館の並びにある、わずか13メートル×30メートルの小さな公園、いわゆるポケットパークです。

     

    「ペイリー・パーク」

     

     

     

    ランドスケープ・アーキテクト、ロバート・ザイオンの設計で、ビルの谷間に造形されています。ハリー・ベルトイアの白のワイヤーフレームの椅子が置かれている、大都会のオアシスです。これをウィリアム・ペイリー財団が管理運営しています。

     

     

     

    「ペイリー・パーク」は、周囲の喧騒から離れたヒューマンスケールの空間を人々に提供しているのです。こうした空間は都市生活に欠かすことのできないものですね。歩き疲れた時、あるいは待ち合わせの場所として、とにかく座ることが出来るスペースは欠かせません。

     

     

     

    「ペイリー・パーク」の一番奥には、高さ6.1mの滝があります。流れ落ちる水の音が都会の喧騒を忘れさせてくれます。同時に中心的な視覚要素となっていて、歩行者を立ち止まらせ、その魅力に惹かれて公園に入ってみようと思わせるのです。

     

     

     

    小さな売店があり、サンドイッチやコーヒーといった軽食を手軽な値段で買うことができます。いわゆる、アウトドアカフェです。人々は、日常の何気ない会話を楽しんだり、ランチを楽しんだりしています。ちなみに、ニューヨークでは、オープンスペースの20%をこのカフェスペースに利用して良いとの規則があるそうです。

     

    木洩れ日がやさしい空間です。

     

     

     

     

     

    ところで、このペイリー・パークに関しては特別の思い出があります。昔の恋人と別れたのがこの公園だったのです、なんちゃって。冗談です。

     

     

     

    実はブログで紹介したSさんの奥さんが、わが家の見学に来た時、玄関アプローチに敷いている石(ピンコロ石)と中庭のベルトイアのダイヤモンド・チェア(もちろん、リプロダクトです)を見て、「もしかして、先生はニューヨークのペイリー・パークを御存知ですか?」と言ったのです。

     

    冬の「ペイリー・パーク」。敷き石はピンコロ石です。

     

     

     

     

    私は一瞬絶句しました。実はルイス・カーンや、中村好文さんと並んで、ペイリー・パークの設計者であるロバート・ザイオンに深く影響されていたからです。それを一瞬で見破ったのですから、恐るべき眼力の持ち主です。私が持てるものを総動員してSさん夫妻の力になろうと思ったのは、これが理由だったのです。

     

     

     

    話を元に戻します。ロバート・ザイオンはアメリカのランドスケープ・デザイナーです。1921年、ニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタンで生まれます。ハーバード大学で工業経営を学んだ後、ランドスケープ・アーキテクチュアのマスターを修得。ニューヨークで独立し活動していましたが、その後、郊外の開発から州の農村居住地を守るためニュージャージーのイムレイスタウンという人口数百人の小さな村にオフィスを移して、質の高いランドスケープをデザインし続けました。そこで交通事故に会い79歳で亡くなります。

     

     

    ペイリー・パークの図面。

     

     

     

     

    その温厚そうな風貌とは裏腹に、彼は造園についてかなりきつい調子で述べています。「ハーバードの造園学科を出ても造園家にはなれない」「造園家が自然そのものからあまりにも離れた距離に置かれていると、デザインすることが困難になるばかりでなく、極端に人工的なデザインをするようになりやすい」と

     

     

     

    複雑な自然の営みの一部を抜き取って、それを違う場所で再構成して見せることを「造園」というならば、それは恐ろしく大それた行為です。そんなことが机の上で一朝一夕にできるわけもありません。

     

     

     

    自然の一部である樹木や植物について学ぶことは、受験勉強のように図鑑の説明を覚えればいいというものではない。植物の生態はその土地の自然条件や風土と一体のものだからです。一歩一歩、急がずに、一生かかるつもりで、少しずつ体験を積み重ねていくしかありません。

     

     

     

    週休三日制のゆったりとした仕事ぶりが、彼のデザインの源泉となっているとの記事を以前読んだことがあります。しかし、週休三日制を採用すれば、誰でも良い仕事ができるわけではないでしょう。

     

     

     

    口を開けば、忙しい忙しいと言っている造園家は、単なるビジネスマンに過ぎません。造園家に求められる資質とは、実は、ゆったりとした暮らしの中から得られる、植物や人間に向けられる視線の優しさ、余裕のようなものなのかも知れません。

     

     

     

    言わずもがなですが、日本の教育に最も欠けているのが、こういった優しさと余裕なのです。

     

    | 建築 | 14:01 | comments(0) | - |
    初秋の安息日にゆっくり本を読む
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      2017年、秋分の日の中庭

       

       

      台風18号の強風にあおられたせいか、例年よりも落葉が早く、風に運ばれるようにしてテラスと塾棟の屋根に降り積もっています。家を建てて21年目の秋を迎えます。この荒涼とした感じが好きなので、あまり掃除もしません。早く寒くならないかな、そうすれば椅子を出して、マフラーを巻いて、コーヒーカップを両手で持って熱いコーヒーを啜ることができるのに、と本格的な秋の訪れを楽しみにしています。

       

       

      以下の本は『ルイス・カーンとはだれか』『建築を愛する人の十二章』の著者、香山壽夫の『建築のポートレート』です。小さな本ですが、氏が50年余りの間に撮りためてきた写真の一部を本にしたものです。私は、休みの日の午前中は、決まってお気に入りの建築家の写真集を眺めたり本を読んだりして過ごします。今回は香山氏の本のおすそわけです。氏の短いエッセイとともにご覧下さい。

       

       

       

       

      ドゥブロヴニク ダルマチア地方、クロアチア/7世紀〜

       

       

       

       

      「これは広場というよりも部屋ではないか。都市の大広間ではないか。隅から隅まで、まるで磨き上げたような滑らかな床が、抜けるような空の光りを受けて輝いている。集まる人を包むように、日陰がくっきりとしたかたまりを作っている。この光輝く床は、長年かけて、行きかう人の靴、おしゃべりする人の声で磨かれて来たのだ。

       

      ドゥブロヴニクは、アドリア海に面した美しい町である。中世初めからの城壁がぐるりと周囲を回っていて、そこを巡りながらも常に広場が見える程の、親しみやすい大きさだ。私が訪れたのは今から半世紀も前、それから国を分ける大きな戦争があって、国名も変わった。この美しい広場は今どうなっているか、と思わなくもないが、大丈夫だろうと信じている。ヨーロッパの都市は、すべて、数重なる戦争を経て生き続けているからだ。都市とは、そのようにして続くものだからだ。」

       

       

      ―サン・ジミニャーノ、トスカーナ州、イタリア、/ 紀元前3世紀〜

       

       

       

       

      「イタリアの古い小さな町には、心安まる平安がある。道は私を抱くように包み、揺れながら続く。道は狭い。しかし、狭すぎもしない。歩くのにちょうどいい広さだ。両側の石の壁は堅牢であり、同時に柔和で明朗である。その道を歩く時、私は迷うことを心配する必要はない。道は必ず、町の中心の明るい広場に導いてくれるからだ。案内人もいらない。考え悩むこともいらない。数世紀にわたって、その町を造り上げてきた大きな力に自分をゆだねて、ただ壁に沿って歩いていけばいいのだ。

       

      ただ時に、町の全体を見てみたくもなる。町の外をのぞいて見たくもなる。その時には、その町のどこかに必ず立っている塔のひとつに登ればいい。そこからは、町の全体が見下され、遠くの平野も見える。ここに住んできた人も、同じことを望んだのだろう。定着の安心を楽しみつつ、異郷への脱出にも憧れる、人間とはそういうものか。」

       

      | 建築 | 11:22 | comments(0) | - |
      エーリック ・ グンナール ・ アスプルンド
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        2月11日のブログ『若き建築家に幸あれ!』の中で紹介したK君と大分県中津市にある槇文彦設計の「風の丘斎場」を見学に行ったのは、今から7年ほど前のことでした。私の中では槇文彦と谷口吉生は日本の建築家の中では別格です。寛容さと気品の高さでは右に出る者はいないのではないでしょうか。谷口吉生氏については「『普遍的な感情』とは、どのようなものか。」で紹介しています。http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=87

         

         

        画像は「風の丘斎場」

         

         

         

         

         

        槇文彦氏の建築からは、ランドスケープデザインの重要性を学びました。

         

         

         

        この「風の丘斎場」の中に身を置くと、どうしても連想してしまうのが、エーリック・グンナール・アスプルンドの「森の火葬場」です。どちらも甲乙つけがたい完成度です。今回はアスプルンドの建築を紹介します。

         

         

         

         

        アスプルンドは、1885スウェーデンストックホルムに生まれました。父は税務署の役人でした。少年時代に画家を志したアスプルンドは、父と絵の教師の反対によりその夢を断念し、ストックホルムにある王立工科大学で建築を学ぶことになります。

         

         

        工科大学卒業後、王立芸術大学に進学しますが、そのボザール流の保守的な教育に反発して中退。仲間とともに私設学校「クララ・スクール」を設立します。

         

         

        1913年から1914年にかけてイタリアへ見学旅行に出かけます。帰国後、友人のシーグルド・レヴェレンツと共同で応募した1915年の「ストックホルム南墓地国際コンペ」で1等を獲得し、メジャーデビューを飾ります。後に「森の墓地」と呼ばれるこの作品に、アスプルンドは生涯をかけて取り組みます。ちなみに「森の墓地」全体が1994年にユネスコ世界遺産に登録されました。これは20世紀以降の建築としては、世界遺産への登録第1号です。

         

         

        1928年には、私の大好きな「ストックホルム市立図書館」など、前半生の代表作が完成します。この図書館は小さな丘の上に建てられていて、利用者はゆっくりとスロープを踏みしめながら近づくことになります。

         

        ストックホルム市立図書館

         

         

         

        この図書館は建物の中心部に直径30メートル、高さ32メートルの巨大な円筒形の大閲覧ホールを配置しています。画像をご覧ください。

         

         

         

        図書館には機能性や利便性が求められます。つまり、建築としてすべての部位に対して論理的な一貫性と説明が求められるのです。その反面、論理的に構築されていったスケールが身体的なスケールに落とし込まれた時、失われるものが出てきます。それは身体的、皮膚感覚的な居心地のよさです。図書館が大きくなればなるほど、どこか無機質で冷たい感じがしてくるのもこれが原因です。

         

         

        ところが「ストックホルム市立図書館」にはそれがありません。身体感覚の延長としてのあたたかさ、安心感があるのです。大閲覧室の曲面壁の上部に穿たれた二十ヵ所の高窓から降り注ぐ自然光は、この巨大なシリンダーの内部をまるで繭の内部のようなやわらかな光で満たします。

         

         

        この閲覧室の素晴らしい点は、3層構成の書架の上の余白です。書架の高さを抑え、余白の面積を圧倒的に増やしたことで、威圧感や権威的な雰囲気をなくし、本の美しさを強調しています。アスプルンドはおそらくこの上に人間の英知がさらに積み重ねられていくという未来の人間への信頼を表わそうとしたのでしょう。

         

         

        さらに、素晴らしいのは、1階の隅っこにある児童書のスペースです。カーテンで仕切られていて、真ん中に大きな椅子があり、それをとり囲むようにベンチが配置されています。大きな椅子には本を読み聞かせする大人が座ります。子供には大きすぎると思われるベンチは、そこに座ってお噺を聞く子供たちが小人になったような感覚を味わえるようにしているのでしょう。スウェーデンの建築文化が羨ましいですね。これこそが日本が見習うべきお手本なのだと思います。教育、教育と叫ばなくても、子供を大切にする文化が育まれています。

         

         

        ひるがえって、今の日本の教育はどうでしょうか。真ん中の大きな椅子に稲田朋美防衛大臣が座り、その横に安倍昭恵総理大臣夫人が立ち、後ろから安倍晋三日本国総理大臣が稲田氏の肩に手を置いてやさしく笑っています。読んで聞かせるのは、お伽噺ではなく教育勅語です。このイメージはあまりにも滑稽でグロテスクで独善的で反国際的ではないでしょうか。

         

         

        気分が悪くなったので次の建物を紹介します。1930年代に完成した、アスプルンドの「夏の家」です。「夏の家」は住宅建築の中で、私が一番好きな建物です。ルイス・カーンのエシェリック邸で建築に興味を持ち、影響を受けましたが、どの住宅が一番好きか、つまりそこで生活したいか、と問われれば「夏の家」だと答えます。どんなに疲れ、傷ついても、この家を見ると癒されるような、そんな佇まいです。これこそ魂の故郷だと感じさせる名建築です。

         

         

         

         

         

        | 建築 | 16:28 | comments(0) | - |
        建築から見た、グロテスクな教育と自由な教育
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          安倍首相や日本会議がめざす教育がどんなものか、それを明るみに出したのが森友学園を取り巻く一連の事件です。その本質は、日本が戦争で負けたことを認めたくない人間たちが、歴史を捏造してまで戦前に回帰しようとする愚かでグロテスクな衝動に支えられたものです。

           

           

          おそらく、安倍首相の支持母体である日本会議は、大衆消費社会・高度情報社会の中で、自分たちの精神的な基盤が切り崩されることに危機感を抱いたのだと思います。その危機感から、家族制度を中心とする戦前の「古き良き」社会に理想を求めたのです。そして、その「古き良き」社会を形作っていた教育制度を復権させようと試みているのでしょう。

           

           

          これはとんでもない思想的怠慢です。なぜなら歴史は不可逆だからです。しかも、戦前の家族制度や教育制度がどんな結末をもたらしたのか、その歴史的な遺産から何も学ぼうとしていません。森友学園で教育勅語を暗唱する幼稚園児を見て、天皇皇后両陛下は何を思っておられるでしょうか。

           

           

          私たちは、大衆消費社会・高度情報社会がもたらした「肥大した自己意識」を抱え、すべての思想・表現が等価で、価値基準が崩壊した社会を生きています。文化に対する価値基準のあいまい化と崩壊こそは、創造の源泉を枯らすものです。価値判断をめぐる正当なせめぎ合いの土俵が失われたことが、私たちの社会を生きにくくしている原因の一つです。

           

           

          日本会議は神社本庁・神道政治連盟を中心とする宗教集団です。その宗教が3万人余りの信者を集めるには、その<信仰>を引き受ける側の必要や、欲望といった心理的要因が加わらなければなりません。それは、どんな社会であれ、人間は理想を求めずにはいられないという普遍的な主題につながっています。

           

           

          しかし、その主題が現実の中で演じられると、滑稽で悲惨な愚行として表れることがあります。それは積極的な宗教思想の表現などというものではなく、無意識的な病理の発露となり、創造的な活力を生み出すだけの余裕のなさと、豊かな文化に対する感覚の欠落を表わすことになるのです。

           

          森友学園校舎

           

           

          オウム真理教『第七サティアン』

           

           

          これこそが、私が森友学園の校舎から感じた異様な感覚の原因だったのです。わかりやすく説明する前に、森友学園で講演した人たちの名前をあげておきます。これは後で重要になってくるので記憶しておいて下さい。

           

           

          百田尚樹・曽野綾子・平沼赳夫・青山繁晴・竹田恒泰・渡部昇一・中西輝政・櫻井よしこ・田母神俊雄・中山成彬・米長邦雄の面々です。彼らが理想とする教育がどんなものであるか、それを実践して見せたのが森友学園だったのです。

           

           

          ところで、今やこの国の教育は、戦前回帰を理想とする教育と受験教育の二つに収斂してしまいました。第3の道はないのでしょうか。『100年後の生存戦略−教育』の中でその第3の道を話してみたいのですが、そのためにはある場所を訪れる必要があります。そこを訪れた後、話してみるつもりです。

           

           

          そのヒントになるのが「自由学園」です。まず建物を紹介します。設計したのは天才建築家フランク・ロイド・ライトです。

           

          ライトといえばまず落水荘ですね。

           

           

           

          私は、かねてより学校建築は子どもを自由にするものと、子どもを型にはめるものがあると考えてきました。日本の公教育の学校建築は、少数の例外を除いて、校舎の片方に教室が並び、それが廊下で繋がれています。階段は校舎の両端と中央部にあるだけです。つまり、素早く教室から出て廊下に整列し、階段を駆け下りてグランドに集合できるように設計されています。兵舎を模したものです。

           

           

          塾の脱線話で、私はよく学校建築について図面を描いて説明したものです。それは学校の中心に食堂と図書館を置き、その周りに教室を円形に配置して廊下でつなぐというものでした。授業は原則として午前中で終わります。部活は学校外の活動として個人にまかせます。グランドには土を盛り、野菜や作物をつくるための農園にします。果樹を植え、一年に一度地域の人を呼んで収穫祭を開きます。話を聞いていた生徒の反応は、生き生きとしていました。自由学園はそれを実践していたのです。

           

           

          ここで自由学園の概略を紹介しておきます。

           

          「クリスチャンだった女性思想家の羽仁もと子と羽仁吉一の夫婦によって1921年4月15日、キリスト教精神(プロテスタント)に基づいた理想教育を実践しようと東京府北豊島郡高田町(現・豊島区)に設立された。1934年に校舎を東京府北多摩郡久留米町(現・東久留米市)に移転し、現在にいたる。

          学校名は、新約聖書『ヨハネによる福音書』8章32節「真理はあなたたちを自由にする」からとられている。

          学生の多くが学園内の寮で生活し、キャンパスの維持管理はとくに危険な仕事を除きすべて生徒の手によって行われている。これは毎日の生活を生徒自身が責任を持って行う自労自治の精神に基づく。文部科学省の学習指導要領にとらわれない独自の教育方法で知られ、たとえば学生による稲作(田植え・収穫)、女子部生徒が学園内農場で野菜を育てる農芸、男子部生徒による酪農(豚・牛を育てる)など、それによって得た給食調理も生徒自身が行っている。」(ウィキペディアより)

           

          詳細は是非インタヴュー記事をお読みください。

          http://riceball.network/archives/566

           

          食事をしているこどもたちの顔をご覧ください。

           

           

          建築はその本質を表します。自由学園の建築は教育の自由の美しさを表現しています。また、<生活>が教育の基礎であり目的であることを表現しているので、全校の生徒・学生が食事する食堂が校舎の中心にあり、そこで生徒・学生は当番制で料理し、食器の整理や後片づけもします。食堂では生徒、学生、教師が自由に席に着きます。食後には料理の報告、食費の報告から、学校の問題、個人の問題、社会の問題など、あらゆる問題が話し合われ、外国からの客もこの食堂に招待され、食事をともにし、談話に加わります。要するに、自由学園の建築は生徒・学生の<自治>を表現しているのです。

           

          初等科の昼食風景。今日は何を話し合っているのでしょうか。

           

           

          食事は父母の協力を得て自分たちで作ります。

           

           

          自由学園『明日館』

           

           

          結婚式場にもなります。

           

           

           

          一年に一度開かれるビヤテラス

           

           

           

          最後に、自由学園で学び、そこを巣立っていった人の名前を一部ですが挙げておきます。森友学園で講演した人たちと比べて下さい。

           

          • 蟻川謙太郎(神経行動学、感覚生理学)
          • いしいしんじ(作家、大阪友の会幼児生活団)
          • 石垣綾子(評論家)
          • 伊藤毅(THE STREET BEATS、JUN SKY WALKER(S)、音楽プロデューサー、作曲家)
          • 梅浦洋一(テレビプロデューサー、映画プロデューサー)
          • 遠藤楽(建築家)※遠藤新の二男
          • 應蘭芳(女優)
          • オノ・ヨーコ(芸術家、幼児生活団卒)
          • 紙谷一衛(指揮者)
          • 神谷美恵子(精神科医、作家)※3か月間のみ在学
          • 川嶋仁(ピアニスト)
          • 岸田今日子(女優)
          • 木下良作(学者)
          • 吉良直(比較教育学、東洋大学教授)
          • 金原亭世之介(落語家)
          • 久家道子(手芸家、刺繍作家)
          • 日下公人(評論家、作家、多摩大学名誉教授)
          • 久山恵子(指揮者)
          • 黒田清子(幼児生活団通信グループ)
          • 小山美秀子(神慈秀明会創始者)
          • 坂本龍一(作曲家、東京友の会 世田谷幼児生活団)
          • 生源寺美子(児童文学作家)
          • 新海百合子(女優)
          • 坪井明日香(陶芸家)
          • 蜷川実花(写真家、映画監督、自由学園幼児生活団)
          • 野依良治(化学者、ノーベル化学賞受賞、神戸友の会幼児生活団)
          • 萩元晴彦(テレビ制作者、音楽プロデューサー)
          • 纐纈あや(映画監督)
          • 羽仁協子(音楽評論家)※羽仁もと子の孫
          • 羽仁知治(ジャズピアニスト)※羽仁五郎の孫
          • 羽仁進(映画監督)※羽仁もと子の孫
          • 羽田澄子(映画監督)
          • 文仁親王妃紀子(幼児生活団通信グループ)
          • 古内東子(歌手、幼児生活団中退)
          • 古屋安雄(神学者、国際基督教大学名誉教授)
          • 堀江泰子(料理研究家)
          • 本郷淳(俳優)
          • 松岡洋子(評論家、翻訳家)
          • 松原剛(CMディレクター)
          • 松室哲生(元『週刊ダイヤモンド』編集長)
          • 三木晴雄(実業家)
          • 水木楊(市岡揚一郎)(作家)
          • 宮浦清(音楽家、プロデューサー)
          • 宮田和弥(JUN SKY WALKER(S)、ジェット機 (バンド))
          • 三善晃(作曲家、幼児生活団)
          • 村方千之(指揮者)
          • 森純太(JUN SKY WALKER(S)、作曲家)
          • 本橋成一(カメラマン、映画監督)
          • 山本明(高エネルギー加速器研究機構教授)
          • 山本直純(指揮者、作曲家)
          • 山本ふみこ(作家、エッセイスト)

           

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