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 (JUGEMレビュー »)

まず私たちの生命と暮らしを脅かす事実を知ること。それにたいしてどのような認識を持つのか。この国のみならず、世界を壊滅させる災厄とどう向き合うのか。次世代に対してどう責任を取るのか、そもそも責任を取れるのか。自分に何ができるのか。この現実にどう向き合うのか。それを教えるのが教育のはずだが、この国には教育も哲学も存在しない。
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「最悪」の核施設 六ヶ所再処理工場 (集英社新書)
「最悪」の核施設 六ヶ所再処理工場 (集英社新書) (JUGEMレビュー »)
小出 裕章,渡辺 満久,明石 昇二郎
原発よりもはるかに危険な六ヶ所村再処理工場。私たちの日々の生活が薄氷の上で営まれていることを痛感させられる。同時に、この国には「国民の生命・財産・自由を守り抜く!」と威勢のいいことを言う総理大臣と無能の政治家しかいないことに絶望する。核燃料サイクルと言い、下北半島の再処理工場と言い、3兆円以上の国民の税金がつぎ込まれ、いまだ後始末も将来の見通しもたっていない現実をどう考えているのか。彼らは核兵器を持ちたいという願望と税金をロンダリングして私腹を肥やすことしか眼中にない。北海道の地震だけに目を奪われてはならない。六ヶ所村は今回の震源地の目と鼻の先にあるのだ。
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幻影(イメジ)の時代―マスコミが製造する事実 (現代社会科学叢書)
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D.J.ブーアスティン
私にとっては古典の中の古典。三度読みました。そしてその慧眼にいまだに驚いています。
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殺人犯はそこにいる (新潮文庫)
殺人犯はそこにいる (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
清水 潔
ジャーナリストと称する職業がある。自称ジャーナリストもいれば、テレビのコメンテーターとしてリベラルに媚びる政権批判をし、名を売り、講演で稼ぐ職業をジャーナリストと呼ぶ者もいる。とんだ茶番である。ジャーナリストとはどこまでも「事実」を追いかける。テレビに出て能天気な解釈や感想を垂れ流している暇などないはずだ。ジャーナリストを志す若い人には清水氏の著作は避けて通れない。その名に値する本物のジャーナリストがここにいる。
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デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義 (集英社新書)
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福田 直子
おそらく自民党・安倍政権はSNSを駆使し、分析するデータサイエンス(日本版なのでレベルはまだ低いですが)の重要性に着目し、選挙にどうすれば勝てるか、自分たちに有利な世論を形成し、国民を誘導・分断するにはどうすればいいのかが分かっているのです。そのためのノウハウも蓄積しつつあります。安倍首相の貧困な語彙力からは想像できないカタカナ言葉を聞いていると、それがSNSを分析している集団から教えられたものであることがよくわかります。ただ彼らの致命的な弱点は将来の社会を導く理想がないことです。おそらく、思いもかけない結果が待っていることでしょう。なぜなら、所詮、彼らはアメリカとビッグデータの奴隷でしかないのですから。これからの政治は、好むと好まざるとにかかわらず、この本に書かれていること抜きには語れなくなっているのです。
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 (JUGEMレビュー »)

安倍政権に対するメディアの忖度が云々されていますが、元々同じ穴のムジナなのです。忘れてならないのは、日中戦争から太平洋戦争にかけて、日本の世論と新聞のほぼ全部は好戦的・拡張主義的だったのです。しかも、当時はまだ言論統制体制が発足していなかったのです。この本は、そうした「一貫して好戦的な世論とそれに便乗する新聞」が先導し、近衛文麿はじめ文民政治家がそれに便乗、軍部がさらに便乗、という構図を一次資料で克明に論証しています。安倍政権を支持するネトウヨの皆さんの日本語力では、まともな読解は無理ですので勧めません。一方、正確な歴史を知るためには「世論」の不気味さを知ることだと気づいている若い人には是非一読を勧めます。
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茫漠の曠野 ノモンハン
茫漠の曠野 ノモンハン (JUGEMレビュー »)
松本草平
著者は大分市にある『天心堂へつぎ病院』の院長、松本文六氏の御尊父、松本草平(本名松本弘)氏です。詳しくは、ブログで紹介したいと思いますが、第一次資料として極めて価値の高いものです。40年ぶりに復刻版を出された松本文六氏と出版社に感謝する他ありません。
戦略も何もない、無謀・無慈悲な戦争を語り継ぐことは、最も崇高で重要な人間の営為だと私は考えています。作家の司馬遼太郎氏は、電話で草平氏に次のように伝えてきたそうです。「先生の臨場感のあるノモンハン戦記に出会えて本当にありがとうございました。私は大東亜戦争の折、戦車隊の一員として従軍しましたが、先生の従軍記以上のものを創ることはできません。」と。
一人でも多くの方がこの本を読まれることを望みます。ちなみに松本文六氏は伊方原発差止め訴訟の原告でもあります。その縁で、この本に出会うことができました。
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「南京事件」を調査せよ (文春文庫)
「南京事件」を調査せよ (文春文庫) (JUGEMレビュー »)
清水 潔
全国のネトウヨの皆さんへの推薦図書です。清水氏のこの本を読んでから、「南京事件はなかった!」「南京事件は捏造だ!」と叫びましょうネ。
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卑怯者の島: 戦後70年特別企画
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小林 よしのり
2015年に読み、感動した本(漫画)です。個人的には、これは小林よしのりの最高傑作だと思っています。『堕落論』とあわせて読んでほしいと思います。左右に関係なく、あなたが絶えず仮の足場を求めて思考を継続する意思を持つなら、避けて通れない著作です。
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日本列島の全原発が危ない! 広瀬隆 白熱授業  DAYS JAPAN(デイズジャパン)2018年1月号増刊号
日本列島の全原発が危ない! 広瀬隆 白熱授業 DAYS JAPAN(デイズジャパン)2018年1月号増刊号 (JUGEMレビュー »)
広瀬隆
広瀬氏をアジテーターだの、オオカミ少年だの、悲観主義に過ぎると言って批判する人がいる。しかし、ブログで何度も述べてきたように、真の悲観主義こそがマインドコントールによって奴隷根性のしみ込んだ私たちの精神を浄化してくれるのだ。そもそも無知では悲観が生まれようもないではないか。国などいくら破れても結構。せめて山河だけでも次世代に残そうと考える人ならぜひとも読むべき本である。いや、これから幾多の春秋に富む若い人にこそすすめたい。
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知識人とは何か (平凡社ライブラリー)
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エドワード・W. サイード
いわゆる「知識人」なるものが絶滅して久しい。しかし、サイードの言う知識人の定義は時代がどんなに変わっても常に新しい。「知識人とは亡命者にして周辺的存在であり、またアマチュアであり、さらには権力に対して真実を語ろうとする言葉の使い手である」高校生や大学生にはぜひとも読んでほしい本です。
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磯崎新と藤森照信の茶席建築談議
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磯崎 新,藤森 照信
この本は茶室を巡る様々な建築的発想・知識の宝庫です。それにしても磯崎新氏の驚くべき記憶力と該博な知識には驚かさされます。建築史を語るには欠かせない二人の対談です。時がたつのを忘れさせるほどの面白さでした。
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チャヴ 弱者を敵視する社会
チャヴ 弱者を敵視する社会 (JUGEMレビュー »)
オーウェン・ジョーンズ,Owen Jones
【本書への賛辞】

「怒りが生んだ、最高の本」
──ガーディアン紙

最高の論争がみなそうであるように、知性に裏打ちされた怒りが本書を支えている。
──エコノミスト誌

暴動や世界中に広がったオキュパイ運動に照らして考えると、分断社会に関する著者の鋭い分析は、
不気味なほど未来を予知していたことがわかる。
──アートフォーラム誌

情熱と、思いやりと、すぐれた道徳性が結実した仕事だ。
──ニューヨーク・タイムズ紙

政治の定説を見直す大胆な試み。著者は戦後のイギリス史を縦横無尽に往き来し、
階級、文化、アイデンティティといった複雑な問題を軽々とまとめてみせ、
結果として「階級」問題に火をつけ、大きな効果をあげている。
──インディペンデント紙

いまの制度が貧しい人々を見捨てていることに対する苛烈な警告──それが本書だ。
──ブログサイト「デイリー・ビースト」

ジョーンズは、「地の塩」だった労働者階級が政治のせいで「地のクズ」と見なされるようになった経緯を見事に説明している。
──タイムズ紙

この本は、新しいタイプの階級嫌悪と、その裏にあるものを痛烈にあばいて見せてくれる。
──ジョン・ケアリー(The Intellectuals and the Masses著者)

これは「イギリスはおおむね階級のない社会である」という考え方への、論理的で情報満載の大反撃だ。
──オブザーバー紙

情熱的で示唆に富む……この声が届くことを心から願う。
──スコットランド・オン・サンデー紙
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フェイクニュースの見分け方 (新潮新書)
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烏賀陽 弘道
私は政治的な言葉と詩的言語の間を、その振幅が大きいがゆえに、往復することによって精神を活性化させています。政治的な文章を読むときに気をつけていることは、ファクトとオピニオンを区別することです。これはイロハのイだと思っていたのですが、今はお互い罵詈雑言の投げつけ合いで、言論空間がいびつになっています。これは今の政治を反映したものでしょう。菅官房長官が「問題ない」「その指摘は当たらない」などといったコミュニケーション遮断語を頻繁に使いだしてから、この傾向は加速しています。言論空間のゆがみを正し、正常な論争が復活することがあるのでしょうか。地に足がついた生き方をしたいなら、まず気分に流されず、事実を見極めることから始めなければなりません。事実を提示しないジャーナリストは、ジャーナリストではありません。そのことを確認するためにも本書は必読です。本物の読解力をつけたいと考えている中高生には特にお勧めです。
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 (JUGEMレビュー »)

紹介していない本が山のようにあります。数日前にこの本を本棚の奥から引っ張り出し再読しました。いや〜面白かった。。とにかくこの本のことを忘れていた自分が信じられない。読んでない人に熱烈に勧めます。ハイ。
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チェンジング・ブルー――気候変動の謎に迫る (岩波現代文庫)
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大河内 直彦
アインシュタインの名言のひとつに、「過去から学び、今日のために生き、未来に対して希望をもつ。大切なことは、何も疑問を持たない状態に陥らないことである。」があります。
本書は文系・理系を問わず、高校生や大学生必読の本です。単に気候の科学を紹介しただけではなく、科学者たちのさまざまな逸話を紹介しながら、科学における知識・研究の積み重ねの重要性を教えてくれます。この本にのめり込むかどうかが、あなたの知性のリトマス試験紙になります。受験勉強的発想の狭隘な世界観を粉砕してくれるかもしれません。
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見て見ぬふりをする社会
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マーガレット ヘファーナン
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新・日米安保論 (集英社新書)
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柳澤 協二,伊勢崎 賢治,加藤 朗
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英語の実際的研究 (1969年)
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秋山 敏
高校生にとって、今でも一押しの不朽の名著。でもこの本をことを知っている英語教師は少ないと思います。是非復刊してほしいものです。
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安倍首相から「日本」を取り戻せ! !
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泥 憲和
まともな言説は、誰にでもわかる易しい言葉で書かれています。そして、それが本物であればあるだけ、真実を直視する勇気のない、臆病者からバッシングを受けます。安倍政権や維新の会のヤクザ議員からバッシングを受けない言説は何のインパクトもない、ニセモノだと言ってもいいくらいです。泥さんの発言は、間違いなく政権にとって都合の悪いものだったのです。表紙の写真はコワいですが、この本を読めば泥さんの優しい心根に触れることができます。
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スノーデン 日本への警告 (集英社新書)
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エドワード・スノーデン,青木 理,井桁大介,金昌浩,ベン・ワイズナー,宮下紘,マリコ・ヒロセ
2017年4月18日、朝日新聞がようやく「パノプティプコン」を取り上げました。遅すぎますね。
これから先の日本社会は、ますます荒廃が進み、国民の不満が頂点に達し、やがて爆発します。それを未然に防ぐために、国は国民の監視を強化します。
実際アメリカでは「愛国者法」により、電子メールや携帯の通話履歴が監視の対象になっています。誰が、いつ、どこで、何を読んで、誰と通信を交わしたか、すべて国に筒抜けです。
「パノプティプコン」とはフランスの哲学者フーコーが用いた概念ですが、国民が刑務所の囚人のように監視される体制を言います。監視者の姿は見えませんが、囚人は監視者不在でも、監視を意識することによって管理統制されるのです。これを「パノプティシズム」と言います。
このシステムから解放されるためには、権力がどう管理・統制しようとしているかを知らねばなりません。この本はそれを知るための第一歩です。あなたが無知のまま、奴隷の人生を送りたければ、読む必要はありません。
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日本力
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松岡正剛,エバレット・ブラウン
テレビを始めとするメディアを通じて、何かといえば日本はスゴイ!と叫んでいる、あるいは叫ばないと身が持たない人たちに読んでもらいたい本です。だってそれは日本人がまともな思考をしてこなかった、今もできていないことの裏返しでしかありませんからね。日本スゴイと叫んでいる人を見ると、自分が持っている劣等感をこんな形でしか表現できないのかと思って気の毒になります。日本スゴイ!だからどうしたの?あなたは何をやりたいわけ?
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まんが政治vs.政治まんが――七人のソーリの一〇年
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佐藤 正明
今の政治状況に対して、まともに反応すればするほど、こちらがアホに思えてきます。正面突破は犠牲者が出るだけでなく、精神的にも疲労困憊しますからね。こういう時代の表現方法は、もはや風刺とブラックジョークしか残っていない気がします。
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魂の殺人―親は子どもに何をしたか
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A.ミラー
アリスミラーのこの本は、塾を始めるきっかけになりました。ただ生活のためだけなら、他のことをしていたでしょう。『才能ある子のドラマ』とあわせて、当時の私には衝撃的な本でした。人生はどこでどう転ぶかわかりません。人間の奥深さを知ることで、何とか自分を維持していたのです。この本を読むと当時のことが、ありありと思い出されます。ある意味で、私の人生を方向づけた本かもしれません。
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朽ちていった命:被曝治療83日間の記録 (新潮文庫)
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NHK「東海村臨界事故」取材班

2月18日のブログでも書きましたが、仕事のために読むビジネス書の類は、最終的には効率を重視し、最小の資本と労力の投下で、いかにして最大の利益を上げるかということに尽きていると思います。そのための働き方改革であり、そのための賃上げです。そのための人心掌握術であり、顧客対応です。ビジネス書を読めば読むほど、人間は軽薄になり、視野が狭くなっていきます。もしあなたがそれを自覚するきっかけがほしいなら、是非この本を読むことを勧めます。読書はビジネスのためにするのではないということが分かると思います。この本は私たちの日常の風景を一変させるだけのインパクトを持っています。いわば、ことばの最高の意味における「闖入者」なのです。
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生前退位をめぐる安倍首相の策謀 (宝島社新書)
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五味 洋治
天皇陛下が去年8月のお言葉で一番国民に伝えたかったのは、一言で言うと安倍首相の改憲を許してはならない、ということだったのです。それはブログでも再三書いてきましたが、今上天皇の20年にわたる慰霊の旅や国民に寄り添う姿勢が何よりそのことを証明しています。普通の読解力があれば分かることです。しかし、安倍首相には肝心の読解力がありません。安倍首相は今上天皇の思いを、単なる生前退位の「制度上の問題」にしてしまったのです。これは明らかな策謀です。国民は今一度、天皇陛下のメッセージに真剣に耳を傾けるべきです。
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教育の論理―文部省廃止論 (講談社文庫)
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羽仁 五郎
1979年、今から38年前に出版されたこの本を読み返しました。そして愕然としました。羽仁五郎が指摘したことがますますリアリティーをもって、前景化しています。福沢諭吉も言うように文部科学省はいらないのです。教育関係者は、自らの原点に戻るため、この本を読むべきです。
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服従
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ミシェル ウエルベック
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排除と抵抗の郊外: フランス〈移民〉集住地域の形成と変容
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森 千香子
第16回大仏次郎論壇賞を受賞した本作は、従来時間軸で論じてきた社会学の手法に、パリ郊外というエスニック・マイノリティーが住む「空間」を突きつけ、彼らがなぜグローバルテロリズムに追い込まれるのかを明らかにしたものです。

一読し感銘を受けました。問いを生きるという学問の原点が、彼女のフィールドワークにつながり、「移民たちは、彼ら自身に問題があるのだという視線を注がれていました。でも実際には、多数派による差別が問題を生み出していた。問題は社会の側にあったのです」と結論付けます。

この著作は日本社会のみならず、世界のこれからを考えるのに、大いに役立ちます。これぞ学問と言えるものです。『シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 』とあわせて読むことを勧めます。
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黒い巨塔 最高裁判所
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瀬木 比呂志
この本はまだ発売されていません。自分で読んでいない本を推薦するのは邪道でしょう。しかし、これまでの『絶望の裁判所』『ニッポンの裁判』(ともに講談社現代新書)に続く裁判所、司法批判の第3弾が長編の権力小説だということで、過去2冊の本の面白さからして、推薦に値する本だと思いました。『原発ホワイトアウト』の最高裁判所ヴァージョンだと思います。読んでからコメントを追加したいと思います。
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被災の思想 難死の思想
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小田 実
若い人は彼の仕事も、名前すら知らない人もいるでしょう。来年で没後10年になります。彼が生きていたら、3・11をどうとらえ、どう表現していたか。それを見たかったし、彼の発言を聞きたかった、とつくづく思います。ジャーナリズムは劣化の一途をたどり、教育は非民主的な社会に適応できるように、こどもたちに真実を教えません。すべてのものには歴史があります。今ある世界が全てではなく、それを作り出した社会と人間の営みがあったのです。もし若い人が自由に生きようと思うのであれば、そして元気を出したければ、彼の著作を読んでみることです。『何でも見てやろう』でもいいですね。とにかく一冊手にとって見てください。そして彼の提示した問いに答えてみてください。
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アモン・シェイ
学校なる場所に通っていた時、毎年夏になると課題図書を読んで、読書感想文を書かねばならないのが苦痛でした。課題図書の選定には学校と書店の密約があるに違いないと思っていたくらいです。

偶然巡り合った面白い本の感想を書くのならまだ我慢できたかもしれません。つくづく学校というところは、余計なことをしてくれると思ったものです。

あまりにめんどうくさいので、「あとがき」を参考に、あらすじを書いて提出したら、トリプルAをもらいました。

学校というところは、もしかしたら、人生の退屈に耐える訓練をする場所だったのかもしれません。この本を読んで、改めてそのことを確認しました。別に先生を責めているわけではありません。それほど自覚的に生きるということは難しいのだとため息をついているだけです。
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選挙 [DVD]
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想田和弘監督の観察映画。音楽による演出は一切なく、徹頭徹尾監督の視点で撮られたドキュメンタリー映画。見終わった後、日本の選挙風土の貧困さが浮かび上がる。この国に民主主義はない、ということを改めて確認し、そこから出発するしかない。その勇気を持つ人には必見の映画です。合わせて『選挙2』もどうぞ。
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職業としての政治 (岩波文庫)
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マックス ヴェーバー
ウェーバーの死の1年前、1919年、学生達に向けた講演の記録です。
一部抜粋します。

「自分が世間に対して捧げようとするものに比べて、現実の世の中が―自分の立場からみて―どんなに愚かであり卑俗であっても、断じてく挫けない人間。どんな事態に直面しても「それにもかかわらず!」と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への「天職」を持つ。」(P105〜106)

「さて、ここにおいでの諸君、10年後にもう一度この点について話し合おうではないか。残念ながら私はあれやこれやいろんな理由から、どうも悪い予感がしてならないのだが、10年後には反動の時代がとっくに始まっていて、諸君の多くの人が―正直に言って私もだが―期待していたことのまずほとんどは、まさか全部でもあるまいが、少なくとも外見上たいていのものは、実現されていないだろう。」(P103〜104)

10年後には、ワイマール体制は機能不全に陥り、1933年にはヒトラーが首相に就任します。

平和憲法は、日本人にとって310万人の命と引き換えに手に入れた唯一と言っていい理念であり、アイデンティティーでした。その唯一の誇りを、日本人は損得勘定で葬り去ろうとしています。言い古された言葉ですが、歴史は繰り返すのです。
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熊楠の星の時間 (講談社選書メチエ)
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中沢 新一
小学校を卒業するころ、将来なりたい職業として思い描いていたのが、天文学者か生物学者でした。プロ野球選手は、自分のセンスでは無理だと悟りました。物ごころついたころから興味があったのは宇宙や昆虫や植物の世界でした。そんなわけで南方熊樟に出会うのは必然的な成り行きだったのです。人間は言葉によって世界を把握しますが、それ以外の把握の仕方があるはずだと、ずっと思ってきました。南方熊樟は、小林秀雄と同じく、直観による世界の把握の仕方を教えてくれました。この本は、言葉によって構成された世界秩序の外に出て、世界を改めて考えたい人に大いなるヒントをあたえてくれます。安倍政権によるゴキブリのフンのような、あまりにばかばかしい政治状況を見せつけられているので、精神の衛生学として一気に読みました。
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電通と原発報道――巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ
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本間龍
こどもの教育から裏金を使ったオリンピック誘致、原発再稼働、戦争準備から武器の売却、安倍政権の裏の権力としてメディアに絶大な影響力を行使する電通。私たちは電通が作り上げた「箱」の中でいいようにマインドコントロールされている。自分の意見だと思っていたものが、実はそう思わされていただけだということに気づかなければならない。音楽をはじめとする芸能情報、その中で踊らされるミュージシャンやタレント、果てはデザイン業界までを席巻する。今や電通の介在しないメディアはないと言ってもいい。利権あるところに電通あり、です。
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英語教育に携わる人は、一度この本を読んでみるべきではないでしょうか。言葉は悪いですが「英語ばか」がこの国には余りにも多すぎる気がします。
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前作『日本はなぜ「基地」と「原発」止められないのか』に続く著者渾身の力作。自分の人生を生きたい人にすすめます。ただそれだけです。18歳で選挙権が与えらる高校生が政治を考える際の基本的なテキストになる日がくるといいですね。無理でしょうが。これ以上余計なコメントはしません。まず手に取ってみてください。
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メディアで取り上げられるよりはるか前から日本会議の存在について私は言及していました。電通と同じくタブー視するメディアには心底失望したものです。報道すればタブーはタブーでなくなるのです。何を恐れているのでしょうか。干されれば、何とか生活をする工面をすればよい。それだけのことです。
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経済学という自己正当化の道具、あるいは権力に寄生するための方便を分かりやすい言葉で暴露した本物の経済学の本。宇沢弘文氏の「社会的共通資本」と併せて読むことをすすめます。
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帯に「祝祭都市にスタジアムはいらない」とあります。そもそも2020年まで天災と原発事故をやり過ごし、経済危機を乗り越えて存在しているでしょうか。極めて怪しいですね。偶然書店で手に取って読みました。彼の文章を読むと、建築は現世の権力に奉仕するものではなく、想像力の王国を作るものだと思わされます。建築にそれほど興味のない人でも、読めます。いや、いつのまにか引き込まれているでしょう。
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りぼん・ぷろじぇくと
難関中高一貫校で学び、東大に合格しても、それはもはや知性のバロメーターではありません。この本に書かれていることが真実だと見破れることこそが本物の知性です。ニセの知性は既得権益を守るためにはどんな屁理屈でもひねり出します。おまえは何も知らないと言って他人を見下し、金と権力におもねるのです。ニセの知性は理想の灯を掲げることができません。「脳内お花畑」などという幼稚な言葉を使って揶揄するしかないのです。彼らの決まり文句は、他国が攻めてきたらどうするのかという、それこそ「脳内お花畑」的なものです。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とは、まさに至言です。
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権力も財力もない人間は、想像力を武器に戦うほかありません。以前ブログでも取り上げた『亡国記』とともに読むことをすすめます。
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吉見 俊哉
文部科学省と財界は文系学部、特に社会思想を研究する学部を標的にして、その廃止を迫っている。これがどれだけ短慮で、バカげたことかヨーロッパの大学を見てみればよい。コンピテンス、要するに高速事務処理能力と記憶力を重視する理系学部さえあれば国は繁栄するという考え方です。文系学部は「結果を出せない」といいます。株式会社化をなりふりかまわず進めようとする国の中で、文系学部は穀つぶしだと映っているのでしょうね。この国の知性の劣化はとどまるところを知らないようです。
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私の元塾生の縁でお会いしたことのある烏賀陽弘道氏の渾身のレポート。事実を丹念に調べ上げ(これがジャーナリストの本来やることです)事実をして語らしめることのできる稀有なジャーナリスト。この本を読まずに福島第一原発の事故の本質に迫ることはできない。ダブル選挙の前に一人でも多くの国民が読むことを期待します。
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松岡正剛氏の本はどれも面白く、シリーズの千夜千冊を除けばほとんど読んでいます。『多読術』は、高校生にぜひ勧めたいと思います。高校時代に、この本を読んでおくと、さまざまな分野の知的見取り図を手に入れることができます。学校の授業だけではなく、この本を手掛かりにして知の荒野に歩みを進めてほしいと思います。
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安倍首相は「この道しかない」と言って消費税を上げ、集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定をし、公約とは正反対のTPPを批准することで、日本の文化=アイデンティティーを破壊しようとしています。

もし私たちが生き延びたければ、そのヒントがこの本の中に書かれています。日本は超大国の「夢」を代弁するだけの国になってはなりません。
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山本氏の国会での質問を、本になって改めて読み直して感じることは、文字通り「みんなが聞きたい」質問をしてくれたということです。安倍首相が小学生に「なぜ政治家になったのですか」と質問された時、「父親も祖父も政治家をしていたからです」と答えていました。小学生相手に、何と言う悲しい答えでしょうか。語るべき理想を持たない政治家など、所詮は官僚に利用されるだけです。それに対して、山本氏には語るべき理想がある。「政治なんてそんなものさ」というリアリストが発散する腐臭を吹き飛ばすさわやかさがある。それは、彼の身体には収まりきれない理想が持つ力そのものです。彼は言います。「力を貸してほしい。少なくとも、あなたが必要だと思われる社会、私が必要だと思われる社会を作っていきたい。そう思うんです」と。日本の総理大臣にふさわしいのはどちらでしょうか。
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代わりに登場してきたのが、橋下徹やホリエモンこと堀江貴史といった、マスコミによって改革の旗手と持ち上げられたマネー資本主義の申し子たちです。
感情を劣化させた人間が幅を利かせる社会は、効率を追求し、競争を加速させるだけの生きづらい社会です。日本社会はどうしようもなく劣化が進んでいます。
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こどもの将来を本当に考える親なら、あれこれ参考書を買い与えるより、是非この本を読むことをすすめます。私たちが失ったものの価値が分かり、呆然とするはずです。

この本を読んで何も感じなかったらどうするのか?
残念ですが、どうしようもありませんね。これまで通り、自分の信じる道をお進みください。
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文は人なりと言いますが、その人の書く文章のエッセンスがこれほど見事に建築にも表現されている例はめったにありません。
建築に限らず、食の分野でも、ことばと実物の乖離がはなはだしい時代に、中村さんの設計した住宅や美術館に出会うと、どこか安心するのですね。
そういうわけで、著者の本はすべて読ませてもらっています。
この本も偶然、年末に本屋さんで手に入れ、装丁やカバーの手触りを楽しみながら読んでいます。
読みながらいつの間にかほのぼのとしている自分を発見します。
一日に一編か二編を過去の記憶をたどるようにして読んでいます。
この本の平明さ、やさしさがどこから来るのか。そんなことを分析するのは野暮というものです。
とにかくこの素敵な小さな本は、旅のお供にどうぞ!とすすめたくなります。」
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    Ecce homo!とは、ラテン語で、磔刑を前に、鞭打たれ荊冠を被せられたイエス・キリストを侮辱し騒ぎ立てる群衆に向けて、ピラトが発した言葉だとされています。当ブログでもカテゴリーを設けています。

     

     

    今回は、短い生涯を駆け抜け、多くの民衆の心に今も生き続けている、ある人物を紹介します。

    昨日、10月9日は彼の命日でした。彼は、今から50年前、1967年10月8日、ボリビア山中でCIAの追跡部隊に指揮されたボリビア軍に捕らえられ、その翌日、全身に弾を撃ち込まれて射殺されました。享年39歳。

     

     

     

    ボリビアで捕えられ、処刑される際に、銃撃を躊躇する敵軍兵士に向かって言った彼の最後の言葉。

     

    「落ち着け、そしてよく狙え。お前はこれから一人の人間を殺すのだ。」

     

     

    今の若い人をはじめ、わずか50年前の出来事なのに、多くの日本人は彼のことを知りません。政治に関心のある人で彼のことを知らないのは、あまりに能天気というか、知識と想像力の幅が狭すぎると思います。

     

     

    おそらく、今の日本の政治家も彼のことをほとんど知らないでしょう。その貧困な知能と知識と想像力を考えれば、彼のことが意識に上ることはまずないと思います。歴史を捏造して恥じることのない、感情が劣化した操り人形たちですから。

     

     

     

    以下彼の言葉を引用します。

     

    「もし私たちが空想家のようだといわれるならば、救いがたい理想主義者だといわれるならば、できもしないことを考えているといわれるならば、何千回でも答えよう、『その通りだ』と」

     

     

    「世界のどこかで、誰かが蒙っている不正を、心の底から深く悲しむことのできる人間になりなさい。それこそが革命家としての、一番美しい資質なのだから」

    これはボリビアに立つ前、自分の死を予感して5人の子供達に遺した手紙の一部です。

     

     

    「最も重要なことは権力を握ることではなく、握った後に何をするかを明らかにすることだ」

     

     

    「人は毎日髪を整えるが、どうして心は整えないのか」

     

     

    「ある日の真実が、永遠の真実ではない」

     

     

    「きみたち日本人は、アメリカにこれほど残虐な目にあわされて、腹が立たないのか」これは、広島の原爆資料館を訪ねた際、アメリカによる原爆投下の惨禍の凄まじさに同情と怒りをみせながら当時の広島県の外事担当に言った言葉。

     

     

    「バカらしいと思うかもしれないが、真の革命家は偉大なる愛によって導かれる。人間への愛、正義への愛、真実への愛。愛の無い真の革命家を想像することは不可能だ」

     

     

     

    「ただ一人の人間の命は、この地球上で一番豊かな人間の全財産よりも100万倍も価値がある。隣人のために尽くす誇りは、高い所得を得るよりもはるかに大切だ。蓄財できるすべての黄金よりも、はるかに決定的でいつまでも続くのは、人民たちの感謝の念なのである」

     

    彼の名前は、チェ・ゲバラ。

     

     

     

     

    ある人間が語る言葉は、その人間のみならず、彼が世界をどのように見ているかを語ります。日本の政治家のあまりに浅薄で不誠実な言葉を聞いていて、彼の言葉を思い出しました。

     

    | この人を見よ! | 23:02 | comments(0) | - |
    『没後20年・星野道夫の旅』
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      8月最後の日曜日、車を飛ばして久留米市美術館に行きました。『没後20年・星野道夫の旅』を見るためです。本当に暑い日で、アスファルトの道に陽炎が立ち、向こうの風景が歪んで見えるほどでした。

       

       

       

       

      星野道夫の本はほとんど読み、写真集もいくつか買っています。展示されていた写真も見覚えのあるものばかりでした。アラスカの大自然を見つめる彼の視線と、クーラーの効いた展示室で写真を見ているだけの私の視線が重なるわけもありません。文明社会に生きて、脳内だけでなく皮膚感覚まで情報によって汚染されている人間が、彼と視線を共有できると考えるのは妄想に過ぎません。

       

       

      順路に沿って歩きながら、何だかひどく疲れました。「このすべての写真の中で、この写真が一番いい。なぜなら・・・」と大声で講釈する中年のカメラマンらしき男が、私の数歩前を歩いていたからかもしれません。

       

       

      ただそれだけではありません。自然から疎外されて生きるほかない人間が、傲慢にも自然を征服した気になって、今ではその呵責から逃れるために「地球環境の保護」を訴える。どこまで人間は自分勝手なのかという思いがしきりにして、結果的にそれを確認するために来たようなものでした。疲労の本当の原因はそこにあったのだと思います。

       

       

      それでも、時折、皮膚感覚が覚醒するような瞬間がありました。極北の風とツンドラの匂いとカリブーが移動するときの大地の音が聞こえてくるような気がしたのです。不覚にも思わず涙ぐむような瞬間が何度かありました。星野氏のすべての写真が持っている始原的で神話的な力のせいです。私は悠久の時間を感じ、ただただ死を想っていました。

       

       

      以下に星野氏の言葉とともにいくつか紹介してみます。

       

       

      「長い冬の日々、ストーブの火をおこし、本を読み、スキーで森を歩き、また、オーロラを見上げていたその時、どこかの山のねぐらで、この三頭のクマはひっそりと同じ冬を越していた。あたりまえのことなのに、初めて気付いたような思いがした。すべてのものに、平等に、同じ時が流れている。こんなふうに感じるのはなぜだろう。」

       

       

       

       

      「今、目の前に横たわるカリブーの骨は、ゆっくりと大地に帰り、また新たな旅が始まろうとしているではないか。自然が、いつの日か私たちの想いに振り向いてくれるとは、そのことなのではないか。自然はその時になって、そしてたった一度だけ、私たちを優しく抱擁してくれるのではないだろうか。」

       

       

       

       

       

      クジラの骨の遺跡 

       

       

       

       

      この風化していくトーテムポールを見て、なぜかとても打たれました。苛酷な大自然の中に人間の痕跡を見つけたからでしょう。人間の営みと自然のコントラスト。人間は自然の一部であることを痛切に感じさせてくれます。日本人は、トーテムポールの代わりに、この狭い国土に原子力発電所を54基建設したのです。

       

       

       

      | この人を見よ! | 14:33 | comments(0) | - |
      この人を見よ!− 元自衛官・泥 憲和さん
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        5月3日、憲法記念日に泥 憲和さんが亡くなりました。64歳でした。泥さんは元自衛官(防空ミサイル部隊所属)で、『安倍首相から日本を取り戻せ‼ 護憲派・泥の軍事政治戦略』の著者です。泥さんの存在は、ブログリンクしている『疾風自由日記』のSさんから教えてもらいました。

         

         

        泥さんは「売国プロ市民」「売国サヨク」「お花畑平和主義者」「在日のなりすまし日本人」「ニセ元自衛官」等々、安倍政権を支持する人間たちから猛烈な人格攻撃を受けてきました。ブログでも紹介した元原発技術者の平井憲夫さんが原子力ムラから存在を抹殺されるような人格攻撃を受けたのと同じです。平井氏も故人となりました。

         

         

        泥さんや平井さんを攻撃する人間たちが使う言葉の特徴は、ファナティックで決めつけが多く、うっぷんを晴らすための暴言に満ちていることです。紋切型で、いったい誰が書いているのかわからない、のっぺらぼうの言葉です。ある集団のイデオロギーや利益を擁護することが動機となっているため、個人に対する優しい眼差しが皆無なのです。

         

         

        そして何より、彼らは基本的にアタマが悪いので、中学生でもわかる理路が理解できません。

         

         

        例えば、国会議員には、憲法尊重擁護義務が課せられており、首相を含む国会議員が自ら進んで現行憲法の価値を貶めたり、条文を空文化する違憲立法を採決するのは明確な憲法違反である、ということがわからないのです。憲法よりも自分たちの妄想を上位に置いているからです。普通に考えれば(これができないのですが)、安倍晋三氏が現行憲法を廃棄したいのなら、いったん公職を退いて行うことを、憲法が要請しているのです。こんなことを言っても分からないでしょうね。バカですから・・・。

         

         

        要するに、安倍晋三氏のような人物が登場して憲法を廃棄し、世界から孤立して再び軍国主義に突き進むことをあらかじめ予想し、それに歯止めをかけているのが現行憲法なのです。安倍晋三氏が「みっともない」「押し付けられた」憲法だと感じているのも無理はありません。

         

         

        もし憲法がなかったら、この国は今どうなっていたでしょうか。それを想像してもらいたいと思います。

         

         

        それに対して、泥さんや平井さんの言葉は、やむにやまれぬ切迫した響きを持っています。一人の人間として、自らの経験に基づいて語るので、具体的で説得力があります。何より自分自身の利益のために発言しているのではなく、理想的な第三者、真っ当な倫理感と思考力を持っている人たち、つまり将来の世代に向けて発言していることがわかります。その言葉の根底には優しさがあります。

         

         

        以下は2014年6月30日、 神戸・三宮の街宣活動に飛び入りで参加した 泥 憲和さんのスピーチです。泥さんの御冥福をお祈りいたします。

         

         

         ― 突然飛び入りでマイクを貸してもらいました。 集団的自衛権に反対なので、その話をします。 私は元自衛官で、防空ミサイル部隊に所属していました。 日本に攻めて来る戦闘機を叩き落とすのが任務でした。

         

         いま、尖閣の問題とか、北朝鮮のミサイル問題とか、不安じゃないですか。 でも、そういったものには、自衛隊がしっかりと対処します。 自衛官は命をかけて国民をしっかり守ります。 そこは、安心してください。

         

         いま私が反対している集団的自衛権とは、そういうものではありません。 日本を守る話ではないんです。 売られた喧嘩に正当防衛で対抗するというものではないんです。 売られてもいない他人の喧嘩に、こっちから飛び込んでいこうというんです。 それが集団的自衛権なんです。

         

         なんでそんなことに自衛隊が使われなければならないんですか。 縁もゆかりもない国に行って、恨みもない人たちを殺してこい、 安倍さんはこのように自衛官に言うわけです。 君たち自衛官も殺されて来いというのです。 冗談ではありません。 自分は戦争に行かないくせに、安倍さんになんでそんなこと言われなあかんのですか。 なんでそんな汚れ仕事を自衛隊が引き受けなければならないんですか。 自衛隊の仕事は日本を守ることですよ。 見も知らぬ国に行って殺し殺されるのが仕事なわけないじゃないですか。

         

        刮目して見よ!これこそが、自衛隊の仕事である。

         

         

         みなさん、集団的自衛権は他人の喧嘩を買いに行くことです。 他人の喧嘩を買いに行ったら、逆恨みされますよね。 当然ですよ。 だから、アメリカと一緒に戦争した国は、かたっぱしからテロに遭ってるじゃないですか。 イギリスも、スペインも、ドイツも、フランスも、みんなテロ事件が起きて市民が何人も殺害されてるじゃないですか

         

         みなさん、軍隊はテロを防げないんです。 世界最強の米軍が、テロを防げないんですよ。 自衛隊が海外の戦争に参加して、日本がテロに狙われたらどうしますか。 みゆき通りで爆弾テロがおきたらどうします。 自衛隊はテロから市民を守れないんです。 テロの被害を受けて、その時になって、自衛隊が戦争に行ってるからだと逆恨みされたんではたまりませんよ。 だから私は集団的自衛権には絶対に反対なんです。

         

         安部総理はね、外国で戦争が起きて、避難してくる日本人を乗せたアメリカ軍の船を自衛隊が守らなければならないのに、いまはそれができないからおかしいといいました。 みなさん、これ、まったくのデタラメですからね。 日本人を米軍が守って避難させるなんてことは、絶対にありません。 そのことは、アメリカ国防省のホームページにちゃんと書いてあります。 アメリカ市民でさえ、軍隊に余力があるときだけ救助すると書いてますよ。

         

         ベトナム戦争の時、米軍は自分だけさっさと逃げ出しました。 米軍も、どこの国の軍隊も、いざとなったら友軍でさえ見捨てますよ。 自分の命の方が大事、当たり前じゃないですか。 そのとき、逃げられなかった外国の軍隊がありました。 どうしたと思いますか。 軍隊が、赤十字に守られて脱出したんです。 そういうものなんですよ、戦争というのは。

         

         安倍さんは実際の戦争のことなんかまったくわかってません。 絵空事を唱えて、自衛官に戦争に行って来いというんです。 自衛隊はたまりませんよ、こんなの。

         

         みなさん、自衛隊はね、強力な武器を持ってて、それを使う訓練を毎日やっています。 一発撃ったら人がこなごなになって吹き飛んでしまう、そういうものすごい武器を持った組織なんです。 だから、自衛隊は慎重に慎重を期して使って欲しいんです。 私は自衛隊で、「兵は凶器である」と習いました。 使い方を間違ったら、取り返しがつきません。 ろくすっぽ議論もしないで、しても嘘とごまかしで、国会を乗り切ることはできるでしょう。 でもね、戦場は国会とは違うんです。 命のやり取りをする場所なんです。 そのことを、どうか真剣に、真剣に考えてください。

         

         みなさん、閣議決定で集団的自衛権を認めてもですよ、 この国の主人公は内閣と違いますよ。 国民ですよ。 みなさんですよ。 憲法をねじ曲げる権限が、たかが内閣にあるはずないじゃないですか。 安倍さんは第一回目の時、病気で辞めましたよね。 体調不良や病気という個人のアクシデントでつぶれるのが内閣ですよ。 そんなところで勝手に決めたら日本の国がガラリと変わる、そんなことできません。

         

         これからが正念場です。 だから一緒に考えてください。 一緒に反対してください。 選挙の時は、集団的自衛権に反対している政党に投票してください。 まだまだ勝負はこれからです。 戦後69年も続いた平和を、崩されてたまるもんですか。 しっかりと考えてくださいね。 ありがとうございました。

         

        | この人を見よ! | 21:43 | comments(0) | - |
        この人を見よ!−横浜市教育委員会・岡田優子教育長
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          これまで『この人を見よ!』というタイトルで11人の人物を取り上げてきました。すべて私が尊敬できる人たちばかりです。どんな仕事に就き、どんな大人を目指せばよいのか迷っている中高生の皆さんに是非読んでもらいたいですね。

           

          ところで、今回の『この人を見よ!』は、若い人たちにとって、反面教師となる人物をとりあげました。その人物とは横浜市教育委員会の岡田優子教育長です。なにはともあれ、こういう人間にだけはなってほしくありません。

           

           

          そう判断する理由は以下の通りです。

           

          福島第一原発事故で福島県から横浜市に自主避難した中学1年の男子生徒がいじめを受け、150万円を払わされていた問題で、教育長の岡田優子氏は20日、市議会に「関わった子どもたちが『おごってもらった』と言っているから、いじめには当たらない」と報告し「第三者委員会においても、金銭授受についていじめとは認定できないという結論になっており、新たに認定し直すということは難しい」などと発言した。

           

           

           

          生徒側の代理人によると、生徒は同級生らから「賠償金あるだろ」などと言われ、ゲームセンターで遊ぶ金など総額約150万円を支払わされた。この問題を調査した第三者委員会は「いじめから逃れるためだったと推察できる」としたが、「おごりおごられ行為」をいじめとは認定しなかった。

           

           

          その後、林文子横浜市長は25日の定例会見で「子どもに寄り添った発言ではなかった。大変申し訳ない」と謝罪した。

           

          2017年1月25日
          http://www.asahi.com/articles/ASK1T6FQ1K1TULOB016.html


           

          岡田氏は「第三者委員会」にゆだねなければ、小学5年生が同級生に150万円も払っていることを「普通ではない、異常だ」と判断出来ないのでしょうか。この生徒は度々、「おごれ」と要求されたので、親に隠れてカネを持ち出し、「脅し」に応えていたのです。何度も言いますが、見ようとすれば誰の眼にも見える明白な事実があるのです。私はそれを書いているだけです。教育長ともなれば、「誰の眼にも見える明白な事実」を「見ようと」しなくなるのでしょう。「見ようと」しないことで、岡田氏は何を守ろうとしたのでしょうか。

           

           

          第三者委員会の報告通り「おごってもらったのだから問題ない」のでしょうか。大人でも150万円もおごったりしません。岡田氏は、いじめた側の子どもの声を一方的に聞き届け、「問題なし」と結論付けたのです。

          そもそも、いじめた側が素直に「脅してカネを払わせた」と言うでしょうか。「おごってもらっただけ」と言うに決まっています。

           

           

          こうした不公正な判断により、避難してきた生徒は「二重のショック」を受けたはずです。福島への「差別」と「間違いを間違いだと認めることのできない」学校や教育委員会など、大人への失望感、不信感です。私は「もし自分がこの少年だったら、この社会をどのように見るだろうか、どう行動するだろうか」と考えてこの文章を書いています。

           

           

          それにしても、どういう人生を送れば、岡田氏のように人格が空洞化し、まともな判断力を持たない大人になれるのか。そして、横浜市の教育長という地位につけるのか。逆に、人格が空洞化し、まともな判断力を失った人物でなければ、教育長という地位にはつけないのか。私は今度の事件を、中央、地方を問わず教育行政のトップに位置する人間たちに起こっている、道徳の自壊現象の表れだと考えています。この件については、また改めて述べます。

           

           

          私は2年前のブログ『この人を見よ!− 元国会事故調委員長・黒川清氏』

          http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=45

          の中で、次のように書いています。(ブログの動画は是非見てほしいです。)

           

          「黒川氏は自分のことばで福島第一原子力発電所の事故の本質を語っています。この国には、氏のように自分のことばで発言できる大人の何と少ないことか。これだけ見ても、日本の教育は総体として社会的な責任を自覚できる人間を育てるのに失敗したのだと断言せざるを得ません」と。

           

          | この人を見よ! | 23:22 | comments(0) | - |
          Our days are numbered.  小田実「遺す言葉」
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            小田実氏ほど毀誉褒貶のある人物はいないと思います。挙げ足を取ろうと構えて彼の発言や著作を見ると、矛盾しているところや、時代によって発言内容が変わるところがあります。確かに、イデオロギーに凝り固まった政治的な党派や専門家からは挙げ足を取られやすい要素を持っていました。

             

             

            しかし、彼にはそんなことを気にしない、強靭な「素人の論理」がありました。論理的整合性に異常にこだわったり、専門的知識をひけらかしたりして自己保身に走る人間にはない、素朴な疑問に答えを出そうと、どこまでも考える情熱と自由と持続性をもっていたのです。

             

             

            彼はいわゆる左翼からも、そして現在でもネトウヨから罵詈雑言をあびせられています。それだけ彼の思想には、権力にあぐらをかくタイプの人間から見ると、都合の悪い、できれば隠しておきたい内容が含まれているのでしょう。

             

             

            来年で没後10年になります。彼の遺したことばを、今改めてかみしめる必要があると思います。そんな必要も価値もないと考える人は、以下の動画をご覧ください。彼が本当に言いたかったことは何か、彼は誰の立場に立って発言していたか、それがよくわかります。

             

            http://v.youku.com/v_show/id_XNDA0MTYxNzA0.html?beta

             

             

             

            1995年1月17日午前5時46分、大阪大空襲の火炎の中を逃げまわっていた少年は、再び悪夢に襲われます。阪神淡路地方を大震災が襲います。そのとき彼は西宮にあるマンションの5階に住んでいました。その日は東京に出掛ける予定があって、めずらしく早朝に目が覚めます。外はまだ真っ暗です。

             

             

            その直後、激しい上下動があり、ガラスの砕ける不気味な音とともに大地の深いところで眠っていたものが目を覚ましたのです。15秒くらいでした。必死で妻と娘の名を呼びますが、一歩も動けません。その時彼の脳裏には空襲の記憶が蘇ります。大きな書棚はすべて倒れ、書物も唐三彩の人形も朝鮮の壷もところかまわず放り出されました。


             

            こうして彼はその一カ月後から、『被災の思想・難死の思想』を書き始めます。この本は「被災」からその国のすべての問題が噴き出していく様を綴ったものです。それを読むと愕然とします。1995年の1・17から2011年の3・11までの16年間、私たちは一体何を学んだのかと。一部を要約して引用します。

             

             

            ○怒りが私の体内で噴き上がっている。何が「大国」なのか、何が「先進国」なのかと思うだけではない。何が「共生」か、何が「人にやさしい政治」か、なのだ。これはまさに「共犯」である。

             

             

            ○被災者は避難所に入ってから生活基盤を失っていくのだということが、よくよくわかった。かれらは被災して住宅を失ったのではなく、生活を失ったのだ。

             

             

            ○これは「棄民政治」なのである。ていよく避難をさせて、住民を棄民させる政治なのである。

             

             

            ○大震災では誰かを加害者にしたがるが、それは大震災以前から決まっていたことなのである。

             

             

            ○復興委員会の堺屋太一の次の発言には呆れてものが言えない。「復興は花より団子になりがちだが、団子より花が大事。団子は食べたら終わりだが、花は実を結ぶ」。

             

             

            ○行政は「復興」を叫び、新聞もそうした文字を大きく出すが、生き残った街は廃墟の中にうずくまっている。

             

             

            ○テレビが次々に呼ぶ地震学者や都市工学屋たちは、多くが“戦犯”的学者たちだ。私は片桐ユズルが書いた「専門家は保守的だ」という詩が大好きなのだが、今度わかったことは「専門家は嘘つきだ」ということだった。

             

             

            ○日本は一方で経済大国をめざし、他方で原子力発電を率先してきた。しかし1995年12月8日夕方に、この二つの進行のあいだにある矛盾が露呈した。福井県敦賀の高速増殖炉「もんじゅ」でナトリウム漏出事故がおこったのだ。

             

             

            ○経済と科学技術はもはや結託している。しかもどちらも自信過剰になっている。はたして技術立国はこのまま続行できるのか。

             

             

            彼は2007年に、「はたして技術立国はこのまま続行できるのか」という問いを抱いたまま没します。それから4年後、2011年の3・11に答えは出ました。本質的な問いを発することのできない人間には、何が答えであるか理解することすらできません。

             

             

            英語に one’s days are numbered.といういい方があります。政治権力であれ個人の命であれ、その命脈が尽きる日がやってくる。その最後の段階に入っているという意味です。想像力のある人間には、Our days are numbered. のリアリティーが感じられるはずです。

             

            | この人を見よ! | 14:10 | comments(0) | - |
            中村哲氏に国民栄誉賞を!
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              今回のタイトルはもちろん皮肉です。現政権には中村哲氏に国民栄誉賞を与えるだけの見識も器量もありません。もちろん、中村氏はそんなことは夢にも考えていないでしょう。なぜなら、ジャーナリストの後藤健二氏を見殺しにし、それを利用して安保法案を成立させた安倍政権こそが、中村氏の命を危険にさらし、活動を妨害しているのですから。

               

               

               

              私は『医者井戸を掘る−アフガン旱魃との闘い』を読んだだけですが、彼こそ歌われざる英雄(unsung hero)だと思ってきました。オリンピックで日本選手が金メダルを取っても、選手の個人的な出来事だとしか感じられないのに、中村氏の活躍は同じ日本人だということを誇らしく感じさせてくれました。

               

               

              安全地帯にいる、たかが塾教師ごときが、中村氏のことを云々するのも気がひけますが、沈黙にも限度というものがあります。彼の発言と行動は、安倍政権にとって、のどに刺さったとげのようなもので、期せずして現政権への強烈かつ本質的なアンチテーゼとなっています。

               

               

              そんなことを考えている折、9月10日(土) NHKのETV特集『武器ではなく 命の水を〜医師・中村哲とアフガニスタン〜』が中村氏を取り上げていました。彼の苦闘の一部が紹介されているだけでしたが、それでも見るに値する番組でした。その番組では取り上げられていなかった点を補いながら紹介したいと思います。

               

               

               

              中村哲氏は国際医療NGOの医師として1984年、パキスタンのペシャワールにハンセン病の治療のために派遣されます。そこにアフガニスタンから次々と難民がやってきます。これがアフガニスタンとの出会いです。当時はソ連が駐留し内戦が激化していました。以来、30年以上にわたって、中村氏は、なぜ1600本もの井戸を掘り、26キロにもおよぶ用水路を拓くに至ったのか。 その動機は何だったのでしょうか。

               

               

              当初、彼は医師として、ろくな医療施設も器具もなく、スタッフもいないなかで、着実にハンセン病患者治療の成果をあげていました。そんな中で、おもしろいエピソードがあります。なんと病棟に「靴屋」を作るのです。腕のいい靴職人を引き抜いてきて、現地の技術でサンダルをつくって配布したら、足の切断手術が激減したのです。これは、援助物資として先進国から靴を送ってもらっても、すぐに売ってしまう人々を見ていて打った手でした。

               

               

              この一事のなかに、彼の人となりがあらわれています。目的(ハンセン病患者を減らす)のためなら「医者の領分」などというものを軽々とこえる人、現実に即し現実的な手を打てる、いわば実務型の人なのです。

               

               

              2000年、ソ連撤退後も内戦状態が続くアフガニスタンを大旱魃が襲います。ハンセン病患者以外の診療にも活動を広げていた彼のもとに、死にかけた幼児を抱いた若い母親たちがつめかけてくるようになります。外来で列をなして待つ間にわが子が胸の中で亡くなっていく惨状を前に彼は「もう病気治療どころではない」と決意するのです。


              まずは飲料水確保のための「井戸掘り事業」を開始。「ペシャワール会」の資金・人的援助のもと、わずか数ヶ月で274ヵ所もの井戸を復活させ人々を救います。この活動は、アメリカによる「アフガン報復爆撃」の間も続けられ、2006年までに1600ヶ所に達し、多くの村々を救ったのです。

               


              さらに彼は、旱魃で砂漠化していく農地を回復させなければ、人々がこの地で生きていくことはできないと考え、大用水路を引き、砂漠に農業をよみがえらせるたたかいに着手します。

               

               

              全長26キロに及ぶ難工事。これを、土木技術に関してはまったくの素人の医者が、独学で成し遂げてしまうのです。彼の活動を支援するための基金が日本から寄せられ、日本の若者が参加し、多くのアフガニスタンの役人、実業家、技術者、労働者が力の限りを尽くして用水路を完成させていきます。

               

               

              数々の苦難を乗り越え用水路に水が流れ始めると、奇跡のような光景が現れます。乾いた大地が広大な緑の農地へと蘇り、人々の穏やかな暮らしが戻り始めます。武器や鉄砲ではなく、水が平和を取り戻したのです。番組の最後で、彼の口から地元の人々のすばらしさ、縁あって協力者となってくれた人々への感謝がくりかえし語られます。

               


              中村哲氏は国民栄誉賞とは無縁の人です。彼の未完の精神がそれを拒否しているのです。彼の活動には終わりがありません。しかし、その生き方は、日本のあるべき姿を映し出し、心ある若者に生き方のヒントを提供しているように思えます。

               

              | この人を見よ! | 21:56 | comments(0) | - |
              日の丸を背負って戦うことは、そんなにカッコいいか?
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                オリンピックが終わりましたが、日本はメダルをいくつ取ったんでしたっけ?選手個人を応援するのにやぶさかではありませんが、金メダルがいくつで、銀がいくつなんて、まったく興味がないので覚えていません。

                 

                 

                物心つくころから猛烈な練習に耐え、いつかはオリンピックに出て金メダルを取りたいと熱望するこどもの存在が、私には信じられないというか・・・。それって親の自己実現の願望が投影されたロボットではないのか、などと不謹慎なことを考えてしまいます。そして実際に金メダルを取ったとなると、もう違う世界の人間だと思うほかありません。

                 

                 

                なぜって、目的も持たず、その日その日を思いつくままに、気ままに過ごしていたこどものころの私とあまりに違いすぎて、恥ずかしいのです。お寺の床下でジョログモをつかまえたり、カメを飼ったり、青大将のしっぽをつかまえて女の子に投げつけたり、フクロウをペットにしたり、猫や犬に真顔で語りかけては親を心配させていた私の幼少年時代とあまりに違うからです。

                 

                 

                そのせいかどうかは分かりませんが、金メダリストと聞けば、なんだか疲れるのですね。もちろん彼らの努力には頭が下がります。メディアを通じて流される人間味あふれるエピソードを聞いて、少しジーンとなることもあります。私はそれほど根性悪ではないですから。

                 

                 

                でも、私の周りにいる「歌われざる英雄」に比べて、彼らをおおげさに持ち上げたり称賛したりする気にはなれません。日の丸を背負って戦ったのだから彼らは国民的英雄だ、と言われてもピンときません。オリンピックという非日常のお祭りが終われば、「英雄」も一人の人間として普通の日常に復帰しなければなりません。いや、次なるオリンピックに向けて、猛然と練習を始めているのかも知れませんね。

                 

                 

                ロシアの国家ぐるみのドーピングは、選手をまるでメダル獲得競争のためのサイボーグにしているようで、一体何のためのオリンピックなのだろう思います。そもそも、私には日の丸を背負って戦うことがカッコいいとは思えないのです。商業ジャーナリズムに踊らされている頭の弱いネトウヨの皆さんと同じレベルになるようで、これ以上空っぽの人間にはなりたくないですからね。

                 

                 

                自分でも多少性格がひねくれているとは思います。でもそれには理由があるのです。小動物を相手に天真爛漫かつ素直に育っていた少年がひねくれていくプロセスというものがあるのです。でもそれを話し出すと長くなるのでやめます。そんなことを考えていると、またぞろ、いいかげんにしてくれと叫びたくなるような番組を目にしました。

                 

                 

                8月20日、NHK「おはよう日本」が解説した「五輪開催5つのメリット」を見て驚きました。何と一番目に「国威発揚」を挙げているではありませんか。これは明確な五輪憲章違反です。そして2番目に「国際的存在感」と続きます。

                 

                いくら安倍政権の御用報道機関といえども、これはひどいと思いました。五輪憲章には「オリンピズムの根本原則」として、平和、人権、差別撤廃が謳われ、政治と商業主義の介入を排除すると書かれています。こんなことに怒る私の性格はひねくれているでしょうか。

                 

                 

                「国威発揚」ねえ。NHK的発想では、オリンピックは最大のビジネスチャンスで国民を洗脳するのに都合のよいイベントのようです。どうやらオツムの弱い「日本会議」の皆さんに乗っ取られたようです。これでは4年後の東京オリンピックが思いやられます。

                 

                 

                ところで、東京オリンピックといえば、忘れられない、いや忘れてはならない悲劇を思い起こします。それは国家が、やさしい繊細な魂を持った一人の人間を押し潰し、死に追いやった悲劇でした。

                 

                 

                円谷幸吉。1940年(昭和15年)5月13日生まれ。1964年、東京オリンピックマラソン銅メダリスト。彼のことを思えば、簡単に「国を背負って頑張れ」なんて言えなくなります。遺書で家族への「感謝」を並べ、もう走れませんと「謝罪」して、彼はメキシコシティ五輪の開催年となった1968年、自衛隊体育学校宿舎の自室でカミソリで頚動脈を切って自ら命を断ちました。その時、首から東京オリンピックで獲得した銅メダルを下げていたそうです。享年27歳でした。

                 

                 

                以下の記事を是非お読みください。

                 

                http://matome.naver.jp/odai/2140774233854011001?page=1

                 

                彼の遺書を、川端康成は「美しくて、まことで、かなしいひびき」のある文章として哀悼の意を表しています。その遺書の全文を掲載しておきます。

                 

                 

                父上様母上様 三日とろろ美味しうございました。干し柿 もちも美味しうございました。
                敏雄兄姉上様 おすし美味しうございました。
                勝美兄姉上様 ブドウ酒 リンゴ美味しうございました。
                巌兄姉上様 しそめし 南ばんづけ美味しうございました。
                喜久造兄姉上様 ブドウ液 養命酒美味しうございました。又いつも洗濯ありがとうございました。
                幸造兄姉上様 往復車に便乗さして戴き有難とうございました。モンゴいか美味しうございました。
                正男兄姉上様お気を煩わして大変申し訳ありませんでした。
                幸雄君、秀雄君、幹雄君、敏子ちゃん、ひで子ちゃん、
                良介君、敬久君、みよ子ちゃん、ゆき江ちゃん、
                光江ちゃん、彰君、芳幸君、恵子ちゃん、
                幸栄君、裕ちゃん、キーちゃん、正嗣君、
                立派な人になってください。
                父上様母上様 幸吉は、もうすっかり疲れ切ってしまって走れません。
                何卒 お許し下さい。
                気が休まる事なく御苦労、御心配をお掛け致し申し訳ありません。
                幸吉は父母上様の側で暮しとうございました。

                | この人を見よ! | 23:43 | comments(0) | - |
                三宅洋平のことばは、人をとらえて離さない。
                0

                  三宅洋平を私は前回の参院選挙の時から応援しています。彼についての記事もたびたび書いてきました。なぜ彼に惹かれるのか?

                  「人は様々な可能性を抱いてこの世に生まれてくる。彼は科学者にもなれたろう、軍人にもなれたろう、小説家にもなれたろう、しかし彼は彼以外のものにはなれなかった。これは驚くべき事実である」と喝破した小林秀雄のことばを思い出すからです。

                  「彼は彼以外のものにはなれなかった」。その彼とは三宅洋平であり、彼の演説に聴き入っているあなたです。

                   

                  昨日のブログに書いた「『箱』の外の世界で自我を形成することが、私にもたらした自由と恩寵」とは、彼の話に耳を澄まし、そこに真実を見出し、引き込まれてしまう、精神のことです。

                   

                  真正な感情に基づくことばは、強い。世間を知ったつもりになっている、人間を分かったつもりになっている『箱』の中の住人には、彼のことばは「きれいごと」に聞こえるはずです。

                   

                  今回新たに選挙権を持つ若い人達に、東京選挙区でなくとも見てほしいと思います。そういえば、3年前、塾の授業中に脱線して彼のスピーチを聞いてもらったことがあったね。その時のことを思い出して投票所へ向かって下さい。

                   

                  | この人を見よ! | 08:11 | comments(0) | - |
                  人間にとって自由とは何か
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                    前回のブログに、谷亮子氏の顔をアップしましたが、寝つきが悪いので削除しました。それにしても、今回のタイトルは抽象的というか、哲学的というか、書く気も読む気も失せそうなタイトルですね。お忙しい方はどうぞ無視して下さい。

                     

                    しかし、改めて考えてみると、人間の芸術的な営みは、分野を問わず、最終的には「人間にとって自由とは何か」という問いの周りをめぐっているような気がします。逆に言うと、この問いを内包していない芸術的な営みは、しょせん世俗的な成功を求めるものにすぎないということです。だからといって、私は世俗的な成功を否定しているわけではありません。それを求めることなしには世の中は回りませんからね。

                     

                    私にとって、学校に通って得た唯一の収穫は、自分が必要とするものはそこにはないと分かったことでした。社会に出て生活費を稼ぐための知識や技術を身につけることには多少役だったかもしれません。しかし、学校はビートルズを生みだしたりはしないのです。私は昔から学校に期待していませんでした。むしろ学校に期待すべきではないもののリストを作ったほうが、学校がより自由な場所になると思っていたのです。

                     

                    ところで、スポーツを純粋にスポーツとして楽しめなくなったのはいつからでしょうか。ずいぶん前のような気がします。以前は、スポーツにも芸術的な要素があると思っていました。しかし、スポンサー企業のご機嫌をうかがい、金にまみれ、電通が取り仕切る広告宣伝媒体の一部となり、有名人になる。ついでに国会議員の候補としてかつぎだされる。これが現在のスポーツ選手のお決まりのコースです。

                     

                    そんな舞台裏を知っている者からすれば、彼らの活躍から「勇気や希望をもらう」のは、悪い冗談以外の何物でもありません。それができる人は、他人に操られやすいお調子者か、空っぽの自我を埋めるために偶像を必要とする弱虫だと相場が決まっています。

                     

                    例えば、画家が視覚の深化・更新を経て、常人のうかがい知れぬ世界を描いてみせるとき、私たちはその絵から見つめられているような経験をします。大げさな言い方かもしれませんが、ことばは消え、その作品が強いる沈黙に耐えるほかありません。

                     

                    それは「勇気や希望をもらう」世界ではありません。人間の絶対的な孤独を感知し、頭を垂れて引き下がるしかない世界です。この絶対的な孤独にどこまで向き合えるかが、その人間のスケールを決定しているような気がします。

                     

                    私の好きな画家に熊谷守一がいます。以前、たまたま通りがかった美術館のポスターに惹かれて彼の絵を見ました。帰宅した後、どうにも気になって、彼のことを調べました。友人に話すと「熊谷守一も知らないのか」と笑われました。

                     

                    私は美術評論家ではないので、絵との出会いは偶然の幸運によるものが多いのです。セレンディピィティですね。建築との出会いも同じです。彼の絵や書を見ていると、以前、良寛さんの書を見ていたく感動したときのことを思い出しました。

                     

                    ウイキペディアによると、彼は、1880年(明治13年)機械紡績を営む事業家で地主の熊谷孫六郎(初代岐阜市市長・衆議院議員)の三男として生まれます。いわゆる財産家の出身です。こども時代から絵が好きだったそうです。1900年(明治33年)、東京美術学校に入学。同級生に青木繁、山下新太郎らがいました。

                     

                    42歳で結婚。5人の子供に恵まれますが絵が描けず貧乏が続きます。熊谷は「妻からは何べんも『絵を描いてください』と言われた。(中略)周りの人からもいろいろ責め立てられた」と後に述べています。当時は日々の食事にも事欠くありさまで、次男の陽が肺炎に罹ったときも医者にみせることができず死なせてしまいます。

                     

                    1932年(昭和7年)後々池袋モンパルナスと称される地域(現在の豊島区椎名町千早)の近くに家を建て、残りの生涯をこの家と15坪の小さな庭からほとんど出ずに家族、猫、鳥たちと過ごしました。60歳近くになってから始めたのが、書や墨絵です。線と余白だけで喜びも悲しみも表現できる、その可能性に惹かれたといいます。

                     

                     

                     

                     

                     

                    1968年(昭和43年)「これ以上人が来てくれては困る」と言い、文化勲章の内示を辞退します。また1972年(昭和47年)の勲三等叙勲も辞退。1977年(昭和52年)8月1日、老衰と肺炎のため97歳で没しました。

                     

                    彼の生涯から、いったいどうすれば、人は手垢のついた安っぽい「勇気」や「希望」をもらうことができるのでしょうか。熊谷は自分の画風を「下手も絵のうち」と表現しています。「下手といえばね、上手は先が見えてしまいますわ。行き先もちゃんとわかってますわね。下手はどうなるかわからないスケールが大きいですわね。上手な人よりはスケールが大きい」と語っています。

                     

                    もしかすると、彼は死の床で、はるか遠くに小さな白い馬を見ていたのかもしれません。馬は一瞬彼の方に顔を向け、走り去ります。幻影のように。それこそが、彼が全生涯をささげた自由という名の美神だったのかもしれません。

                    | この人を見よ! | 11:55 | comments(0) | - |
                    二人の金メダリスト
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                      多くの方はすでにご存じでしょうが、柔道金メダリストの「やわらちゃん」こと谷亮子参院議員(40)が7月の参院選に生活の党と山本太郎となかまたちからは出馬せず自民党の比例区から出馬することを表明しました。
                       

                      もともと民主党の参議院議員として当選し、その後、野田政権の下で、消費税大増税を巡り、小沢一郎氏とともに民主党を離党し、生活の党の結成に参加していました。この経緯からすれば、谷氏にとって、自民党は一番対極にあった政党のはずです。
                       

                      「生活の党」から出馬したのでは当選できそうにないので「与野党問わず他の党から立候補の要請があれば『柔軟な姿勢で対応したい』と前向きな姿勢を示している」とのことでした。それにしても、「与野党問わず」って、一体何のことでしょうか。それが「柔軟な姿勢」なのでしょうか。


                      自分が選挙で当選できるなら、どの党でも構わないと、国会議員が堂々と述べているのです。さすがに柔道の金メダリストだけのことはあります。変わり身の早さに脱帽するしかありません。

                      谷氏は、マックスウェーバーの『職業としての政治』を読んだことがないのでしょう。政治家を志す人なら、一番最初に読むべき本です。
                      昔は、自民党員の中にもこの本を読んでいる人がいました。




                      一方で、彼女とは対照的な生き方をした、もう一人の金メダリストがいます。6月5日のブログで紹介したモハメド・アリです。
                      http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=179


                      彼は1960年のローマオリンピックのボクシング競技(ライトヘビー級)に出場し、金メダルを取ります。自伝によれば、その後帰国した時、黒人だという理由でレストランの入店を拒否されたため、金メダルを川に投げ捨てます。金メダリストとして栄光の中で生きるのではなく、人間として不当に差別されたことと闘う人生を選択したのです。
                       

                      ベトナム戦争の際、「彼らには恨みも憎しみもない。殺す理由もない」と徴兵を拒否した結果、世界タイトル剥奪や試合禁止等様々な圧力が加えられました。しかし、それに屈せず、米国政府と長期にわたって争い、無罪を勝ち取ります。
                       

                      その彼が『Stand By Me』を歌っています。「オレのそばにいてくれ、そしてオレを支えてくれ」と。孤立無援の状況の中で、彼はさぞ孤独だったことでしょう。それがこの歌に表れています。うまいとか、へたとかいう問題ではありません。聴く者の心を打つのです。


                       

                      彼が金メダルを川に投げ捨てたとき、私が彼の父親だったら、息子を強く抱きしめて次のように言うでしょう。「お前を誇りに思う。お前を決して一人にはしない」と。

                      | この人を見よ! | 12:19 | comments(0) | - |
                      「彼らには恨みも憎しみもない。殺す理由もない」
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                        2016年6月3日モハメド・アリは74歳の生涯を閉じました。ボクサーとしての彼の活躍は「キンシャサの奇跡」(私はテレビにくぎ付けになり、拳をにぎりしめて見ていました)をはじめとして、あまりに有名なのでここではとりあげません。

                        ここでは人間としての彼の生き方に焦点を当ててみます。彼は1960年9月に開催されたローマオリンピックボクシング競技(ライトヘビー級)に出場し、金メダルを取ります。自伝によれば、その後帰国した時、黒人だという理由でレストランの入店を拒否されたため、金メダルを川に投げ捨てます。金メダルの名誉よりも、人間として不当に差別された怒りの方が大きかったのでしょう。

                        その後プロに転向し、1964年には世界ヘビー級王座を獲得します。そのころ、マルコム・Xと出会いその思想に共鳴します。イスラム教にも改宗します。そしてベトナム戦争の徴兵を拒否するのです。

                        彼いわく「ベトコンはオレをニガーと呼ばない。彼らには恨みも憎しみもない。殺す理由もない」「黒人の徴兵率は30%。白人は10%。なぜだ?」「黒人が戦うべき本当の敵はベトコンじゃない。日本人や中国人でもない。300年以上も黒人を奴隷として虐げ、搾取し続けたお前たち白人だ」

                        その発言と行動は当時の米国政府や保守派との深刻な対立をもたらし、世界タイトル剥奪や試合禁止等様々な圧力が加えられました。しかし最終的には、通算3度のチャンピオン奪取成功と19度の防衛に成功します。そして、ベトナム戦争徴兵拒否により米国政府と長期にわたって争い、最終的には無罪を勝ち取るのです。


                        その彼が歌った『Stand by Me』です。



                        「危険を冒すだけの勇気のない者は、人生において何ごとも成し遂げることはない」




                        東京オリンピックの招致に成功した時、私は日本のスポーツ選手の発言や行動を注視していました。ウソと裏金(賄賂)で招致したことが分かってからも、そのことに抗議するスポーツ選手はただの一人もいませんでした。


                        東日本大震災で10万人を超える人々が避難所生活を送っている状況で、しかも福島第一原発の汚染水の問題をはじめとして何一つ「アンダーコントロール」されていないにもかかわらず、総理大臣自らが大ウソをついて招致したのです。

                        利権のためにオリンピックを利用しようとした人間たちが、自分たちの都合を最優先して招致したため、その後エンブレム問題をはじめとして、国立競技場の問題、裏金の問題等で大騒ぎとなりました。オリンピックのために、これから一体いくらの税金がつぎ込まれることになるのでしょうか。

                        我が国のスポーツ選手は、こんなことばは使いたくないのですが、政治的に去勢された筋肉マンが多いので、抗議の声が上がるはずもありません。日本に民主主義がないことの端的な表れです。なぜなら、民主主義は多数決で物事を決める政治プロセスなどではなく、一人の人間が命をかけて権力に立ち向かったとき、その声を聞いて周囲の人間がたち上がることを保障するシステムだからです。

                         
                        | この人を見よ! | 14:18 | comments(0) | - |
                        国谷裕子キャスター、最後の放送
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                          国立大学後期の合格発表があり、これで前期の合格者を合わせて、塾生全員が国立大学に合格しました。おめでとう。よかったね。

                          高校3年生ともなればもう立派な大人です。法律は今年から18歳以上の若者に選挙権を与えました。つまり、この国の主権者と認めたのです。ところが、愛媛県教委は校則で校外での政治活動を事実上制約できるようにしました。法律で認められた権利を校則で制限できると考えるところがすごいですね。

                          校内での政治活動を制限できるというのならわかります。しかし校外での活動にまで学校が口をはさめると考えるのは、越権であり、よけいなおせっかいです。それとも学校は権限の及ばないことにまで責任を取るつもりなのでしょうか。

                          選挙権を与えるということは、暴力ではなく投票箱によって、若者にもこの国を変えるチャンスを与えるということです。これは憲法21条で保障されている表現の自由を行使するための重要な前提です。これを地方自治体の教育行政のトップにいる大人たちが理解していません。なんという見識のなさ!なんという時代錯誤!


                          若者を信じないということは、人間を信じない、ひいてはこの国の未来を信じないということです。愛媛県教委がどこを向いているのか一目瞭然です。何のことはない、安倍政権がもたらした強権的な空気の中で、うまく立ち回ろうとしているだけです。彼らのやっていることは、本質的には安倍政権への追従であり、ご機嫌取りに他なりません。憲法の保障する基本的な権利を蹂躙しているとは思ってもいないのでしょう。何という人権感覚のなさ!


                          愛媛県知事の中村時広氏は、見て見ぬふりを決め込んでいます。さすがに伊方原発の再稼働にゴーサインを出す知事だけのことはあります。新潟県の泉田知事と比べると、同じ自治体の長でありながら、ここまで見識に差があるのかと愕然とせざるを得ません。


                          ところで、先日2016年3月17日、NHK「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスターの最後の放送がありました。タイトルは「未来への風〜“痛み”を越える若者たち〜」です。23年間続いた、NHKを代表する良質の番組でした。私は国谷裕子キャスターのファンでした。抜群の英語力を駆使して、世界中の識者と渡り合い、文字通り現代の問題をクローズアップしてくれました。私がブログで何度も指摘したように、NHKの安倍政権への迎合、大本営化が国谷さんをひきずり降ろす結果となりました。

                          国谷さんは最後にこの内容をぶつけることで、支持してくれた視聴者に感謝するとともに、あるメッセージを伝えたかったのだと思います。そして私は確かにそのメッセージを受け取りました。国谷さんの番組は以下で見ることができます。
                          http://dai.ly/x3ydny4


                          その最後の放送の紹介文。

                          この20年あまり、かつてない大きな変化にさらされてきた日本。雇用、教育、福祉…、従来の社会システムが行き詰まり、少子高齢化に突入していった時代、上の世代が経験した成功体験を知らない20代30代の若者たちの多くが、将来への展望が見いだせず、不安を募らせている。

                          しかしその一方で、この世代の若者の中から、新たな価値観や変革を実践に移す“胎動”が見え始めている。全く新しい“連帯”によって、雇用環境を自ら改善しようとする取り組みや、従来にない金融の仕組みで地域社会を再生する取り組みなど、上の世代にはない実行力を示しつつあるのだ。

                          わたしたちは将来に向けてどのように歩んでいくべきなのか。番組では、この20余年の社会の変化を示す様々なデータ・映像をひもときながら、“痛み”を乗り越えようとする若者たちの姿を通して、未来への風を感じていく。

                           
                          | この人を見よ! | 14:59 | comments(0) | - |
                          天才少女の発明がカエルをU字溝から救う!?
                          0

                            閑話休題

                            政治ネタばかりで、私が書きたい記事が書けません。でも、ネットで何だかほのぼのとして、しかも感動する記事を見つけました。私がこどもたちに身につけてもらいたいと思っている発想や行動力が、小学校6年生の村田結菜ちゃんによって、生き生きと、しかも、いかんなく発揮されています。やっぱりこどもは自然の中で生活して賢くなるのです。どうぞご覧ください。http://dot.asahi.com/dot/2015050800037.html

                            | この人を見よ! | 10:42 | comments(0) | - |
                            この人を見よ!−元国会事故調委員長・黒川清氏
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                              毎日新聞によると、鹿児島県の伊藤祐一郎知事は、8月27日にあった県教育委員らが参加した会議で「高校教育で女子に(三角関数の)サイン、コサイン、タンジェントを教えて何になるのか」「女性には、もう少し社会の事象とか、植物の花や草の名前を教えた方がいいのかなあ」と発言し、翌日の定例記者会見で「自分自身も使ったことがないよねという意味。口が滑った」と述べ、訂正したそうです。

                               

                              鹿児島県の川内原発が再稼働された最大の理由は、安全審査に合格したからではありません。免振重要棟もなく、住民の避難計画もずさんな上に、火山学者の警告も無視して再稼働されたのは、ひとえに、伊藤祐一郎知事に象徴される民度の低さが理由なのです。伊藤祐一郎知事は一体何のために知事になったのでしょうか。全く知事としての責任を果たしていません。自治体の長としての責任感において新潟県の泉田知事とは雲泥の差があります。その質の違いは、同じ人間かと思うほどです。

                               

                              3・11以降、誰一人として、福島第一原子力発電所の事故の責任を取っていないのがこの国の実態です。8月13日のブログで紹介した木村俊雄氏のような責任感のある人は東京電力を辞めざるを得ないのです。この国のエリートたちは、ある「立場」につくことが目的で、それに伴う「責任」を果たそうとは思っていません。

                               

                              以下の動画をご覧ください。2014年3月に行われた日本記者クラブにおける国会事故調委員長・黒川清氏の発言です。とくに若い人に1〜4まで、必ず見てもらいたい。







                               

                              黒川氏は自分のことばで福島第一原子力発電所の事故の本質を語っています。この国には、氏のように自分のことばで発言できる大人の何と少ないことか。これだけ見ても、日本の教育は総体として社会的な責任を自覚できる人間を育てるのに失敗したのだと断言せざるを得ません。

                              | この人を見よ! | 14:16 | comments(0) | - |
                              この人を見よ!− 元東京電力社員・木村俊雄さん
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                                2015年8月11日、ついに川内原発が再稼働されました。連日の猛暑にもかかわらず電気は十分足りています。原発を再稼働させるのは電力会社の不良資産をなくすためです。「経済合理性」などと言いますが、「単なる金もうけ」のことです。アメリカでは実効性のある避難計画がなければ原発はたとえ完成していても稼働できません。どこが世界一厳しい安全基準なのでしょうか。菅官房長官は「再稼働は事業者が判断するものだ」と言いました。以下の記事をご覧ください。

                                 

                                ― 安倍晋三首相は(2014年7月)18日夜、視察に訪れた福岡市内で、貫正義九州電力会長ら九州の財界人と会食した。出席者から九電川内(せんだい)原発(鹿児島県)の早期再稼働を要請された首相は「川内はなんとかしますよ」と応じたといい、再稼働に前向きな安倍政権の姿勢をより鮮明にした。首相は福岡市博多区の料亭で約2時間、貫会長らと会食。麻生太郎副総理兼財務相の弟の麻生泰(ゆたか)九州経済連合会会長、石原進JR九州相談役らが同席した。会食後、石原氏が首相とのやりとりを記者団に明らかにした。(2014年7月19日:朝日新聞デジタル)―

                                 

                                首相は「川内はなんとかしますよ」と言っているのです。菅官房長官が言うように「再稼働は事業者が判断するもの」であれば、首相が「再稼働は許さない」と言っても、九州電力は再稼働を決断できるのでしょうね。財界、政府、原子力規制委員会、地方自治体がもたれ合ったまま、誰一人として責任を取ることなく破滅への道を急いでいます。ではどうすればいいのか。

                                 

                                ガンジーは7つの社会的罪を指摘しました。

                                「理念なき政治」(Politics without Principle

                                2「労働なき富」(Wealth Without Work

                                3「良心なき快楽」(Pleasure Without Conscience

                                「人格なき学識」(Knowledge without Character

                                「道徳なき商業」(Commerce without Morality

                                「人間性なき科学」(Science without Humanity

                                7「献身なき信仰」(Worship without Sacrifice

                                 

                                川内原発再稼働は、「理念なき政治」「人格なき学識」「道徳なき商業」「人間性なき科学」がもたらしたものです。なぜこれほどの理不尽がまかり通るのか。ある人間がどんなに理解不能な異常者であったとしても、その異常者を政治のリーダーにまでのし上がらせるのは、周囲の人間がその人物に感応し、受容したからです。その感応性と受容性は私たちの日常生活や、時代の気分の中に裾野を広げています。そして、その質を決めているのは、その時々の社会の条件であり、文化の性格です。

                                 

                                2011年3月に福島第一原発事故が起きた時、専門家たちが口々に「これだけの事故が起きた以上、日本ではもう原発を推進し続けることは不可能だ」と言っていたのを私は鮮明に覚えています。あの時、「やっぱり原子力発電はダメだったんだ・・・」と多くの日本人が思ったはずです。しかし、私たちは真実に触れた時の思いを保持できず、忘れてしまいました。

                                 

                                効率化と経済成長をひたすら目指す社会では、日々のささやかではあっても意味のある出来事が、高速で過ぎ去っていく車窓の風景のようなものになります。この国の運命を左右する歴史的な大事故を忘れるのに4年もあれば充分だったということです。電力会社は当面の黒字が見込めればいいのです。再び大事故が起きたとしても、政治家が国民の税金を投入して守ってくれることを「学習」しました。そして、東電は福島事故後、過去最高の利益を計上しているのです。

                                 

                                社会にとって望ましい結果を実現するのは私たち一人一人です。上記のガンジーの7つの社会的罪をよくご覧ください。これは私たちが社会的罪として共通に認識すべきものではないでしょうか。共通の理想を設定することも、目指すことも難しい。理想主義には人間を偏狭にするという弱点があるからです。しかし、ある行為を社会的罪として認識することは、私たちによって確実に生きられている「平凡なるもの」を深く掘り下げることによって可能だと思います。今回はそれを実践している元東京電力社員・木村俊雄さんを紹介します。木村さんは原発事故の前に東電を退社しています。



                                以下の動画は2013.12.2 伊方原発人間の鎖抗議行動の後、八幡浜松陰公民館にて行われた木村俊雄さん講演会の様子。福島原発の事故後、私が最も感銘を受けた説明。倫理性、論理性とも群を抜く。再稼働に賛成するひとも反対する人も、是非見るべき内容です。



                                 

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