この国の政治家たちのあまりの低レベルの発言や行動、見識のなさが引き起こす悲喜劇に付き合っていると、精神衛生上良くないので、今年の3月に鶏小屋と葡萄棚を作り、200坪以上の荒れた土地(お隣さんに無償で提供していただいています)を開墾して一部を野菜畑にしました。
今年の6月初めの雛達。国東半島の養鶏場まで車を飛ばして買いに行きました。一羽¥780円。ボリスブラウン6羽です。鳩の大きさくらいで可愛いですね。まだトサカも出ていません。
3カ月後。もう成鶏です。最初の頃は餌をやりに行くと6羽がかたまって隅に逃げていたのですが、ご主人様が分かるようになった今ではそばに近寄ってきます。
止まり木は、庭のブナの木の枝を切って作りました。鶏たちに好評です、なんちゃって。
餌をやると、ご覧の通り。
今日の朝採れ新鮮卵。本当に美味しい。これからは、卵料理のヴァリエーションを増やさなければ・・・。孫娘がミミズをつかんで鶏にやっていたのを思い出し、卵かけご飯を食べながら「う〜む、ミミズの味がする」と言うと、奥さん曰く「私は遠慮しとくわ」とのこと。1日に1羽が1個産むので、卵を買う必要がなくなりました。餌代とそれなりの手間がかかりますが、田舎暮らしの人にはおすすめです。明日からは、ネットを張って放し飼いにします。
毎年秋になると庭が大量の落葉で覆われるので、その有効利用を考えていました。ケヤキやクヌギの落葉は腐葉土にもってこいです。そういうわけで、循環型の生活を実現すべく、腐葉土作りを決心しました。1年ほどかけて腐葉土を作り、鶏糞や藁と混ぜて土に敷き込みます。準備は着々と進んでいます。
何より、朝早く起きて土を耕したり大工仕事をしたりすることは、心身の健康にとてもいいのです。鶏に餌をやったり、水を替えたりしながら生活にリズムを作っていきます。新鮮な空気を吸って、移りゆく季節の足音を聞いていると、私の中に眠っていた農民のDNAが覚醒するのを感じます。
昨夜も塾の授業中、日本の大都市で生活するよりも、例えばいっそのこと南仏のワイン農家の娘または息子と結婚して、そこで生きることだってできるのだ、という話をしました。
フランス語なんてそこで働きだせば何とかなる、それより日本の学校で強制される、生活に不必要な、官僚になるための勉強などしなくて済む。自ら学ぶ意欲を枯渇させないことの方が大事だ。もちろん、日本にはまだまだ豊かな里山文化があるので海外にこだわる必要はない。
しかも今は、自分の人生を構想するために必要な情報を、世界中からインターネットを使って手に入れることができる時代だ。これまで大人が無反省に君たちに与えて来た人生のコースは、あっという間に無用の長物になる。古びてしまう。
もちろん僕の言っていることは無責任な極論に聞こえるかもしれない。でも未来は君たちの手の中にあるのだから、たまにはその可能性について考えてみるのも必要だと思う。それが、君たちの精神を奴隷の桎梏から解放し、君たちの可能性をどれほど開拓するか、それを想像してほしい、と。
もうやめにします。最後に今月5日、ロシア極東ウラジオストクで開催された国際会議「東方経済フォーラム」に出席した安倍首相がプーチン氏に向けてした演説を載せておきます。安倍首相の普段の言動から見るに、この原稿を書いたのは彼以上に現実が見えていないオタンコナスだということがわかります。
「ウラジーミル。君と僕は、同じ未来を見ている。行きましょう。ロシアの若人のために。そして、日本の未来を担う人々のために。ゴールまで、ウラジーミル、2人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか。歴史に対する責任を、互いに果たしてまいりましょう。平和条約を結び、両国国民が持つ無限の可能性を、一気に解き放ちましょう。そのほとんど次の刹那、日本とロシアの連結は、地域を変える。世界を、大きく変え始めるでしょう」
プーチン氏はこの演説を聞いて、必死に笑いをこらえていました。私は仰天し、この男(安倍)はとうとう頭がおかしくなったのではないかと思ったほどです。そして、この国の経済人やジャーナリズムで働くほとんどの大人がこの男を支持しているという事実に思い至り、絶句しました。この国は、幼稚園児がお遊戯に興じる「お花畑」になってしまったのです。
加えてこの男は、歴代政権が積み上げてきた「4島の帰属問題を解決」という従来の日本政府の方針を勝手に転換して「2島返還」に舵を切り、その上3000億円もの経済協力まで約束しました。そのあげく、日ロ交渉は1ミリも進展しなかったどころか、「プーチン大統領と27回目の首脳会談」などとはしゃいで見せ、プーチン氏が色丹島に完成したロシアの水産加工場の従業員をTV電話で激励する姿を見てもポカ〜ンとしていたのです。
いやはや、どうやら私にできることは鶏の世話くらいしかなさそうです。新防衛相に任命された河野太郎が「無礼者!」などとほざいて、韓国にミサイルをぶっ放したりしないことを祈るばかりです。