2019.10.04 Friday
絶望は疾走する − 映画『ジョーカー』を観る。
封切られたばかりの映画『ジョーカー』を観てきました。何かと話題の多い映画ですが、とにかく傑作です。優れた文学と同様の予見性を持っています。いや、音楽や映像の持つ力のせいで文学を上回っています。
この映画のどこが予見性に富んでいるのか、それは見る人によって様々でしょう。小難しい批評は置くとして、主演のホアキン・フェニックスがとにかく素晴らしい。映画の中で彼はとにかくよく走ります。孤独や絶望に追いつかれるのを恐れるかのように。
予告編がかもし出す悲劇的なトーンが尋常ではなかったので、今日10月4日、封切りの日を首を長くして待っていました。結論を言えば、これまで見た映画の中で最高の作品です。とにかくこれで今年は映画を見る必要がなくなりました。
一つ一つのシーンが何を意味しているのか、何を象徴しているのか、それを語るのは止めにします。すぐれた作品には、沈黙をもって向き合うほかないからです。