日本の総理大臣にもっともふさわしい人物は誰か?今回はこの問いに端的に答えてみたいと思います。
自分にとって不利な質問をされると、「枝葉末節な議論はやめようじゃありませんか」と、もっともらしい屁理屈で逃げる安倍首相。しかも一度や二度ではありません。窮地に陥った時に彼が使う巧妙で詐欺的なセリフです。なぜなら、枝葉末節でない、本質的で根源的な議論ならできるということを暗示しているからです。これを強がり、負け惜しみというのです。
では、枝葉末節ではない、誰もが抱く素朴な疑問(中学生や、高校生にもわかるという意味ですが)に安倍首相は答えられるのでしょうか。答えは断じてノーです。誰もが抱く素朴な疑問に答えるためには、歴史に対する深い洞察力と事実に謙虚に向き合う姿勢を保持していなければならないからです。安倍首相はこの二つを決定的に欠いています。
私は大げさな物言いが生理的に苦手なのですが、経済・軍事の両面で安倍政権に殺されたくなければ、この本を読むべきだと思います。★★★★★
具体的な証拠をお見せしましょう。以下の質問に対して、安倍首相は全く答えられなかったのです。平成27年、第189回国会における、参議院「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」で発せられた問いです。
その1:弾道ミサイルの脅威をあおり、戦争法の制定を急いでおきながら、一方で原子炉近くにミサイルが着弾することを想定していない首相に「総理、国民の生命、財産、幸福追求の権利を本気で守る気、あるんですか?」と問いかけた時。
その2:イラクにおける「国連その他の人道復興支援及び物資の輸送」を目的に派遣した航空自衛隊が米軍の攻撃部隊を送迎していたこと、さらにその米軍が民間人を殺戮した事実について、当時小泉政権の要人であった首相に「当時、アメリカに『民間人の殺戮やめろ』と言えたんですか?この先、『やめろ』と言えるんですか?」と問いかけた時。
その3:アーミテージ・ナイ・リポートに書かれてあるように、戦争法案がアメリカの要請に応えたものであることは公知の事実であるにもかかわらず、永田町では誰もそのことを言わない。そこで「憲法を踏みにじり、国民生活を破壊してでもアメリカの要請に全力で取り組もうとするのはなぜですか?」と問いかけた時。
もちろんこの本質的な問いを発したのは参議院議員の山本太郎氏です。私は感動して、その時の模様をブログにアップしました。
http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=26
今回この記事を書こうと思ったのは、山本太郎氏の『みんなが聞きたい安倍総理への質問』を読んだからです。大げさなことは言いたくありませんが、沖縄県知事である翁長雄志氏の著書『戦う民意』と合わせて、国民必読の書だと思います。
「日本の総理大臣にもっともふさわしい人物は誰か?」という問いの答えはもうおわかりでしょう。現在の政治家の中で命をかけて「保守」すべきものを持っている人物は、山本太郎氏と翁長雄志氏の二人を置いて他に見当たりません。安倍首相は、立憲主義も法の支配も理解できず、現行憲法を「みっともない」と言います。それどころか、総理大臣であれば憲法に拘束されないと思い込んでいます。自分の意に沿わないことであれば、歴史上の事実ですら「なかったことにしよう」と目論む、人格が空洞化した政治家には総理大臣の資格はありません。