2015年7月は、この国の歴史にとって重要なターニング・ポイントとして記憶されることになると思います。国民の憲法意思、つまり、310万人を超す戦争犠牲者と生き残った人々の、戦争は二度とご免だ、という痛憤によって選び取られたこの国の生き方が、『日本会議』という歴史を歪曲・冒涜したカルト集団によって葬り去られた年としてです。
大いなる歴史的事件は二度繰り返す、と言われます。一度目は悲劇として。二度目は喜劇として。そして今、喜劇の幕は切って落とされたのです。
舞台に立ち並ぶ大根役者の面々。嘘をつくことを何とも思わず、それを指摘されると屁理屈を並べて言い逃れる詐欺弁護士・橋下徹氏。その橋下親分によって後釜にすえられた大阪府知事の松井一郎氏。氏は、自民党の若手勉強会『文化芸術懇話会』で、「沖縄の二つの新聞は、絶対潰さなあかん」と発言した百田氏をかばいました。
いわく「百田氏にも言論の自由はある」と。さすがにヤクザ知事だけのことはあります。言論の自由が日本国憲法21条で保障されている意味が全く分かっていません。後日詳しく論じます。
その松井氏の横でニヤけているのが当の百田尚樹氏。知らない人のために紹介しますが、氏はベストセラー、(知性が)『永遠の0(ゼロ)』、および、ねつ造だとして裁判になっている『殉愛』の作者です。
よく見ると『懇話会』の自民党の面々もこの三氏を取り囲むようにして立っています。
後ろの方には、橋下氏のチンピラ芸の師匠、暴力団との関係が明るみになって芸能界を去った島田伸助氏もいるではありませんか。今は亡き、やしきたかじん氏の遺影も飾られています。イエ〜イ。
後ろの方に菅官房長官。その陰に隠れるようにしているのが自民党の広報担当の世耕弘成氏。
安保法制に関して下手な比喩を使い、10代の女性に論破されて逃げた総理大臣補佐官の礒崎陽輔氏。同じく総理大臣補佐官の江藤晟一氏もいます。礒崎氏は大分舞鶴高校出身。江藤氏は大分上野丘高校出身です。わが大分県選出議員もなかなかやってくれます。そして、この大根役者一座を取り仕切っている座長こそが安倍晋三氏なのです。よく見ると緞帳には、読売新聞社・産経新聞社後援、NHK協賛と書かれています。
この一座の演じる喜劇を見て、心暗くならない人間がいるでしょうか。いるのでしょうね。座長のチンピラ芸を熱烈に支持する人もいるくらいですから。この喜劇役者たちに共通する特徴は、関西のお笑い番組出身者が多いというだけではなく、「既得権益」を打破する大胆な政治改革ができると思い込んでいる割には、利用されていることに気づかないお調子者だということです。
完全なる奴隷支配の形とは、奴隷になっている人間たちに、自分たちは奴隷ではない、ひとかどの人物だと信じ込ませることです。それが、支配する側にとって、もっとも安いコストで、もっとも安全・確実に支配する方法なのです。そんな芸当が、ポツダム宣言を読んだこともなく、憲法学者の芦部信喜氏も知らない座長(安倍晋三)にできるわけがありません。
『戦争プロパガンダ10の法則』には次のように書かれています。
1:われわれは戦争をしたくない。
2:しかし敵側が一方的に戦争を望んだ。
3:敵の指導者は悪魔のような人間だ。
4:われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う。
5:われわれも意図せざる犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる。
6:敵は卑劣な兵器や戦略を用いている。
7:われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大である。
8:芸術家や知識人も正義の闘いを支持している。
9:われわれの大義は神聖なものである。
10:この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である。
どこかで聞いたことのあるセリフばかりです。この戦争プロパガンダ8をご覧ください。「芸術家や知識人も正義の闘いを支持している。」とあります。安倍政権が集めた芸術家とは、百田尚樹氏のことです。知識人とはオツムの弱い3人の憲法学者のことを指します。
世論を扇動するのに橋下氏や百田氏を起用し、戦争法案の合理性を説くために総理大臣補佐官の礒崎陽輔氏を起用するとは、余りに痛々しい布陣ですね。何だか同情したくなってきました。続きは明日のブログに書きます。