私はこのブログで政治や経済を論じていますが、マスメディアからサイバー空間に至るまで、あらゆる情報は劣化コピーの反復だと日々思い知らされています。したがって、誰かを啓蒙するつもりは微塵もありません。そんな世界で、いったい誰を啓蒙するというのでしょうか。マスメディアに幻惑された仮想世界の住人を啓蒙する手段など思いつくことすらできません。
ただ、精神衛生のために、心象風景をモノローグ風に書いているに過ぎません。そうは言っても、何かよりどころになるものが必要です。何のとりえもない塾教師として生計を立てている以上、そこから見える風景を起点に、世界に対する違和感を発信するしかありません。
目新しいものは何もありません。同じような中身の反復と執拗な繰り返しで、読む人を辟易させているかもしれません。自分の意見を発表する以上、時には錯誤だと笑われ、またある時には傲慢だと不興を買うことも覚悟の上です。心がけているのは、データの引用には最大限の正確さを期していることと、自分に正直であること、つまり思ってもいないことは書かないことくらいです。
日本のリテラシー(情報を読みとく技術)教育は「新聞やテレビは信用できるが、ネットの情報は信用できない」というものです。それに対し、カナダのリテラシー教育は、「目にするもの耳にするものすべてを疑わなくてはいけない」という地点からスタートしています。いくら日本が米国の植民地とはいえ、私はこの差に愕然とし、絶望しています。
絶望は内向し、時に怒りの感情を呼び覚まします。そもそも、怒り、憎しみ、悲しみといった人間の感情的裏付けをもたない言葉は、私には空語としてしか感受できないのです。そういった言葉の空虚さは、つまるところ、日本国民が官僚と米国から二重に搾取されている事実を隠蔽していることに由来します。簡単に言えば、これが、もっぱら情報伝達を主とした言葉の胡散臭さであり、虚構の上に虚構を塗り重ねる言葉の特徴です。
そんなことを考えている折、ブログの読者から、大分市田尻にある「学習空間 L 」のなりすまし塾長 K 氏が「大分市の塾」というサイトを閉鎖したとの連絡をもらいました。K 氏については既にブログで批判しています。
http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=330
K 氏は第三者を装って別サイト「大分市の塾」を立ち上げ、その中で「こどもがいたら是非とも通わせたい大分市の5つの塾」と銘打って、そこに自分の塾を載せ、「顧客」を自塾に誘導する新手のビジネスモデル?の旗手として、頑張っていると思っていました。(別に塾をしなくても、ITやウェブマーケティングに詳しい K 氏ならアフィリエイトなどで十分食べていけるでしょう。)
それというのも、私の批判に対して、K 氏は「先生のようなたいそうご立派な方が、謝罪をしている人間に対してここまでお言葉を投げつけるとは思わず、少々感激しています。世代と言いますか、価値観の違いなのでしょうね。ご自分のされてることには完全に筋が通っているとお考えのようで、その点に関しては反面教師とさせて頂きます。事実を記載しただけの事に対して、一方的にここまで暴言を吐いてのける、その教育者としてのメンタリティーに感心しました。ご指摘いただき恐縮です。ありがとうございました。なお、特に過去記事を削除するつもりもありませんし、子供を入れたい〜も含めて記載の通りです。また、反論に関しては言われるまでもなく必要とあればさせていただきますのでお構い無く。」と応えていたのですから。
少し補足をしておきます。K 氏の言う「事実を記載しただけの事」とは「大分市の塾」の中の以下の記述を指します。
1 >何度も言いますが、管理人はいまだ独身(年齢は30代です笑)であり、子どもはいません。あくまでも、子どもがいたらという観点でご紹介しました。
2 >塾長先生が一橋大学出身だそうで、かなりの高学歴。管理人は足元にも及ばない笑 まだ20代らしく、これからが楽しみな学習塾です。
3 >(未来塾と)Y 田ゼミとの間で「ごたごた」があったようで、過去記事が削除されないうちにお読みください。
1は明白なウソですね。2は K 氏から見れば「事実を記載しただけの事」なのでしょう。でも「かなりの高学歴。管理人は足元にも及ばない笑 まだ20代らしく、これからが楽しみな学習塾です。」というのは、事実ではなくK氏の価値判断です。3は事実に反する K 氏の妄想です。K氏が事実を重んじるのであれば、こんなことは書けないはずです。しかし、「大分市の塾」の目的は、他塾の紹介という体裁を取りながら自分の塾を宣伝することにあるので、面白おかしく書いたのでしょう。こういう人間に限って「事実を記載しただけのこと」などというのです。おそらく一橋大学法学部では、「事実とは何か」という初歩的なことも教えていないのでしょうね。
「暴言」というのは、私が K 氏に送ったメールの以下の部分を指します。
>何度も言うように、私の塾の名前を出したことに抗議などしていません。Y 田ゼミとのことで、ありもしない「ごたごた」をでっち上げて適当なことを書かれたから抗議したまでですよ。問題なのは、「大分市の塾」におけるあなたの巧妙ななりすましが、普通の倫理観を持っている人間にはできないといっているのです。
>あなたが今回やったことは、タチというかスジが悪すぎます。常習性のにおいがします。この種のことは、自分に平気でウソをつける人でなければできません。おそらく、あなたは、この業界では皆、大なり小なりやっているとか、違法ではないといった言い訳を考えているのでしょう。あなたのブログを読めば読むほど、どこかで違和感を感じ始めていた矢先でした。その違和感の正体は、財務省をはじめとする小役人のメンタリティーに近い。あるいは自分をひとかどの経営コンサルタントだとうぬぼれているような。
結局、K 氏は「特に過去記事を削除するつもりもありませんし、子供を入れたい〜も含めて記載の通りです。」と宣言したにもかかわらず、自分にとって不都合(経営に響く)だと判断すれば記事を削除し、サイトを閉鎖するのです。K 氏のことを「財務省をはじめとする小役人のメンタリティーに近い。」と言ったのは、今回の姑息なやり方を予測してのものでした。まさに、ドンピシャリでした。
「大分市の塾」を見ると、私以外の塾長さんからも抗議があったようです。当たり前ですね。もしそうでなければ、K 氏はサイトを閉鎖していなかったでしょう。私からの批判を受けて「自分としてはなんのやましさもないと言えばウソとなりますが、まあ自分のなかで許容範囲といいますか、そこまで大きなことをしたつもりもなかったわけで、そこについて結構なお言葉をちょうだいしました。」と、書いていたのですから。
こんなことに貴重な時間を費やしたくないので、もうやめにします。最後に私が K 氏に送ったメールを引用します。
>あなたが謝罪しなければならないのは、あなた自身と塾を探している親御さんや子供たちに対してです。それくらいのこともわかりませんか。僕の塾にはあなたほど頭はよくなくても、あなたの何倍も素直で、自分をごまかさない正直な生徒が通ってきています。生徒があなたのような人間にならないように僕は指導しています。中途半端に頭が良い人間は、あなたのような末路をたどるのです。