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さよならテレビ ドキュメンタリーを撮るということ/阿武野勝彦【1000円以上送料無料】
さよならテレビ ドキュメンタリーを撮るということ/阿武野勝彦【1000円以上送料無料】 (JUGEMレビュー »)
《目次》
プロローグ
第1章 テレビマンとは何者か
第2章 大事なのは、誰と仕事をするか
第3章 表現とタブー
第4章 放送は常に未完である
第5章 世の中には理解不能な現実がある
第6章 ドキュメンタリーを、誰が求めているのか
第7章 「ダメモト」が表現世界を開く──〈司法シリーズ〉のこと
第8章 「ドキュメンタリー・ドラマ」とは何か
第9章 あの時から、ドキュメンタリーは閉塞した世界だった
第10章 題材は探すのではなく、出会うもの
第11章 組織の中の職人は茨の道
第12章 「わかりやすさ」という病
第13章 樹木希林ふたたび
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まず私たちの生命と暮らしを脅かす事実を知ること。それにたいしてどのような認識を持つのか。この国のみならず、世界を壊滅させる災厄とどう向き合うのか。次世代に対してどう責任を取るのか、そもそも責任を取れるのか。自分に何ができるのか。この現実にどう向き合うのか。それを教えるのが教育のはずだが、この国には教育も哲学も存在しない。
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「最悪」の核施設 六ヶ所再処理工場 (集英社新書)
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小出 裕章,渡辺 満久,明石 昇二郎
原発よりもはるかに危険な六ヶ所村再処理工場。私たちの日々の生活が薄氷の上で営まれていることを痛感させられる。同時に、この国には「国民の生命・財産・自由を守り抜く!」と威勢のいいことを言う総理大臣と無能の政治家しかいないことに絶望する。核燃料サイクルと言い、下北半島の再処理工場と言い、3兆円以上の国民の税金がつぎ込まれ、いまだ後始末も将来の見通しもたっていない現実をどう考えているのか。彼らは核兵器を持ちたいという願望と税金をロンダリングして私腹を肥やすことしか眼中にない。北海道の地震だけに目を奪われてはならない。六ヶ所村は今回の震源地の目と鼻の先にあるのだ。
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D.J.ブーアスティン
私にとっては古典の中の古典。三度読みました。そしてその慧眼にいまだに驚いています。
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殺人犯はそこにいる (新潮文庫)
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清水 潔
ジャーナリストと称する職業がある。自称ジャーナリストもいれば、テレビのコメンテーターとしてリベラルに媚びる政権批判をし、名を売り、講演で稼ぐ職業をジャーナリストと呼ぶ者もいる。とんだ茶番である。ジャーナリストとはどこまでも「事実」を追いかける。テレビに出て能天気な解釈や感想を垂れ流している暇などないはずだ。ジャーナリストを志す若い人には清水氏の著作は避けて通れない。その名に値する本物のジャーナリストがここにいる。
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福田 直子
おそらく自民党・安倍政権はSNSを駆使し、分析するデータサイエンス(日本版なのでレベルはまだ低いですが)の重要性に着目し、選挙にどうすれば勝てるか、自分たちに有利な世論を形成し、国民を誘導・分断するにはどうすればいいのかが分かっているのです。そのためのノウハウも蓄積しつつあります。安倍首相の貧困な語彙力からは想像できないカタカナ言葉を聞いていると、それがSNSを分析している集団から教えられたものであることがよくわかります。ただ彼らの致命的な弱点は将来の社会を導く理想がないことです。おそらく、思いもかけない結果が待っていることでしょう。なぜなら、所詮、彼らはアメリカとビッグデータの奴隷でしかないのですから。これからの政治は、好むと好まざるとにかかわらず、この本に書かれていること抜きには語れなくなっているのです。
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安倍政権に対するメディアの忖度が云々されていますが、元々同じ穴のムジナなのです。忘れてならないのは、日中戦争から太平洋戦争にかけて、日本の世論と新聞のほぼ全部は好戦的・拡張主義的だったのです。しかも、当時はまだ言論統制体制が発足していなかったのです。この本は、そうした「一貫して好戦的な世論とそれに便乗する新聞」が先導し、近衛文麿はじめ文民政治家がそれに便乗、軍部がさらに便乗、という構図を一次資料で克明に論証しています。安倍政権を支持するネトウヨの皆さんの日本語力では、まともな読解は無理ですので勧めません。一方、正確な歴史を知るためには「世論」の不気味さを知ることだと気づいている若い人には是非一読を勧めます。
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茫漠の曠野 ノモンハン
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松本草平
著者は大分市にある『天心堂へつぎ病院』の院長、松本文六氏の御尊父、松本草平(本名松本弘)氏です。詳しくは、ブログで紹介したいと思いますが、第一次資料として極めて価値の高いものです。40年ぶりに復刻版を出された松本文六氏と出版社に感謝する他ありません。
戦略も何もない、無謀・無慈悲な戦争を語り継ぐことは、最も崇高で重要な人間の営為だと私は考えています。作家の司馬遼太郎氏は、電話で草平氏に次のように伝えてきたそうです。「先生の臨場感のあるノモンハン戦記に出会えて本当にありがとうございました。私は大東亜戦争の折、戦車隊の一員として従軍しましたが、先生の従軍記以上のものを創ることはできません。」と。
一人でも多くの方がこの本を読まれることを望みます。ちなみに松本文六氏は伊方原発差止め訴訟の原告でもあります。その縁で、この本に出会うことができました。
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「南京事件」を調査せよ (文春文庫)
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清水 潔
全国のネトウヨの皆さんへの推薦図書です。清水氏のこの本を読んでから、「南京事件はなかった!」「南京事件は捏造だ!」と叫びましょうネ。
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広瀬隆
広瀬氏をアジテーターだの、オオカミ少年だの、悲観主義に過ぎると言って批判する人がいる。しかし、ブログで何度も述べてきたように、真の悲観主義こそがマインドコントールによって奴隷根性のしみ込んだ私たちの精神を浄化してくれるのだ。そもそも無知では悲観が生まれようもないではないか。国などいくら破れても結構。せめて山河だけでも次世代に残そうと考える人ならぜひとも読むべき本である。いや、これから幾多の春秋に富む若い人にこそすすめたい。
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チャヴ 弱者を敵視する社会
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オーウェン・ジョーンズ,Owen Jones
【本書への賛辞】

「怒りが生んだ、最高の本」
──ガーディアン紙

最高の論争がみなそうであるように、知性に裏打ちされた怒りが本書を支えている。
──エコノミスト誌

暴動や世界中に広がったオキュパイ運動に照らして考えると、分断社会に関する著者の鋭い分析は、
不気味なほど未来を予知していたことがわかる。
──アートフォーラム誌

情熱と、思いやりと、すぐれた道徳性が結実した仕事だ。
──ニューヨーク・タイムズ紙

政治の定説を見直す大胆な試み。著者は戦後のイギリス史を縦横無尽に往き来し、
階級、文化、アイデンティティといった複雑な問題を軽々とまとめてみせ、
結果として「階級」問題に火をつけ、大きな効果をあげている。
──インディペンデント紙

いまの制度が貧しい人々を見捨てていることに対する苛烈な警告──それが本書だ。
──ブログサイト「デイリー・ビースト」

ジョーンズは、「地の塩」だった労働者階級が政治のせいで「地のクズ」と見なされるようになった経緯を見事に説明している。
──タイムズ紙

この本は、新しいタイプの階級嫌悪と、その裏にあるものを痛烈にあばいて見せてくれる。
──ジョン・ケアリー(The Intellectuals and the Masses著者)

これは「イギリスはおおむね階級のない社会である」という考え方への、論理的で情報満載の大反撃だ。
──オブザーバー紙

情熱的で示唆に富む……この声が届くことを心から願う。
──スコットランド・オン・サンデー紙
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紹介していない本が山のようにあります。数日前にこの本を本棚の奥から引っ張り出し再読しました。いや〜面白かった。。とにかくこの本のことを忘れていた自分が信じられない。読んでない人に熱烈に勧めます。ハイ。
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英語の実際的研究 (1969年)
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秋山 敏
高校生にとって、今でも一押しの不朽の名著。でもこの本をことを知っている英語教師は少ないと思います。是非復刊してほしいものです。
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スノーデン 日本への警告 (集英社新書)
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エドワード・スノーデン,青木 理,井桁大介,金昌浩,ベン・ワイズナー,宮下紘,マリコ・ヒロセ
2017年4月18日、朝日新聞がようやく「パノプティプコン」を取り上げました。遅すぎますね。
これから先の日本社会は、ますます荒廃が進み、国民の不満が頂点に達し、やがて爆発します。それを未然に防ぐために、国は国民の監視を強化します。
実際アメリカでは「愛国者法」により、電子メールや携帯の通話履歴が監視の対象になっています。誰が、いつ、どこで、何を読んで、誰と通信を交わしたか、すべて国に筒抜けです。
「パノプティプコン」とはフランスの哲学者フーコーが用いた概念ですが、国民が刑務所の囚人のように監視される体制を言います。監視者の姿は見えませんが、囚人は監視者不在でも、監視を意識することによって管理統制されるのです。これを「パノプティシズム」と言います。
このシステムから解放されるためには、権力がどう管理・統制しようとしているかを知らねばなりません。この本はそれを知るための第一歩です。あなたが無知のまま、奴隷の人生を送りたければ、読む必要はありません。
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A.ミラー
アリスミラーのこの本は、塾を始めるきっかけになりました。ただ生活のためだけなら、他のことをしていたでしょう。『才能ある子のドラマ』とあわせて、当時の私には衝撃的な本でした。人生はどこでどう転ぶかわかりません。人間の奥深さを知ることで、何とか自分を維持していたのです。この本を読むと当時のことが、ありありと思い出されます。ある意味で、私の人生を方向づけた本かもしれません。
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NHK「東海村臨界事故」取材班

2月18日のブログでも書きましたが、仕事のために読むビジネス書の類は、最終的には効率を重視し、最小の資本と労力の投下で、いかにして最大の利益を上げるかということに尽きていると思います。そのための働き方改革であり、そのための賃上げです。そのための人心掌握術であり、顧客対応です。ビジネス書を読めば読むほど、人間は軽薄になり、視野が狭くなっていきます。もしあなたがそれを自覚するきっかけがほしいなら、是非この本を読むことを勧めます。読書はビジネスのためにするのではないということが分かると思います。この本は私たちの日常の風景を一変させるだけのインパクトを持っています。いわば、ことばの最高の意味における「闖入者」なのです。
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服従
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瀬木 比呂志
この本はまだ発売されていません。自分で読んでいない本を推薦するのは邪道でしょう。しかし、これまでの『絶望の裁判所』『ニッポンの裁判』(ともに講談社現代新書)に続く裁判所、司法批判の第3弾が長編の権力小説だということで、過去2冊の本の面白さからして、推薦に値する本だと思いました。『原発ホワイトアウト』の最高裁判所ヴァージョンだと思います。読んでからコメントを追加したいと思います。
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アモン・シェイ
学校なる場所に通っていた時、毎年夏になると課題図書を読んで、読書感想文を書かねばならないのが苦痛でした。課題図書の選定には学校と書店の密約があるに違いないと思っていたくらいです。

偶然巡り合った面白い本の感想を書くのならまだ我慢できたかもしれません。つくづく学校というところは、余計なことをしてくれると思ったものです。

あまりにめんどうくさいので、「あとがき」を参考に、あらすじを書いて提出したら、トリプルAをもらいました。

学校というところは、もしかしたら、人生の退屈に耐える訓練をする場所だったのかもしれません。この本を読んで、改めてそのことを確認しました。別に先生を責めているわけではありません。それほど自覚的に生きるということは難しいのだとため息をついているだけです。
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想田和弘監督の観察映画。音楽による演出は一切なく、徹頭徹尾監督の視点で撮られたドキュメンタリー映画。見終わった後、日本の選挙風土の貧困さが浮かび上がる。この国に民主主義はない、ということを改めて確認し、そこから出発するしかない。その勇気を持つ人には必見の映画です。合わせて『選挙2』もどうぞ。
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マックス ヴェーバー
ウェーバーの死の1年前、1919年、学生達に向けた講演の記録です。
一部抜粋します。

「自分が世間に対して捧げようとするものに比べて、現実の世の中が―自分の立場からみて―どんなに愚かであり卑俗であっても、断じてく挫けない人間。どんな事態に直面しても「それにもかかわらず!」と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への「天職」を持つ。」(P105〜106)

「さて、ここにおいでの諸君、10年後にもう一度この点について話し合おうではないか。残念ながら私はあれやこれやいろんな理由から、どうも悪い予感がしてならないのだが、10年後には反動の時代がとっくに始まっていて、諸君の多くの人が―正直に言って私もだが―期待していたことのまずほとんどは、まさか全部でもあるまいが、少なくとも外見上たいていのものは、実現されていないだろう。」(P103〜104)

10年後には、ワイマール体制は機能不全に陥り、1933年にはヒトラーが首相に就任します。

平和憲法は、日本人にとって310万人の命と引き換えに手に入れた唯一と言っていい理念であり、アイデンティティーでした。その唯一の誇りを、日本人は損得勘定で葬り去ろうとしています。言い古された言葉ですが、歴史は繰り返すのです。
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中沢 新一
小学校を卒業するころ、将来なりたい職業として思い描いていたのが、天文学者か生物学者でした。プロ野球選手は、自分のセンスでは無理だと悟りました。物ごころついたころから興味があったのは宇宙や昆虫や植物の世界でした。そんなわけで南方熊樟に出会うのは必然的な成り行きだったのです。人間は言葉によって世界を把握しますが、それ以外の把握の仕方があるはずだと、ずっと思ってきました。南方熊樟は、小林秀雄と同じく、直観による世界の把握の仕方を教えてくれました。この本は、言葉によって構成された世界秩序の外に出て、世界を改めて考えたい人に大いなるヒントをあたえてくれます。安倍政権によるゴキブリのフンのような、あまりにばかばかしい政治状況を見せつけられているので、精神の衛生学として一気に読みました。
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こどもの教育から裏金を使ったオリンピック誘致、原発再稼働、戦争準備から武器の売却、安倍政権の裏の権力としてメディアに絶大な影響力を行使する電通。私たちは電通が作り上げた「箱」の中でいいようにマインドコントロールされている。自分の意見だと思っていたものが、実はそう思わされていただけだということに気づかなければならない。音楽をはじめとする芸能情報、その中で踊らされるミュージシャンやタレント、果てはデザイン業界までを席巻する。今や電通の介在しないメディアはないと言ってもいい。利権あるところに電通あり、です。
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前作『日本はなぜ「基地」と「原発」止められないのか』に続く著者渾身の力作。自分の人生を生きたい人にすすめます。ただそれだけです。18歳で選挙権が与えらる高校生が政治を考える際の基本的なテキストになる日がくるといいですね。無理でしょうが。これ以上余計なコメントはしません。まず手に取ってみてください。
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メディアで取り上げられるよりはるか前から日本会議の存在について私は言及していました。電通と同じくタブー視するメディアには心底失望したものです。報道すればタブーはタブーでなくなるのです。何を恐れているのでしょうか。干されれば、何とか生活をする工面をすればよい。それだけのことです。
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磯崎新
帯に「祝祭都市にスタジアムはいらない」とあります。そもそも2020年まで天災と原発事故をやり過ごし、経済危機を乗り越えて存在しているでしょうか。極めて怪しいですね。偶然書店で手に取って読みました。彼の文章を読むと、建築は現世の権力に奉仕するものではなく、想像力の王国を作るものだと思わされます。建築にそれほど興味のない人でも、読めます。いや、いつのまにか引き込まれているでしょう。
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難関中高一貫校で学び、東大に合格しても、それはもはや知性のバロメーターではありません。この本に書かれていることが真実だと見破れることこそが本物の知性です。ニセの知性は既得権益を守るためにはどんな屁理屈でもひねり出します。おまえは何も知らないと言って他人を見下し、金と権力におもねるのです。ニセの知性は理想の灯を掲げることができません。「脳内お花畑」などという幼稚な言葉を使って揶揄するしかないのです。彼らの決まり文句は、他国が攻めてきたらどうするのかという、それこそ「脳内お花畑」的なものです。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とは、まさに至言です。
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烏賀陽弘道
私の元塾生の縁でお会いしたことのある烏賀陽弘道氏の渾身のレポート。事実を丹念に調べ上げ(これがジャーナリストの本来やることです)事実をして語らしめることのできる稀有なジャーナリスト。この本を読まずに福島第一原発の事故の本質に迫ることはできない。ダブル選挙の前に一人でも多くの国民が読むことを期待します。
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松岡正剛氏の本はどれも面白く、シリーズの千夜千冊を除けばほとんど読んでいます。『多読術』は、高校生にぜひ勧めたいと思います。高校時代に、この本を読んでおくと、さまざまな分野の知的見取り図を手に入れることができます。学校の授業だけではなく、この本を手掛かりにして知の荒野に歩みを進めてほしいと思います。
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カント
安倍首相は「この道しかない」と言って消費税を上げ、集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定をし、公約とは正反対のTPPを批准することで、日本の文化=アイデンティティーを破壊しようとしています。

もし私たちが生き延びたければ、そのヒントがこの本の中に書かれています。日本は超大国の「夢」を代弁するだけの国になってはなりません。
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山本 太郎
山本氏の国会での質問を、本になって改めて読み直して感じることは、文字通り「みんなが聞きたい」質問をしてくれたということです。安倍首相が小学生に「なぜ政治家になったのですか」と質問された時、「父親も祖父も政治家をしていたからです」と答えていました。小学生相手に、何と言う悲しい答えでしょうか。語るべき理想を持たない政治家など、所詮は官僚に利用されるだけです。それに対して、山本氏には語るべき理想がある。「政治なんてそんなものさ」というリアリストが発散する腐臭を吹き飛ばすさわやかさがある。それは、彼の身体には収まりきれない理想が持つ力そのものです。彼は言います。「力を貸してほしい。少なくとも、あなたが必要だと思われる社会、私が必要だと思われる社会を作っていきたい。そう思うんです」と。日本の総理大臣にふさわしいのはどちらでしょうか。
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転換期の日本へ―「パックス・アメリカーナ」か「パックス・アジア」か (NHK出版新書 423)
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ジョン・W・ダワー,ガバン・マコーマック
おそらく、日本人自身よりも海外の知識人のほうが、日本の問題を正確にとらえていると思わせる本です。読み終えて何気なくテレビを見たら、わが大分県選出の国会議員、岩屋毅氏と江藤晟一氏が、2016年ミスユニバース大分県代表を選ぶ催し物に出ていました。名誉顧問だそうです。いかがわしい宗教団体をバックに票を稼ぐだけでは飽き足らず、こんな大会に顔を出して名前を売ろうとする。大分市長の佐藤樹一郎氏も出席していました。このお三方は、こんなことをするために国会議員や市長になったのでしょうか。国民の税金を使ってやることといえば、テレビに出演してにやけた顔をさらすことでしょうか。もう物事の軽重が全く分かっていません。せめてこの本くらい読んではどうでしょうか。私はこの本に書かれていることの大部分に賛成です。
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渡邉 格
2年半ほど前に求めて、一気に読みました。マルクスの『資本論』の中に書かれていることを、著者が自分なりに消化し実践していく過程が書かれているので、一種のドキュメンタリー文学として読めます。きっと著者と同じ思いの若者は全国にたくさんいると思います。かけがえのない一回きりの人生を、充実して生きたいと思っている人に勇気を与える本です。
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もう何と言うか、別世界を生きている人間です。彼の発する言葉は文学とは無縁です。人間が言葉を持ったのは、言葉にしがたいものを言葉にしようとするためです。政治家が発する言葉の軽さと言ったらありません。それだけ現実も軽いものになったということでしょう。
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鈴木大拙の言わんとすることが、ようやくわかりかけてきました。年齢を重ね、日本文化の基底にあるものをじっくり味わうことで開示される世界があるのです。日々の生活に追われていては、この本を読み、味わう暇などないでしょうが、それだからこそ手に取ってみてはいかがでしょう。
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人間は、条件次第で、喜々として殺人を犯す。そして、その条件を整備しつつあるのが、安倍政権とその背後でうごめく『日本会議』である。このことに気づいていても、「配慮する」ことを最優先して報道しないメディア(特にNHK・読売新聞・産経新聞)。そしてそこに寄生する学者やコメンテーター、芸能人。このドキュメンタリー映画は、彼らの自画像である。たまには、自らの顔をじっくり眺めてみるがよい。
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私が長年考えてきた問題を解明するヒントになりました。ブログで書いたように、まず感情を基にした結論があって、それを正当化するために人は「知性」を動員するという、ごく当たり前のことが書かれている。つまり、知の粉飾決算報告書である。
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食う寝る遊ぶ 小屋暮らし (JUGEMレビュー »)
中村 好文
中村さんの著作の中では、個人的に最も好きな本です。読んでいるだけで楽しくなります。限りなく優しい、でも、痛烈な文明批評です。これからの生き方のヒントが満載です。それを一人でも多くの人と分かち合いたいと思い、中村好文論・その3の中で引用させていただきました。
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暮らしを旅する
暮らしを旅する (JUGEMレビュー »)
中村 好文
以下は私がアマゾンのレビューに投稿したものです。再録します。
「もし人に幸福な生き方があるとしたら、中村好文さんのような生き方だろうと、ずっと思ってきました。
建築雑誌をパラパラとめくりながら、ふむ、と思って手が止まると、そこには必ずと言っていいほど中村さんの設計した住宅がありました。
文は人なりと言いますが、その人の書く文章のエッセンスがこれほど見事に建築にも表現されている例はめったにありません。
建築に限らず、食の分野でも、ことばと実物の乖離がはなはだしい時代に、中村さんの設計した住宅や美術館に出会うと、どこか安心するのですね。
そういうわけで、著者の本はすべて読ませてもらっています。
この本も偶然、年末に本屋さんで手に入れ、装丁やカバーの手触りを楽しみながら読んでいます。
読みながらいつの間にかほのぼのとしている自分を発見します。
一日に一編か二編を過去の記憶をたどるようにして読んでいます。
この本の平明さ、やさしさがどこから来るのか。そんなことを分析するのは野暮というものです。
とにかくこの素敵な小さな本は、旅のお供にどうぞ!とすすめたくなります。」
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原発事故避難訓練は、故郷を捨てる訓練である。
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    ブログを書きながらつくづく思います。何で私ごときが政治について書かなければならないのかと。本来なら、メディアやジャーナリストの仕事のはずです。

     

     

    しかし、今は大手新聞の一面にSMAPのネタが載る時代です。読売新聞は天皇皇后両陛下のフィリピン訪問をベタ記事扱いで小さく報じるだけです。スポーツや芸能ネタが悪いと言っているのではありません。ただ、優先順位が違うのではないか、と思うのです。



    私なら関西電力高浜原発3号機の再稼働を一面トップで報じます。なぜなら私たちの生活と命に直結しているからです。



    関西電力は福井県高浜町の高浜原発3号機(出力87万キロワット)を29日午後5時ごろ、3年11カ月ぶりに稼働させる予定です。ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使う初の「プルサーマル発電」で、万が一事故が起これば、被害は甚大なものになるでしょう。

     

     

    それだけではありません。使用済み核燃料の保管場所もなく、将来の世代に負の遺産を残すだけです。これほど無責任で倫理的に腐敗しきった体制から利益を吸い上げているのは歴代自民党と安倍政権、電力会社、官僚、そしてマスメディアです。




    規制委は福島第1原発事故の反省を踏まえ、原子力災害対策指針を改定し、避難計画の対象範囲を原発から半径30キロ圏に拡大しました。高浜の30キロ圏には京都府や滋賀県も含まれます。計画は昨年12月に了承されたのですが、広域避難訓練は実施されていないままです。




    しかし、そもそも福島第1原発事故の反省を踏まえるのであれば、再稼働は中止するべきです。以下の動画をご覧ください。

     

    「この動画には年齢制限が設けられている」とは何ごとか。若い人にこそ、心に刻んでほしい動画です。YouTube で見るをクリックしてください。

     

     



    こんな国で、原発の再稼働など許される道理もありません。それが素朴な国民感情であったはずです。にもかかわらず、なぜ原発は「粛々」と再稼働されるのでしょうか。その理由を考えてみたいと思います。



     
    憲法は、国民が政府を拘束するために政府に課した命令です。これが憲法の最も重要な機能であり、国民が共有すべき最低限の理解です。

     

     

    しかし、現行憲法を「みっともない」として、その機能を無視し、自らをこの憲法秩序の外に置く総理大臣が今この国のトップに立っています。安保法制について、「国民の皆様にご理解をいただけるように説明を尽くす所存」だとか、憲法9条の範囲内だとか言っても、議論がかみ合わないのは、よって立つ憲法観がまったく異なるからです。


     
    自民党の憲法改正草案を見ると、その底流にあるのは、個人の人権より国家の都合を優先させる、つまり、憲法とは国家が個人を拘束するための命令書であるとの発想です。


     
    この発想は、彼らにとって「都合の悪いことはなかったことにしたい」という一貫した行動原理となってあらわれます。彼らを資金面で全面的にバックアップし、マスメディアに対して絶大な権力を振るってきた東京電力が起こした福島第1原発事故は、「なかったことにしたい」ものの筆頭でしょう。安倍政権が続く以上、原発は「粛々」と再稼働されます。そして、そのアリバイ作りとして避難訓練と称するものが行われるのです。


     
    しかも、避難計画は自治体に丸投げで、国と電力会社は責任を負いません。わが大分県でも先日、愛媛県の伊方原発が事故を起こした時のことを想定して、避難民の受け入れ訓練を行いました。フェリーで避難してきたお年寄りは、計画に疑問を投げかけていました。


     
    そこで私なりに、避難計画が前提としている状況を考えてみました。以下を読めば避難計画がいかに形だけのものであり、眉唾物であるかが分かるはずです。


     
    1:運良く、自分の住んでいる地域にセシウム、ストロンチウム、放射性ヨウ素、プルトニウムなどの放射性物質が降ってくる前に、つまり初期被曝をする前に、原発事故の情報が届くこと(ほとんど想像できない。電力会社は情報を隠すことはあっても、早めに出すなどということはない)。


     
    2:天気が良くて、海も静かであること。つまり、絶好の行楽日和であること(台風が接近していたり、豪雨や雪が降ったりしていないこと。どうやら事故は日中に起こるものであり、寒い夜に事故が起こることは決してないと想定しているようです。)


     
    3:寝たきりや病気のお年寄りがどこに何人いるかを常に正確に把握していること。いざという時、そういった住民の元へ駆けつける人員が常に確保され、医療機器が常備されていること。



    4:住民を乗せるタクシーやバスの運転手が被曝を恐れず、事故の中心地に向かうこと。


     
    5:地震で港や道路が破損しておらず、車は渋滞することなくスムーズに流れ、フェリーも普段通り運航できること。


     
    6:何より、住民全員が自分のことは後回しで、他人の命を助けるために自分の命を投げ捨てる覚悟ができていること。



    つまり、避難訓練は真冬の深夜、豪雪の中を、接近する津波を想定して、寸断され土砂で埋まった道を、病人やお年寄りを乗せて行わなければ、単なるお遊びでありセレモニーです。


     
    以上のことから、避難訓練はアリバイ作りだということがわかると思います。原発事故が起これば、自分の故郷へは二度と戻れません。戻れたとしても、被曝を覚悟して、劣化した環境で残酷な被曝を強いられる生活になるということです。つまり、
    避難訓練は故郷を捨てる訓練なのです。これが本質です。



    にもかかわらず避難訓練をするのは、一般の国民に「ああやって逃げればいいんだ」と、マスコミを通じてあたかも避難が可能だと思いこませることが目的です原発推進派は、住民に、半ば強制的に避難訓練をさせることで、故郷を捨てる予行練習をさせているのです。つまり、「故郷を捨てることに慣れさせる」「もうそうなったらしょうがないね」というあきらめの思考回路を作っているのです。しかし、それは永遠に返ってこない故郷と引き換えです。



    万が一、死を免れたとしても、被曝した体で生き続けなければなりません。故郷と仕事を失って、この先どうやって生きて行けというのでしょうか。この期に及んで原発を再稼働する理由など何一つありません。

     

     

    | 原発 | 17:10 | comments(0) | - |
    日本の総理大臣にもっともふさわしい人物は誰か
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      日本の総理大臣にもっともふさわしい人物は誰か?今回はこの問いに端的に答えてみたいと思います。

      自分にとって不利な質問をされると、「枝葉末節な議論はやめようじゃありませんか」と、もっともらしい屁理屈で逃げる安倍首相。しかも一度や二度ではありません。窮地に陥った時に彼が使う巧妙で詐欺的なセリフです。なぜなら、枝葉末節でない、本質的で根源的な議論ならできるということを暗示しているからです。これを強がり、負け惜しみというのです。

       

      では、枝葉末節ではない、誰もが抱く素朴な疑問(中学生や、高校生にもわかるという意味ですが)に安倍首相は答えられるのでしょうか。答えは断じてノーです。誰もが抱く素朴な疑問に答えるためには、歴史に対する深い洞察力と事実に謙虚に向き合う姿勢を保持していなければならないからです。安倍首相はこの二つを決定的に欠いています。

      私は大げさな物言いが生理的に苦手なのですが、経済・軍事の両面で安倍政権に殺されたくなければ、この本を読むべきだと思います。★★★★★


       

      具体的な証拠をお見せしましょう。以下の質問に対して、安倍首相は全く答えられなかったのです。平成27年、第189回国会における、参議院「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」で発せられた問いです。
       

      その1:弾道ミサイルの脅威をあおり、戦争法の制定を急いでおきながら、一方で原子炉近くにミサイルが着弾することを想定していない首相に「総理、国民の生命、財産、幸福追求の権利を本気で守る気、あるんですか?」と問いかけた時。

      その2:イラクにおける「国連その他の人道復興支援及び物資の輸送」を目的に派遣した航空自衛隊が米軍の攻撃部隊を送迎していたこと、さらにその米軍が民間人を殺戮した事実について、当時小泉政権の要人であった首相に「当時、アメリカに『民間人の殺戮やめろ』と言えたんですか?この先、『やめろ』と言えるんですか?」と問いかけた時。

      その3:アーミテージ・ナイ・リポートに書かれてあるように、
      戦争法案がアメリカの要請に応えたものであることは公知の事実であるにもかかわらず、永田町では誰もそのことを言わない。そこで「憲法を踏みにじり、国民生活を破壊してでもアメリカの要請に全力で取り組もうとするのはなぜですか?」と問いかけた時。
       

      もちろんこの本質的な問いを発したのは参議院議員の山本太郎氏です。私は感動して、その時の模様をブログにアップしました。
      http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=26


      今回この記事を書こうと思ったのは、山本太郎氏の『みんなが聞きたい安倍総理への質問』を読んだからです。大げさなことは言いたくありませんが、沖縄県知事である翁長雄志氏の著書『戦う民意』と合わせて、国民必読の書だと思います。

      日本の総理大臣にもっともふさわしい人物は誰か?」という問いの答えはもうおわかりでしょう。現在の政治家の中で命をかけて「保守」すべきものを持っている人物は、
      山本太郎氏と翁長雄志氏の二人を置いて他に見当たりません。安倍首相は、立憲主義も法の支配も理解できず、現行憲法を「みっともない」と言います。それどころか、総理大臣であれば憲法に拘束されないと思い込んでいます。自分の意に沿わないことであれば、歴史上の事実ですら「なかったことにしよう」と目論む、人格が空洞化した政治家には総理大臣の資格はありません。

      | 政治 | 22:24 | comments(0) | - |
      小さな世界で生きる幸福 ― ドラマ 『鴨川食堂』
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        私は塾教師という職業柄、夜のテレビをみることはめったにありません。それでもたまに見る機会があると、うんざりします。パンとサーカスを与えておけば、国民は愚民化するというのは本当です。お笑いと芸能人のトーク、クイズ番組を始めとして何一つ面白いものはありません。余りに見え透いているのです。こんな番組を見て、ゲラゲラ笑ったり感心したりするようになれば、私の人生もそろそろ終わりだと自覚しています。


         

        それにしても、国会の質疑でSMAPの解散について質問する議員も議員なら、「解散せずによかった」と答える総理も総理です。この国の政治はいつの間にか幼稚園の学芸会のレベルにまで落ちたようです。国会議員の愚民化も着々と進行しているのです。国民は、犯罪者の寄り合い所帯である安倍内閣と芸能界の区別がついていないのかもしれません。


         

        そんな中、私がただ一つ楽しみにしているテレビドラマがあります。NHKBSプレミアム、毎週日曜 午後10:00から放送の『鴨川食堂』です。原作は柏井壽氏の「鴨川食堂」。演出は佐藤幹夫油谷誠至の両氏。もっとも、私が楽しみにしている理由の一つは看板娘・鴨川こいし役を演じる忽那汐里のファンだからです。

         

        忽那汐里(くつなしおり)さん

        萩原健一 | NHK人物録 | NHKアーカイブス

         

        (あらすじ)
        「思い出の食、捜します」―― その一行広告を頼りにたどり着ける看板ものれんもない「鴨川食堂」。
        京都の東本願寺近くにひっそりと建つその食堂へやってくるのは、悩みを抱えた現代の人々。仕事、家族、人生、恋、人間関係…。悩みは千差万別だが、看板娘・鴨川こいし(忽那汐里)は客の悩みを真摯(しんし)に受け止め、父・鴨川流(萩原健一)は元刑事の勘と洞察力を駆使し、客の本当に望む食は何かを突きとめ、一流の京料理人として腕をふるって食事を再現する。“こいし”と“流”の努力の結晶である「思い出の食」を口にすることで、客は、生きる勇気、人生の喜びを見つけて鴨川食堂を後にする…。(NHKオンラインより)


         

        昭和を思い出させる人情ものとして人気が出ているようですが、私は全く違う見方をしています。このドラマはとても新しい。私たちに生きるヒントを与えてくれます。当ブログで何度も言及してきた、感情の劣化をくい止めるにはどうすればいいのか、という問いに対する答えがここにあるからです。


         

        SNS全盛の時代にあって、私たちの意識はどこまでも拡散しています。その結果私たちは世界中の人とネットワークを通じて繋がっているという感覚を持つようになります。しかしそれはあくまで可能性であり、錯覚なのです。SNSを通じて政治の世界も変えられる、というのも錯覚でしょう。SNSこそは大衆を一つの方向に導く最強の武器なのですから。しかしその話はまた後日。


         

        例えば、車を運転していて故障車らしきものを発見したとします。そばには困った顔をした人が立っています。私たちはどうするでしょう。スマホのGPSで現在地を知らせてJASを呼ぶだろうと考えて、そのまま通り過ぎるのではないでしょうか。この時私たちは3つの可能性を排除しています。その人がスマホを待っていない可能性、GPSを使いこなせない可能性、JASに加入していない可能性です。一昔前なら、車を止めて駆け寄り、手助けした人もいたに違いありません。


         

        あるいは、病気の時にそばにいて食事を作り、心から心配してくれる人は、可能性としてのバーチャル空間の中にはいません。カフェの小さなテーブルをはさんで昔話に花を咲かせたり、相手の目の中に落胆や失望の色を読みとったり、思いを告白する人は、生身の身体をもった具体的な人間でなければなりません。


         

        何が言いたいのかと言うと、意識は拡散しても、人間は具体的な場所で具体的な人間を相手に生きるしかないということです。感情を劣化させないためには、このことを肝に銘じておく必要があります。ゲーテの「幸せになりたかったら、小さな世界で生きなさい」ということばは、この真実を表したものだと私は解釈しています。


         

        「鴨川食堂」には看板もありません。探すのに苦労します。しかし、その思いが強ければ、たどり着けるはずだという確信が鴨川親子にはあります。広告宣伝が万能な時代に、謎かけのような広告を出し、店を探す苦労をさせることによって相手の思いの確かさを確認する。これは、勝手気ままな消費者の期待には添えないことを宣言しているのです。消費者こそが主権者であり王様だという発想では、決してたどりつけない世界があることを、このドラマは教えてくれます。


         

        最後に、費用はどうすればよいか尋ねる客に、「代金は、あなた様の気持ちに見合った額をお振り込み下さい」と答える。つまり市場原理万能主義者とは対極にある価値をこのドラマは創出しているのです。



        以上述べてきたことは

         

        未来塾通信46:私はどんな塾教師をめざし、どんな塾教師になったか
        http://www.segmirai.jp/essay_library/essay046.html

         

        の中でも触れています。
         

        小難しい理屈は別にして、このドラマを見る最大の楽しみは、忽那汐里の可愛らしい笑顔にあるということを正直に告白しておきます(笑)

         

        | 人生 | 14:54 | comments(0) | - |
        天才少女の発明がカエルをU字溝から救う!
        0

          閑話休題

          政治ネタばかりで、私が書きたい記事が書けません。でも、ネットで何だかほのぼのとして、しかも感動する記事を見つけました。私がこどもたちに身につけてもらいたいと思っている発想や行動力が、小学校6年生の村田結菜ちゃんによって、生き生きと、しかも、いかんなく発揮されています。

           

          この記事を読むと、自然観察指導員の田原さんの存在が大きいですね。子供の好奇心に寄り添い、決して出しゃばらず、同じ目線で考える。それにしても、結菜ちゃんの観察力には脱帽です。

           

          子育ての極意は、子供をじっくり観察することです。観察し、待つ。子供を鋳型にはめるのではなく、育ち行くものを育てる、という姿勢こそが親子ともども幸福になる秘訣ではないでしょうか。都会のタワーマンションで暮らす子供たちは気の毒です。やっぱり子供は自然の中で生活して賢くなるのです。以下の記事をどうぞご覧になってください。

          http://dot.asahi.com/dot/2015050800037.html

          | この人を見よ! | 10:42 | comments(0) | - |
          集団的自衛権を支持する者は徴兵制を容認しなくてはならない。
          0
            現代ビジネス 「ニュースの深層」(1月15日)で東京新聞・中日新聞の論説副主幹である 長谷川 幸洋氏が「中国バブル崩壊の予兆!これで「衆参ダブル選」の可能性がますます高まった」と題してコラムを書いています。

            「衆参ダブル選」を既定路線のように論じ、それを早くから指摘していたのは自分だと自慢しているのです。こんなことを自慢の種にするのなら中国経済が崩壊した後の日本及び世界の経済・社会を詳細に論じてみてはどうでしょうか。

            東京新聞は全体として素晴らしい記事を載せる数少ない新聞社ですが、長谷川 幸洋氏のように頻繁に安倍首相と会食を重ね、政権べったりのスポークスマンになっている人物もいます。

            その
            コラムの最後の箇所

            ―   最後に一言。左翼陣営には「安倍政権は反知性主義」といったキャンペーンがあるようだ。私は「野党こそが反知性主義」であると思う。野党は総じて経済学の基本に基づいた経済政策を知らず、国際関係論の基本に基づいた外交・安全保障論を知らないからだ。

            大学院レベルとまでは言わないが、せめて大学高学年レベルくらいの経済学や国際関係論は勉強したらどうか。そうでなければ世界で相手にされない。「集団的自衛権を容認する日本が徴兵制になる」などというトンデモ論を唱えているようでは、もちろん政権復帰は程遠い。 ―


            彼は一体誰を相手に論じているのでしょうか。「総じて」「左翼陣営」は「経済学や国際関係論の基本」を知らない無知な連中であり、「世界で相手にされない」「トンデモ論」を吐く連中だという印象操作をしているだけです。こんな浮ついた文章は、権力迎合趣味を自分の生き方にしている人物でなければ書けません。


            ちなみに、氏は
            「経済学や国際関係論の基本」を勉強すれば、自動的に自分と同じ結論になるはずだと考えているのでしょう。経済学や国際関係論は、数学のような学問とは違って、どんな結論でも導き出せる代物です。論者の属する「陣営」の既得権益を守ろうとする意図によって大きく左右されます。従って、「もっと経済学や国際関係論を勉強すべきだ」という言説は、レベルの低い単なるプロパガンダだと考えるべきです。


            こんな人物を相手にするのは、バカバカしい限りですが、「集団的自衛権を容認する日本が徴兵制になる」と考えることが「トンデモ論」かどうか、検証してみたいと思います。


            そもそも、 集団的自衛権が必要だとする論理の根底には、アメリカが作った平和にただ乗りするべきではないという考えがあります。簡単に言えば、日本に危害を加える恐れのある国とアメリカが戦っている時に、指をくわえて見ているだけでいいのか、というわけです。もっともな理屈ですね。


            しかし、長谷川氏のプロパガンダに騙されなければ、つまり論理的に考えればということですが、集団的自衛権を支持する者は徴兵制を容認しなくてはなりません。


            なぜか。集団的自衛権に妥当な根拠があるとすれば、上で述べたように、誰も平和の「フリーライダー」になるべきではない、ということにあります。憲法9条を「みっともない」と言う安倍首相もこのことは認めるはずです。しかし、徴兵制を拒否するならば、この論理は破綻します。つまり、自分が兵士として戦場に行く可能性が出るのは嫌だと言うのであれば、つまるところ、誰か別の人が − たとえば自衛隊が − 作った平和にただ乗りさせろ、と叫ぶことになるからです。かくして、集団的自衛権に賛成する者は、徴兵制を喜んで受け入れなくてはなりません。


            ベトナム戦争で反戦運動が急激に盛り上がったのは、途中から徴兵制が強化され、多数派である中産階級の子弟が戦場に行く可能性が高まってきたころからです。しかし、彼らも、自分や自分のこどもたちが戦場に送られる可能性が低い時には、ベトナム戦争に賛成していたのです。


            しかし、現在、日本で集団的自衛権に賛成している人々のほとんどが、徴兵制に反対しています。これは矛盾であり、欺瞞です。政府は現代の戦争は高度な専門性を必要とするので、徴兵制はありえないと述べていますが、これは屁理屈というものです。現に、「経済的徴兵制」が着々と準備されています。


            さて長くなるのでやめますが、長谷川 幸洋氏にこの論理が理解できるでしょうか。無理でしょうね。なぜなら、氏にとっては「トンデモ論」なのですから。ざっと見渡したところ、この論理を理解しているメディア関係者や政治家はいません。いや、論理的に考えればそうなると思っている人はいるでしょうが、それを表明できないのです。私は徴兵制には断固反対です。つまり、集団的自衛権を容認することはできません。では、いかなる論理で反対を貫けるのか。それは次回のブログに譲ります。

             
            | 政治 | 12:38 | comments(0) | - |
            日本の政治家 VS 蔡英文(台湾総統)氏
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              安倍晋三首相は18日午前の参院予算委員会で、台湾総統選で中国と距離を置く民主進歩党の蔡英文主席が勝利したことについて「台湾は日本の古くからの友人だ。自由な言論のうえに、選挙でリーダーを決める総統選挙は台湾の自由と民主主義の証と考える。蔡英文氏の勝利に対し、心から祝意を表明したい」と述べた。その上で「今後、日本と台湾の協力、人的交流がさらに進んでいくことを期待する」と語った。(産経ニュースより)


              日本の一部勢力(ネトウヨ)は、反中が台湾のトップになったと喜んでいます。安倍首相とその取り巻きも同じ認識でしょう。しかし、肝心なことを忘れています。蔡英文氏は、2012年(福島の原発事故の後)総統選に立候補して以来、2025年までに原発全廃を目指す目標を表明し、民進党結党以来の党是の一つである「脱原発」を鮮明に打ち出していることです。そして、それを熱烈に支持する若者と国民がいるということです。原発推進の安倍政権にとって、親日の隣国で、正論を曲げない人材、しかも女性が総統になったという事実は、「心から祝意を表明したい」ことなのでしょうか。


              しかし、蔡英文氏のここまでの道のりは平坦ではありませんでした。彼女は2010年、台北市に隣接する重要な巨大自治体である、新北市の初代市長選挙で、今回のライバルである国民党の朱立倫氏に破れて市長の座を逃しています。

              さらに2012年、四年前の総統選挙は、国民党の現職の馬英九氏に破れて、一時民進党主席を辞任しているのです。

              しかし、彼女はアメリカのコーネル大学で修士、イギリスのロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの法学博士号を有する知性に加えて、生半可ではない強い意志の持ち主です。その思考は『英派』と題された最新の著作の中でもいかんなく発揮されています。前の選挙に破れた後、なぜ破れたのか、そこから立ち直るためには、どう考え、何を変えていけばよいのかという深い内省がめぐらされ、その結果として新たな道筋を示しているのです。

              彼女は、著作で次の点を指摘しています。

              1:日本の原発事故以降、台湾での原発建設が大きな問題となり、国民が最も関心を持ち、議論している話題となっていること。

              2:その結果、社会は大きく動き始め、民衆の多くが反核・反原発になっていること。これは特別に注目すべき全く新しい現象であること。

              3:彼女も中心的に参加した、2015年3月の反核イベントに多くの人が賛同し参加したこと。遅くとも、2025年には、原発を全廃すること。

              こういった著作が、現在の日本の政治家に書けるかといえば、絶望的なほどに不可能でしょう。いや、政治家のみならず、国民自らがそうした政治家を作ろうとしていません。現在の台湾の民主主義のレベルは日本を大きく上回っています。そうでなければ、「脱原発」を鮮明に打ち出している党が、ほぼダブルスコアで圧勝するはずはありません。

              実現すべき理想を高々と掲げた女性政治家が、その国のトップとなったのが台湾であるという事実を私たちは心に刻まなければなりません。「政治家のレベルは国民のレベルである」という命題がここでもあてはまります。参考までに彼女の思考がたどれるHPを挙げておきます。
              http://thinking-taiwan.com/

               
              | 政治 | 15:14 | comments(0) | - |
              2016年の日本
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                元通産官僚で日本中枢の崩壊』『原発の倫理学』『官僚の責任』等の著者である古賀茂明氏が「安倍政権のシャレにならない「アメとムチ」 ・7月の選挙後には悪夢のような「現実」が待っている!」と題して2016年の展望を語っています。

                古賀氏といえば、『まともな思考ができない災厄の犬たち』
                http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=54で取り上げた同業者である大分市春日町のY田ゼミ塾長氏を思い出します。(ブログ上で「古賀茂明!お前の顔を見ると吐き気がするんだよ!ハゲ!」原発は必要だ!」「尖閣諸島にやってくる中国人を射殺せよ!」に始まり「南沙諸島の中国の基地をアメリカに爆撃してほしい!」「安倍さんは偉い!」と叫んでいましたが、元気で仕事に励んでいるでしょうか。)

                以下は古賀氏の新年の挨拶です。

                謹賀新年。今年はどんな年になるだろうか。
                考えをめぐらすうちに、思いついたのが「先憂後楽」という言葉だ。元々は、民が憂える前にまず為政者が心配し、民が幸せになって楽しんでいるのを見て初めて為政者が喜ぶという政治のあり方を示すことわざだった。今は「苦あれば楽あり」に近い意味で使われることも多い。


                この1年はこのことわざとは全く逆になる可能性が高い。 昨秋から年末にかけて続いた、怒濤のような「バラマキ」政策の決定。'15年度補正予算、'16年度本予算と税制改正などにちりばめられた「アメ」 の数々。低所得の年金受給者へは1人3万円の現金給付。財源無視で軽減税率を加工食品まで広げて1兆円。企業には法人税実効税率を30%を切る水準に下げ る。農家には、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)対策で補助金を大盤振る舞いだ。 官僚の給料もボーナスも上がる。補正と本予算合わせて100兆円という気の遠くなるような金額である。


                補正予算が実際に使われるのは春頃から。本予算は6月頃から本格的に執行される。全ては、7月の参議院選挙、そして、同日または秋にも行われるという衆議院選挙のため。絶妙のタイミングだ。直前には、日銀の想定外の大規模緩和、あるいはその他の政策も含め株価対策が実施されるのも確実だろう。


                一方、あれだけ急いで無理やり通した安保法関連の動きは、南スーダンのPKO部隊への駆けつけ警護などの新たな任務追加、南シナ海の米軍による警戒監視活動への協力などを含め封印される。 「野党は、すぐにも戦争が始まると言っていましたが、あれは嘘。心配は無用です」と政府に言われ、国民は、「大騒ぎしすぎたな。これで安心した」と 胸を撫でおろす。また、憲法改正の話も抑制される。ヘルメットをかぶって戦車に乗った安倍晋三総理が、今は猫の着ぐるみをかぶって、「猫かぶり」という図だ。


                しかし、参議院と衆議院の選挙が終われば、怒濤のような「ムチの政策」が始まるはずだ。軽減税率の財源のために年末の予算・税制で、70歳以上の高齢者の医療費負担引き上げ、配偶者控除廃止などが決まり、年金の支給開始年齢引き上げ、さらには、消費税15%への引き上げの議論も始まるだろう。株価対策も打ち止め。市場に失望感が出れば、株が下がる可能性は高い。


                一方、安保関連では、選挙後に南スーダン、南シナ海での活動が一気に実施される。中東の対IS戦争にも有志国連合の一員として、何らかの自衛隊関与の道を開き、日本中、いつどこでテロが起きてもおかしくない状況が生まれる。街中には警察官が溢れる光景を目にするかもしれない。衆・参両院で3分の2を確保すれば、憲法改正の議論も一気に本格化する。


                そこまで行けば、国民は夢から覚めるが、時すでに遅し。3年後まで選挙はなく、安倍総理のやりたい放題。将来のことを考えると夜も眠れない。声を上げても民意は無視される。まさに憂いの日々である。 この一年を一言で表せば、「先楽後憂」。正月早々縁起でもないが、悲しいかな、それが現実だ。この予想がはずれることを心から祈りたい。
                (『週刊現代』2016年1月16・23日号より)
                 



                 
                | 政治 | 21:44 | comments(0) | - |
                新しい生き方のヒント−静かな革命。
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                  『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』(講談社)を読んだのは2年半前。原発事故後の世界をどう生きるか考えていたときに出会った本です。折に触れて周囲の人に勧めてきました。著者は渡辺格(いたる)さん。鳥取県八頭郡智頭町にあるパン屋「タルマーリー」の店主です。詳細はぜひ本をお読みください。

                   



                  上記の本の中の写真。岡山県真庭市にて。現在は鳥取県智頭町に移っています。苦労はあっても、生き生きとした表情の「静かなる革命戦士」の面々。






                  ところで、昨年12月11日のブログ、「批判的知性はいかにして失われたか−教育産業の役割」の中で次のように述べました。「教育が受験教育に収斂し、その結果、自分の子どもが偏差値の線型の序列性のどこに位置しているかで、教育の成果が測られるようになった。そこで要求されるのは、受験に役立つ知識を整理・分類して番号を振り、確実に取り出せるようにその収納場所を覚えておく能力、すなわち高速事務処理能力と記憶力だ」と。

                   



                  しかし、この種の能力には致命的な欠点があります。あることについての知識を次から次に取り出すことができても、個人としての生き方に結びつく切実さに欠けているという点です。内発性を無視して、ただ受験を突破するために覚えた知識は、せいぜいテレビのクイズ番組で正解を出すのに役立つ程度です。この種の知識は、貯めれば貯めるほど私たちの精神を縛り、委縮させるのです。

                   



                  本を読んでいて引き込まれる瞬間は、著者の生き方がはっきりと焦点を結んでいるときです。生きるために必要とした知識であれば、こちらに伝わってきます。それは一個の人格が社会と格闘し、苦労する中で身に付けた知識だからです。『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』は、このことをはっきりと証明しています。学力ということばが、文字通り学ぶ力を意味するのであれば、渡辺格(いたる)さんは非常に高い学力の持ち主です。そしてその力を使って「静かな革命」を実践しています。以下は朝日新聞のインタビュー記事です(2016・1・7)。

                   



                  引用開始

                   ― 31歳まで勤めていた有機野菜販売会社では「産地偽装」が当たり前でした。利益至上主義から離れ、手に職をつけようと飛び込んだパン工房では連日、15時間働きました。都会では、給料と引き換えに自分の時間を売り渡し、お金に縛られたまま一生を終えるのか。資本主義というシステムの袋小路で、ほかの選択肢も見つからないままもがいていました。 抜け出す手がかりを教えてくれたのが、パンの発酵に必要な菌でした。



                   人工的に培養されたイースト菌は、本来なら腐って土にかえるものでも無理やり食べものにしてしまいます。添加物や農薬も使い、腐らない食べものが大量に生産されることで値段が下がり、作り手の技術や喜びも奪われる。効率化が負のサイクルを生んでしまうのです。


                   
                   腐らないと言えば、お金もそうです。株取引や投資などで、実体がないのに殖えていく。世の矛盾を生み出しているのは、自然の摂理と逆行する「腐らない経済」なのではないか。そう思うようになったんです。



                   銀行から金を借りるのではなく、自然から菌を借り、天然の菌の見えざる手に委ねて生きてみよう。そう決めたのは2008年のこと。「菌本位制」と名づけ、働くことで身も心も豊かになる道を探り始めました。



                   使うのは天然の菌だけ。菌は、人間の都合にかまわず腐敗したり、発酵したり。無肥料無農薬で育てた米ならうまく発酵するとわかり、成功するまでに3年かかりました。ただ、手間も暇もかかる分、試行錯誤を重ねて技術を高める自由がありました。

                   


                   
                   天然の菌を使った風変わりなパン屋を始めて8年。千葉県いすみ市、岡山県真庭市を経て、昨年5月に鳥取県智頭町に移りました。使われなくなった保育園を改修したパン屋兼カフェには、韓国や台湾からもお客さんが来ます。


                   
                   地元で自然栽培された麦芽でビールを造り、その過程で出る澱(おり)から取った酵母でパンやピザを作り、地元の野菜を使った料理を出す。窯には山から切り出した薪をくべる。山が汚れれば水も汚れ、パンやビールの味も落ちるため、地域経済を回しながら自然環境も守る。そんな循環を作りつつあります。



                   店ではスタッフ4人とアルバイトを雇い、夫婦でフル回転。それでも、冬の1カ月間は店を閉じます。家族と過ごしたり、じっくりモノを考えたり。いい商品を生み出すには休養も必要だからです。



                   自分が満たされて働くことと、暮らしている地域が豊かになること。二つが重なり合うところに幸せがある。それを可能にするのは循環。自称「菌遊(きんゆう)系」がたどりついた答えは田舎にありました。―

                   


                   

                  | 人生 | 13:38 | comments(0) | - |
                  俳人、照井翠の句
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                    もうすぐ5年目の3・11がめぐってきます。あの日はしんしんと雪が降る寒い日でした。津波が去った後、原発周辺で瀕死の重傷を負って瓦礫の下で救いを待っていた人もいたに違いありません。しかし、原発事故のために救助隊は近寄れませんでした。事情を知らず、見捨てられたと思って死んで行った人の無念さを思います。以来、私の心は自粛どころか、一部が凍りついたままで、言いようのない怒りがこみ上げてくることをどうしようもありません。浸水域に残った無数の建物の土台はそのまますべてが墓碑です。
                     

                    ● 春の星こんなに人が死んだのか
                     

                    釜石で災害を体験した俳人照井翠の句です。春の空を見上げ、満天の星を一つ残らず死者と見て嘆いています。哀切の思いは深く、崩れ落ちそうになるこころを俳句にして支えています。以下は同じ作者の句です。
                     

                    ● もう何処に立ちても見ゆる春の海
                     

                    やがて盛夏。ホタルが舞う季節になります。震災で身内や親しい人を亡くした人にとっては、ホタルは亡き人の魂です。

                    ● 初蛍やうやく逢ひにきてくれた
                     

                    ● 廃屋の影そのままに移る月
                     

                    そして秋。
                     

                    ● 柿ばかり灯れる村となりにけり
                     

                    これが東北の現実です。
                     

                    対米従属を骨の髄までしみ込ませた安倍政権は「粛々と」原発を再稼働させる方針です。そして、去年の8月に九州電力は川内原発を再稼働させました。ところが年の瀬も近くなった12月26日、原子力規制委員会の審査でも設置が前提とされていた免震重要棟の新設計画を撤回しました。免震重要棟は福島第一原発事故の時に対応拠点としての役割を果たした欠くべからざる施設です。もしこの施設がなければ、東日本は無人の荒野と化していたのです。
                     

                    九電は「方針変更は総合的に判断した。費用面も全く無関係ではない」としています。要するに、人の命と金儲けを天秤にかけ、金儲けを選んだのです。「再稼働してしまえばどうにでもなる」という姿勢は倫理的に腐りきった企業であることを宣言したに等しい。規制委幹部は「一度設置すると約束したものをやめるのならば説明が必要だ」として、九電に経緯や機能の説明を求めるそうです。しかし、同じ穴のむじなどうしが口裏を合わせているだけです。政治家も電力会社も、そして国民も、安全神話が支配していた3・11以前のウソのような軽い社会に戻ることを良しとするのでしょうか。

                    | 政治 | 23:21 | comments(0) | - |
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