※動画2本追加しました。
政治家稼業というのはつくづく哀れを催すものですね。もちろん、政治は文化の最高形態だと思っています。しかし、現実の政治権力やそれを批判するのが本分であるべきマスメディアのていたらくを見ていると、政治はその国の国民のレベルを表すという、もう一つの命題のほうが正しいと思わざるをえません。
民進党は一日も早く解党すべきです。そして、自由党の小沢一郎氏と合流し、原発の廃炉を決断できるグループと、連合のご機嫌をうかがい、自民党の別働隊となっているグループにはっきり分かれるべきです。そうでなければ、民進党は座して死を待つのみです。別に民進党が消滅してもかまいませんが、それによってもたらされる政治的混乱が何を生み出すか考えねばなりません。その混乱に乗じて次をうかがっている人間もいるのです。
それにしても、橋下徹の愚かさにはつくづく愛想が尽きました。この男ほど自分が何をしているか分かっていない人間もいません。いや、この男と妙に気の合うバカップルがいました。
しかも、バカップルの取り巻き連中のひどさと言ったらありません。その元締めは、ただ「問題ない」と呪文を唱えるだけで、問題がなくなると考えているようですからね。彼らの口から一度でも整合性のある論理的な日本語が発せられたことがあったでしょうか。
その中には東大法学部から財務省に入って、国民の富を横流しすることを仕事にしている連中もいます。東大法学部で人間性の一切を破壊される教育を受けた結果でしょう。悪の巣窟どころか、わが国の政治は(塚本)幼稚園の運動会並みになってしまったのです。
これまで何度も述べたように、メディアも同罪です。そもそも、森友学園の闇を表舞台に引きずり出したのは、豊中市議の木村真氏でした。そして『日本会議の研究』の著者、菅野完氏だったのです。大手メディアはこの二人のおかげで飯を食っているわけです。その情けなさについては、言及するのもバカバカしいくらいです。 以下の動画をご覧ください。人格攻撃にさらされ続ける菅野完氏がいかにまともな感覚の持ち主か分かるはずです。
もう一人まともな国会議員がいました。わずか3分で、今の政治状況を見事にまとめています。それに対して、原発再稼働にいち早く賛成し、官邸側代理人の山口敬之を、がんばれ!などと応援し、産経新聞が垂れ流した民進党・辻本清美氏に関するガセネタをそのまま信じ込み、拡散させる大分市のY田ゼミ塾長氏に代表されるネトウヨの皆さんもいます。彼らはこの国を分断させる輩です。そのことに気づいてもいないでしょうが・・・。
橋下徹の話にもどります。
2015年7月2日のブログ『感情統治とファシズム』の中で私は次のように指摘しました。http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=10
「橋下徹というヤクザ政治家を支えている二つの原理があります。一つは「民主主義は感情統治」という彼の信念であり、二つ目は「民主主義は多数決」という小学生並みの認識です。嘘の上に嘘を重ね、前言撤回を何とも思わないその無節操ぶりは、彼の信念と認識からすれば当然の結果です。
橋下・松井の悪役コンビは、反自民ではなく自主憲法制定を悲願とする安倍政権の補佐役として利用されているのです。しかし、ここは利用されるふりをして安倍政権の中枢に食い込み、あわよくば総理大臣の椅子を狙おうとするのが、橋下徹というヤクザ政治家のしたたかさです。2020年、東京オリンピックの時の総理大臣は橋下徹という、誰一人予想すらしないグロテスクな結末を、私の妄想だとして笑い飛ばしてほしいものです。」と。
これが私の彼に対する一貫した見方です。そんな折、ツイート魔の彼が珍しく沈黙していると思いきや、米国に飛んで総理大臣になったときの予行演習をしていたのです。
2017年3月28日の日本経済新聞の記事を引用します。
【ワシントン=川合智之】日本維新の会の法律政策顧問を務める橋下徹前大阪市長は27日、首都ワシントンで講演し、日米同盟強化に向けて日本国民の意識を変えるため「米国に強力な外圧をかけてもらいたい」と述べた。トランプ大統領に「『在日米軍の撤退』を言えば日本人は大慌てだ」と呼びかけ、そうした外圧がなければ防衛費拡大や日本の軍事的貢献の拡大は難しいと説明した。
米戦略国際問題研究所(CSIS)での講演で橋下氏は「いまの日本の自衛力、軍事力は非常におそまつだ」と指摘した。その原因は憲法9条による平和教育だとして、外圧による意識改革が必要だとの見方を示した。
「日米首脳会談の共同宣言は茶番劇的なところがある」とも強調。日米首脳が沖縄県・尖閣諸島は日米安全保障条約第5条の適用対象だと確認したことについて「あんな小さな島のために米兵の血を流す覚悟をしているのか」と疑問視し、日米が「お互いに血を流し合うという信頼関係」を構築する必要があると主張した。
学校法人「森友学園」への国有地払い下げ問題では「わずか数億円の国有地売買を巡って日本の国会は大騒ぎになっている」と述べた。(引用以上)
言わずと知れた、米戦略国際問題研究所(CSIS)はジャパンハンドラーズの牙城です。 いったいなぜ今この時期に、この男はワシントンくんだりまで行ってこんな大風呂敷を広げる必要があったのでしょうか。政治の要諦は外交・安全保障だと言いたいのでしょうか。
そんなことは彼にとってはどうでもいいのです。いつものことですが、自分にとって不利な問題が持ち上がった時は、思いっきり大状況を語ることによって、「不利な問題」を極小化する作戦に出たに過ぎません。
もちろん「不利な問題」とは、森友疑獄で自分を含めて松井一郎以下の関与がバレバレになりつつあることを指します。赤字にしたところが大状況ですが、実は彼が一番言いたかったのは青字の部分です。この作戦はバレバレなのですが、本人にしてみたら総理大臣になって外遊しているつもりなのでしょう。これほどこの男のバカさ加減を表すものはありません。
この男は、トランプ大統領にとっても、軍産複合体のジャパンハンドラーズにとっても、双方が納得する理屈を考えて、これ以上ない大風呂敷を広げて見せたのです。そして、ポスト安倍を印象付けようとしたのです。その動機が、森友事件を無かったことにしようというものですから、あきれてものが言えません。
しかし、彼が広げた大風呂敷には穴が開いていました。ジャパンハンドラーズから見ると、この男は「日本の独自核武装か、日米双方が血を流す安全保障か」という二者択一的思考の持ち主だと判断され、いいように利用される可能性があるということです。それが何をもたらすのか。「意図せざる結果」と直面させられるのは、私たち国民であることは言うまでもありません。
ではどうすればいいのか。解決策は意外と簡単です。彼が何を言っても取り合わず、無視し続けることです。一見論争好きのように見えますが、彼との間では論争は成り立ちません。論争しているように見せかけて、実は大衆の劣情に訴えているのです。この点では、彼の右に出るものはいません。なぜなら「民主主義は感情統治」なのですから。
興味のある方は以下の記事も是非お読みください。
『橋下徹は、さっさと政界から引退せよ』 http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=46
『ヤクザの友情−安倍政権の本質』http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=30