早いもので、7月も今日で終わりです。ブログで『高校生のための英文読解』を始めようと思ったのですが、7月の最後の日だということで、心に浮かんでいるよしなしごとを簡単にまとめておこうと思います。
まず今の政権に国が守れるかという問題です。議員会館でさえ10年間入館記録を保存しているのに、「首相官邸」に誰がいつ入ったかさえ全く把握してない(記録さえ保存してないと主張している)政権に国が守れるでしょうか。断言してもいいですが、NOですね。「官邸の最高レベル」の私利私欲のために、文書を破棄・隠蔽するような人間たちに国が守れるはずもありません。
さらに、自衛隊トップの資質の問題です。北朝鮮がミサイルを発射するかもしれないとメディア上でも散々言われていた(実際に7月29日未明、弾道ミサイルは発射されました)にもかかわらず、どさくさにまぎれて、コスプレ防衛相のイヤダ・トモピーこと稲田朋美氏はタイミングよく?辞任しました。
なんという危機管理のなさでしょうか。自ら空白を作っておきながら、かつては「国家のために血を流せ」と言っていたのです。こんな無能の人間を防衛相に任命したのは、どこの誰でしたっけ。
人間、頭が悪いのは仕方ありません。本人のせいではないとも言えます。しかし、それをカバーする胆力、洞察力、観察力、自己犠牲の精神、部下を掌握する力量、そのすべてを欠いている人間が防衛大臣だったとは、悲劇というべきか喜劇というべきか。
おそらく誤った歴史認識に基づくえこひいき以外の何ものでもなかったのです。整列した自衛官の前を、コスプレ防衛大臣がよちよち歩く姿を見て、「やってられないよ。アレが俺たちのトップかよ」と思った自衛官は少なくなかったと思います。国を守るのが仕事だと自らに言い聞かせていても、トップの姿を見れば士気は萎えます。
それもこれも「任命責任はワタチにあります」と仰っていた方の責任です。実際どのような責任を取ったのでしょうか。彼はこれまで責任を取ったこともなければ、これからも責任を取るつもりなどありません。「今だけ、口だけ、自分だけ」の人間ですから、責任などとれるはずもないのです。
南スーダンのジュバで戦闘行為があったことを隠蔽するように指示したのは、まさにこのお方だったのではないでしょうか。憲法違反の海外派兵に道を開き、自衛官の命を危険にさらしておきながら、知らぬ存ぜぬで押し通す厚顔無恥な政治家とは、まさにこのお方のことです。本来なら、最低でも内閣総辞職に値する行為です。
しかし、ことの重大性を認識できないお方ですから、そんな発想にはなりません。森友問題で「私や妻がかかわっていたら、総理大臣も国会議員もやめますよ」と啖呵を切っていたころが懐かしいですね。ここにきて露呈している国家の私物化、危機管理のなさは、行政のトップにいる人間の弛緩しきった歪んだ精神のなせるわざなのです。
潰れかけたレストランのオーナーが、スタッフを一部入れ替え、客に迎合する「謙虚な経営」に切り替えたとしても、お客さんは戻ってきません。安倍首相は周りに「お友達」がいなければ、小さなレストランの経営すら満足にできないでしょう。なぜなら、都議選で惨敗した夜、一流フレンチ・レストランでお友達と豪華ディナーに興じるという危機管理のなさでは、経営する側の苦労など分かるはずもないからです。要するに、しんちゃんが頼りにできるのはカネと権力とジイちゃんの代からの人脈、怪しげな宗教のお告げ、そして怖〜いママだけですね。
さて、8月はどんな月になるでしょうか。新装開店なった「しんちゃんレストラン」にお客さんは戻ってくるのでしょうか。楽しみですね。世論操作と同じく、そっち系のメディアは華々しく宣伝することでしょう。どこそこの一流シェフを迎えただの、高級ワインを取り揃えているなどと。
数カ月後、あれほど華やかな宣伝を繰り広げた「しんちゃんレストラン」も、目の肥えた客にそっぽを向かれ、人影もなく静まり返っていることでしょう。そして入口のドアには小さな張り紙が見えます。そこには次のように書かれています。
「当レストランは本日をもちまして閉店することになりました。これもひとえに、当レストランの提供する文化や味やこだわりが分からない大衆とそれを扇動した一部のメディアのせいだと考えております。これからは、少数の選ばれた芸能人、スポーツ選手、財界人、テレビのコメンテーター、ネトウヨ新聞社の重役、政治家の方などを主な客層として捲土重来を期す所存であります。一度は経営を投げ出したレストランですが、再び経営に乗り出し5年余りの月日が経ちました。三度経営に乗り出せるかどうかは、ひとえに上に述べた方々の支援次第であります。これまでの御愛顧、誠にありがとうございました。」
人々は秋風が吹き始めた街路を足早に歩いています。今ではその小さな張り紙に目をくれる人もなく、色褪せ、破れた張り紙は今にも風で飛ばされそうです。二人連れの女性が足を止め、その貼り紙を読んでいます。「へえ〜、こんなところにレストランなんてあったかしら?」