CALENDAR
S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< April 2018 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
さよならテレビ ドキュメンタリーを撮るということ/阿武野勝彦【1000円以上送料無料】
さよならテレビ ドキュメンタリーを撮るということ/阿武野勝彦【1000円以上送料無料】 (JUGEMレビュー »)
《目次》
プロローグ
第1章 テレビマンとは何者か
第2章 大事なのは、誰と仕事をするか
第3章 表現とタブー
第4章 放送は常に未完である
第5章 世の中には理解不能な現実がある
第6章 ドキュメンタリーを、誰が求めているのか
第7章 「ダメモト」が表現世界を開く──〈司法シリーズ〉のこと
第8章 「ドキュメンタリー・ドラマ」とは何か
第9章 あの時から、ドキュメンタリーは閉塞した世界だった
第10章 題材は探すのではなく、出会うもの
第11章 組織の中の職人は茨の道
第12章 「わかりやすさ」という病
第13章 樹木希林ふたたび
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
地球家族―世界30か国のふつうの暮らし
地球家族―世界30か国のふつうの暮らし (JUGEMレビュー »)
マテリアルワールドプロジェクト,ピーター・メンツェル
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
日本を解き放つ
日本を解き放つ (JUGEMレビュー »)
小林 康夫,中島 隆博
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
資本主義の終わりか、人間の終焉か? 未来への大分岐 (集英社新書)
資本主義の終わりか、人間の終焉か? 未来への大分岐 (集英社新書) (JUGEMレビュー »)
マルクス・ガブリエル,マイケル・ハート,ポール・メイソン
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
洪水の年(上)
洪水の年(上) (JUGEMレビュー »)
マーガレット・アトウッド
RECOMMEND
洪水の年(下)
洪水の年(下) (JUGEMレビュー »)
マーガレット・アトウッド
RECOMMEND
RECOMMEND
 (JUGEMレビュー »)

まず私たちの生命と暮らしを脅かす事実を知ること。それにたいしてどのような認識を持つのか。この国のみならず、世界を壊滅させる災厄とどう向き合うのか。次世代に対してどう責任を取るのか、そもそも責任を取れるのか。自分に何ができるのか。この現実にどう向き合うのか。それを教えるのが教育のはずだが、この国には教育も哲学も存在しない。
RECOMMEND
「最悪」の核施設 六ヶ所再処理工場 (集英社新書)
「最悪」の核施設 六ヶ所再処理工場 (集英社新書) (JUGEMレビュー »)
小出 裕章,渡辺 満久,明石 昇二郎
原発よりもはるかに危険な六ヶ所村再処理工場。私たちの日々の生活が薄氷の上で営まれていることを痛感させられる。同時に、この国には「国民の生命・財産・自由を守り抜く!」と威勢のいいことを言う総理大臣と無能の政治家しかいないことに絶望する。核燃料サイクルと言い、下北半島の再処理工場と言い、3兆円以上の国民の税金がつぎ込まれ、いまだ後始末も将来の見通しもたっていない現実をどう考えているのか。彼らは核兵器を持ちたいという願望と税金をロンダリングして私腹を肥やすことしか眼中にない。北海道の地震だけに目を奪われてはならない。六ヶ所村は今回の震源地の目と鼻の先にあるのだ。
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
幻影(イメジ)の時代―マスコミが製造する事実 (現代社会科学叢書)
幻影(イメジ)の時代―マスコミが製造する事実 (現代社会科学叢書) (JUGEMレビュー »)
D.J.ブーアスティン
私にとっては古典の中の古典。三度読みました。そしてその慧眼にいまだに驚いています。
RECOMMEND
殺人犯はそこにいる (新潮文庫)
殺人犯はそこにいる (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
清水 潔
ジャーナリストと称する職業がある。自称ジャーナリストもいれば、テレビのコメンテーターとしてリベラルに媚びる政権批判をし、名を売り、講演で稼ぐ職業をジャーナリストと呼ぶ者もいる。とんだ茶番である。ジャーナリストとはどこまでも「事実」を追いかける。テレビに出て能天気な解釈や感想を垂れ流している暇などないはずだ。ジャーナリストを志す若い人には清水氏の著作は避けて通れない。その名に値する本物のジャーナリストがここにいる。
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義 (集英社新書)
デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義 (集英社新書) (JUGEMレビュー »)
福田 直子
おそらく自民党・安倍政権はSNSを駆使し、分析するデータサイエンス(日本版なのでレベルはまだ低いですが)の重要性に着目し、選挙にどうすれば勝てるか、自分たちに有利な世論を形成し、国民を誘導・分断するにはどうすればいいのかが分かっているのです。そのためのノウハウも蓄積しつつあります。安倍首相の貧困な語彙力からは想像できないカタカナ言葉を聞いていると、それがSNSを分析している集団から教えられたものであることがよくわかります。ただ彼らの致命的な弱点は将来の社会を導く理想がないことです。おそらく、思いもかけない結果が待っていることでしょう。なぜなら、所詮、彼らはアメリカとビッグデータの奴隷でしかないのですから。これからの政治は、好むと好まざるとにかかわらず、この本に書かれていること抜きには語れなくなっているのです。
RECOMMEND
 (JUGEMレビュー »)

安倍政権に対するメディアの忖度が云々されていますが、元々同じ穴のムジナなのです。忘れてならないのは、日中戦争から太平洋戦争にかけて、日本の世論と新聞のほぼ全部は好戦的・拡張主義的だったのです。しかも、当時はまだ言論統制体制が発足していなかったのです。この本は、そうした「一貫して好戦的な世論とそれに便乗する新聞」が先導し、近衛文麿はじめ文民政治家がそれに便乗、軍部がさらに便乗、という構図を一次資料で克明に論証しています。安倍政権を支持するネトウヨの皆さんの日本語力では、まともな読解は無理ですので勧めません。一方、正確な歴史を知るためには「世論」の不気味さを知ることだと気づいている若い人には是非一読を勧めます。
RECOMMEND
茫漠の曠野 ノモンハン
茫漠の曠野 ノモンハン (JUGEMレビュー »)
松本草平
著者は大分市にある『天心堂へつぎ病院』の院長、松本文六氏の御尊父、松本草平(本名松本弘)氏です。詳しくは、ブログで紹介したいと思いますが、第一次資料として極めて価値の高いものです。40年ぶりに復刻版を出された松本文六氏と出版社に感謝する他ありません。
戦略も何もない、無謀・無慈悲な戦争を語り継ぐことは、最も崇高で重要な人間の営為だと私は考えています。作家の司馬遼太郎氏は、電話で草平氏に次のように伝えてきたそうです。「先生の臨場感のあるノモンハン戦記に出会えて本当にありがとうございました。私は大東亜戦争の折、戦車隊の一員として従軍しましたが、先生の従軍記以上のものを創ることはできません。」と。
一人でも多くの方がこの本を読まれることを望みます。ちなみに松本文六氏は伊方原発差止め訴訟の原告でもあります。その縁で、この本に出会うことができました。
RECOMMEND
「南京事件」を調査せよ (文春文庫)
「南京事件」を調査せよ (文春文庫) (JUGEMレビュー »)
清水 潔
全国のネトウヨの皆さんへの推薦図書です。清水氏のこの本を読んでから、「南京事件はなかった!」「南京事件は捏造だ!」と叫びましょうネ。
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
日本列島の全原発が危ない! 広瀬隆 白熱授業  DAYS JAPAN(デイズジャパン)2018年1月号増刊号
日本列島の全原発が危ない! 広瀬隆 白熱授業 DAYS JAPAN(デイズジャパン)2018年1月号増刊号 (JUGEMレビュー »)
広瀬隆
広瀬氏をアジテーターだの、オオカミ少年だの、悲観主義に過ぎると言って批判する人がいる。しかし、ブログで何度も述べてきたように、真の悲観主義こそがマインドコントールによって奴隷根性のしみ込んだ私たちの精神を浄化してくれるのだ。そもそも無知では悲観が生まれようもないではないか。国などいくら破れても結構。せめて山河だけでも次世代に残そうと考える人ならぜひとも読むべき本である。いや、これから幾多の春秋に富む若い人にこそすすめたい。
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
チャヴ 弱者を敵視する社会
チャヴ 弱者を敵視する社会 (JUGEMレビュー »)
オーウェン・ジョーンズ,Owen Jones
【本書への賛辞】

「怒りが生んだ、最高の本」
──ガーディアン紙

最高の論争がみなそうであるように、知性に裏打ちされた怒りが本書を支えている。
──エコノミスト誌

暴動や世界中に広がったオキュパイ運動に照らして考えると、分断社会に関する著者の鋭い分析は、
不気味なほど未来を予知していたことがわかる。
──アートフォーラム誌

情熱と、思いやりと、すぐれた道徳性が結実した仕事だ。
──ニューヨーク・タイムズ紙

政治の定説を見直す大胆な試み。著者は戦後のイギリス史を縦横無尽に往き来し、
階級、文化、アイデンティティといった複雑な問題を軽々とまとめてみせ、
結果として「階級」問題に火をつけ、大きな効果をあげている。
──インディペンデント紙

いまの制度が貧しい人々を見捨てていることに対する苛烈な警告──それが本書だ。
──ブログサイト「デイリー・ビースト」

ジョーンズは、「地の塩」だった労働者階級が政治のせいで「地のクズ」と見なされるようになった経緯を見事に説明している。
──タイムズ紙

この本は、新しいタイプの階級嫌悪と、その裏にあるものを痛烈にあばいて見せてくれる。
──ジョン・ケアリー(The Intellectuals and the Masses著者)

これは「イギリスはおおむね階級のない社会である」という考え方への、論理的で情報満載の大反撃だ。
──オブザーバー紙

情熱的で示唆に富む……この声が届くことを心から願う。
──スコットランド・オン・サンデー紙
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
 (JUGEMレビュー »)

紹介していない本が山のようにあります。数日前にこの本を本棚の奥から引っ張り出し再読しました。いや〜面白かった。。とにかくこの本のことを忘れていた自分が信じられない。読んでない人に熱烈に勧めます。ハイ。
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
新・日米安保論 (集英社新書)
新・日米安保論 (集英社新書) (JUGEMレビュー »)
柳澤 協二,伊勢崎 賢治,加藤 朗
RECOMMEND
英語の実際的研究 (1969年)
英語の実際的研究 (1969年) (JUGEMレビュー »)
秋山 敏
高校生にとって、今でも一押しの不朽の名著。でもこの本をことを知っている英語教師は少ないと思います。是非復刊してほしいものです。
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
スノーデン 日本への警告 (集英社新書)
スノーデン 日本への警告 (集英社新書) (JUGEMレビュー »)
エドワード・スノーデン,青木 理,井桁大介,金昌浩,ベン・ワイズナー,宮下紘,マリコ・ヒロセ
2017年4月18日、朝日新聞がようやく「パノプティプコン」を取り上げました。遅すぎますね。
これから先の日本社会は、ますます荒廃が進み、国民の不満が頂点に達し、やがて爆発します。それを未然に防ぐために、国は国民の監視を強化します。
実際アメリカでは「愛国者法」により、電子メールや携帯の通話履歴が監視の対象になっています。誰が、いつ、どこで、何を読んで、誰と通信を交わしたか、すべて国に筒抜けです。
「パノプティプコン」とはフランスの哲学者フーコーが用いた概念ですが、国民が刑務所の囚人のように監視される体制を言います。監視者の姿は見えませんが、囚人は監視者不在でも、監視を意識することによって管理統制されるのです。これを「パノプティシズム」と言います。
このシステムから解放されるためには、権力がどう管理・統制しようとしているかを知らねばなりません。この本はそれを知るための第一歩です。あなたが無知のまま、奴隷の人生を送りたければ、読む必要はありません。
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
魂の殺人―親は子どもに何をしたか
魂の殺人―親は子どもに何をしたか (JUGEMレビュー »)
A.ミラー
アリスミラーのこの本は、塾を始めるきっかけになりました。ただ生活のためだけなら、他のことをしていたでしょう。『才能ある子のドラマ』とあわせて、当時の私には衝撃的な本でした。人生はどこでどう転ぶかわかりません。人間の奥深さを知ることで、何とか自分を維持していたのです。この本を読むと当時のことが、ありありと思い出されます。ある意味で、私の人生を方向づけた本かもしれません。
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
朽ちていった命:被曝治療83日間の記録 (新潮文庫)
朽ちていった命:被曝治療83日間の記録 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
NHK「東海村臨界事故」取材班

2月18日のブログでも書きましたが、仕事のために読むビジネス書の類は、最終的には効率を重視し、最小の資本と労力の投下で、いかにして最大の利益を上げるかということに尽きていると思います。そのための働き方改革であり、そのための賃上げです。そのための人心掌握術であり、顧客対応です。ビジネス書を読めば読むほど、人間は軽薄になり、視野が狭くなっていきます。もしあなたがそれを自覚するきっかけがほしいなら、是非この本を読むことを勧めます。読書はビジネスのためにするのではないということが分かると思います。この本は私たちの日常の風景を一変させるだけのインパクトを持っています。いわば、ことばの最高の意味における「闖入者」なのです。
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
服従
服従 (JUGEMレビュー »)
ミシェル ウエルベック
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
黒い巨塔 最高裁判所
黒い巨塔 最高裁判所 (JUGEMレビュー »)
瀬木 比呂志
この本はまだ発売されていません。自分で読んでいない本を推薦するのは邪道でしょう。しかし、これまでの『絶望の裁判所』『ニッポンの裁判』(ともに講談社現代新書)に続く裁判所、司法批判の第3弾が長編の権力小説だということで、過去2冊の本の面白さからして、推薦に値する本だと思いました。『原発ホワイトアウト』の最高裁判所ヴァージョンだと思います。読んでからコメントを追加したいと思います。
RECOMMEND
そして、僕はOEDを読んだ
そして、僕はOEDを読んだ (JUGEMレビュー »)
アモン・シェイ
学校なる場所に通っていた時、毎年夏になると課題図書を読んで、読書感想文を書かねばならないのが苦痛でした。課題図書の選定には学校と書店の密約があるに違いないと思っていたくらいです。

偶然巡り合った面白い本の感想を書くのならまだ我慢できたかもしれません。つくづく学校というところは、余計なことをしてくれると思ったものです。

あまりにめんどうくさいので、「あとがき」を参考に、あらすじを書いて提出したら、トリプルAをもらいました。

学校というところは、もしかしたら、人生の退屈に耐える訓練をする場所だったのかもしれません。この本を読んで、改めてそのことを確認しました。別に先生を責めているわけではありません。それほど自覚的に生きるということは難しいのだとため息をついているだけです。
RECOMMEND
選挙 [DVD]
選挙 [DVD] (JUGEMレビュー »)

想田和弘監督の観察映画。音楽による演出は一切なく、徹頭徹尾監督の視点で撮られたドキュメンタリー映画。見終わった後、日本の選挙風土の貧困さが浮かび上がる。この国に民主主義はない、ということを改めて確認し、そこから出発するしかない。その勇気を持つ人には必見の映画です。合わせて『選挙2』もどうぞ。
RECOMMEND
職業としての政治 (岩波文庫)
職業としての政治 (岩波文庫) (JUGEMレビュー »)
マックス ヴェーバー
ウェーバーの死の1年前、1919年、学生達に向けた講演の記録です。
一部抜粋します。

「自分が世間に対して捧げようとするものに比べて、現実の世の中が―自分の立場からみて―どんなに愚かであり卑俗であっても、断じてく挫けない人間。どんな事態に直面しても「それにもかかわらず!」と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への「天職」を持つ。」(P105〜106)

「さて、ここにおいでの諸君、10年後にもう一度この点について話し合おうではないか。残念ながら私はあれやこれやいろんな理由から、どうも悪い予感がしてならないのだが、10年後には反動の時代がとっくに始まっていて、諸君の多くの人が―正直に言って私もだが―期待していたことのまずほとんどは、まさか全部でもあるまいが、少なくとも外見上たいていのものは、実現されていないだろう。」(P103〜104)

10年後には、ワイマール体制は機能不全に陥り、1933年にはヒトラーが首相に就任します。

平和憲法は、日本人にとって310万人の命と引き換えに手に入れた唯一と言っていい理念であり、アイデンティティーでした。その唯一の誇りを、日本人は損得勘定で葬り去ろうとしています。言い古された言葉ですが、歴史は繰り返すのです。
RECOMMEND
熊楠の星の時間 (講談社選書メチエ)
熊楠の星の時間 (講談社選書メチエ) (JUGEMレビュー »)
中沢 新一
小学校を卒業するころ、将来なりたい職業として思い描いていたのが、天文学者か生物学者でした。プロ野球選手は、自分のセンスでは無理だと悟りました。物ごころついたころから興味があったのは宇宙や昆虫や植物の世界でした。そんなわけで南方熊樟に出会うのは必然的な成り行きだったのです。人間は言葉によって世界を把握しますが、それ以外の把握の仕方があるはずだと、ずっと思ってきました。南方熊樟は、小林秀雄と同じく、直観による世界の把握の仕方を教えてくれました。この本は、言葉によって構成された世界秩序の外に出て、世界を改めて考えたい人に大いなるヒントをあたえてくれます。安倍政権によるゴキブリのフンのような、あまりにばかばかしい政治状況を見せつけられているので、精神の衛生学として一気に読みました。
RECOMMEND
電通と原発報道――巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ
電通と原発報道――巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ (JUGEMレビュー »)
本間龍
こどもの教育から裏金を使ったオリンピック誘致、原発再稼働、戦争準備から武器の売却、安倍政権の裏の権力としてメディアに絶大な影響力を行使する電通。私たちは電通が作り上げた「箱」の中でいいようにマインドコントロールされている。自分の意見だと思っていたものが、実はそう思わされていただけだということに気づかなければならない。音楽をはじめとする芸能情報、その中で踊らされるミュージシャンやタレント、果てはデザイン業界までを席巻する。今や電通の介在しないメディアはないと言ってもいい。利権あるところに電通あり、です。
RECOMMEND
英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる (集英社新書)
英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる (集英社新書) (JUGEMレビュー »)
施 光恒
英語教育に携わる人は、一度この本を読んでみるべきではないでしょうか。言葉は悪いですが「英語ばか」がこの国には余りにも多すぎる気がします。
RECOMMEND
日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか
日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか (JUGEMレビュー »)
矢部 宏治
前作『日本はなぜ「基地」と「原発」止められないのか』に続く著者渾身の力作。自分の人生を生きたい人にすすめます。ただそれだけです。18歳で選挙権が与えらる高校生が政治を考える際の基本的なテキストになる日がくるといいですね。無理でしょうが。これ以上余計なコメントはしません。まず手に取ってみてください。
RECOMMEND
日本会議の研究 (扶桑社新書)
日本会議の研究 (扶桑社新書) (JUGEMレビュー »)
菅野 完
メディアで取り上げられるよりはるか前から日本会議の存在について私は言及していました。電通と同じくタブー視するメディアには心底失望したものです。報道すればタブーはタブーでなくなるのです。何を恐れているのでしょうか。干されれば、何とか生活をする工面をすればよい。それだけのことです。
RECOMMEND
偶有性操縦法 -何が新国立競技場問題を迷走させたのか-
偶有性操縦法 -何が新国立競技場問題を迷走させたのか- (JUGEMレビュー »)
磯崎新
帯に「祝祭都市にスタジアムはいらない」とあります。そもそも2020年まで天災と原発事故をやり過ごし、経済危機を乗り越えて存在しているでしょうか。極めて怪しいですね。偶然書店で手に取って読みました。彼の文章を読むと、建築は現世の権力に奉仕するものではなく、想像力の王国を作るものだと思わされます。建築にそれほど興味のない人でも、読めます。いや、いつのまにか引き込まれているでしょう。
RECOMMEND
新・戦争のつくりかた
新・戦争のつくりかた (JUGEMレビュー »)
りぼん・ぷろじぇくと
難関中高一貫校で学び、東大に合格しても、それはもはや知性のバロメーターではありません。この本に書かれていることが真実だと見破れることこそが本物の知性です。ニセの知性は既得権益を守るためにはどんな屁理屈でもひねり出します。おまえは何も知らないと言って他人を見下し、金と権力におもねるのです。ニセの知性は理想の灯を掲げることができません。「脳内お花畑」などという幼稚な言葉を使って揶揄するしかないのです。彼らの決まり文句は、他国が攻めてきたらどうするのかという、それこそ「脳内お花畑」的なものです。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とは、まさに至言です。
RECOMMEND
福島第一原発 メルトダウンまでの50年――事故調査委員会も報道も素通りした未解明問題
福島第一原発 メルトダウンまでの50年――事故調査委員会も報道も素通りした未解明問題 (JUGEMレビュー »)
烏賀陽弘道
私の元塾生の縁でお会いしたことのある烏賀陽弘道氏の渾身のレポート。事実を丹念に調べ上げ(これがジャーナリストの本来やることです)事実をして語らしめることのできる稀有なジャーナリスト。この本を読まずに福島第一原発の事故の本質に迫ることはできない。ダブル選挙の前に一人でも多くの国民が読むことを期待します。
RECOMMEND
多読術 (ちくまプリマー新書)
多読術 (ちくまプリマー新書) (JUGEMレビュー »)
松岡 正剛
松岡正剛氏の本はどれも面白く、シリーズの千夜千冊を除けばほとんど読んでいます。『多読術』は、高校生にぜひ勧めたいと思います。高校時代に、この本を読んでおくと、さまざまな分野の知的見取り図を手に入れることができます。学校の授業だけではなく、この本を手掛かりにして知の荒野に歩みを進めてほしいと思います。
RECOMMEND
RECOMMEND
永遠平和のために (岩波文庫)
永遠平和のために (岩波文庫) (JUGEMレビュー »)
カント
安倍首相は「この道しかない」と言って消費税を上げ、集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定をし、公約とは正反対のTPPを批准することで、日本の文化=アイデンティティーを破壊しようとしています。

もし私たちが生き延びたければ、そのヒントがこの本の中に書かれています。日本は超大国の「夢」を代弁するだけの国になってはなりません。
RECOMMEND
みんなが聞きたい 安倍総理への質問
みんなが聞きたい 安倍総理への質問 (JUGEMレビュー »)
山本 太郎
山本氏の国会での質問を、本になって改めて読み直して感じることは、文字通り「みんなが聞きたい」質問をしてくれたということです。安倍首相が小学生に「なぜ政治家になったのですか」と質問された時、「父親も祖父も政治家をしていたからです」と答えていました。小学生相手に、何と言う悲しい答えでしょうか。語るべき理想を持たない政治家など、所詮は官僚に利用されるだけです。それに対して、山本氏には語るべき理想がある。「政治なんてそんなものさ」というリアリストが発散する腐臭を吹き飛ばすさわやかさがある。それは、彼の身体には収まりきれない理想が持つ力そのものです。彼は言います。「力を貸してほしい。少なくとも、あなたが必要だと思われる社会、私が必要だと思われる社会を作っていきたい。そう思うんです」と。日本の総理大臣にふさわしいのはどちらでしょうか。
RECOMMEND
転換期の日本へ―「パックス・アメリカーナ」か「パックス・アジア」か (NHK出版新書 423)
転換期の日本へ―「パックス・アメリカーナ」か「パックス・アジア」か (NHK出版新書 423) (JUGEMレビュー »)
ジョン・W・ダワー,ガバン・マコーマック
おそらく、日本人自身よりも海外の知識人のほうが、日本の問題を正確にとらえていると思わせる本です。読み終えて何気なくテレビを見たら、わが大分県選出の国会議員、岩屋毅氏と江藤晟一氏が、2016年ミスユニバース大分県代表を選ぶ催し物に出ていました。名誉顧問だそうです。いかがわしい宗教団体をバックに票を稼ぐだけでは飽き足らず、こんな大会に顔を出して名前を売ろうとする。大分市長の佐藤樹一郎氏も出席していました。このお三方は、こんなことをするために国会議員や市長になったのでしょうか。国民の税金を使ってやることといえば、テレビに出演してにやけた顔をさらすことでしょうか。もう物事の軽重が全く分かっていません。せめてこの本くらい読んではどうでしょうか。私はこの本に書かれていることの大部分に賛成です。
RECOMMEND
拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々
拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々 (JUGEMレビュー »)
蓮池 透
出版されてすぐ読みました。国会で、読んでもいないのに、安倍首相が躍起になって否定した事実が書かれています。蓮池氏はあちこちから人格攻撃の対象とされてきましたが、自分にも落ち度があったと認めています。自分は総理大臣なのだから落ち度はないと居直る人間とは好対照です。この本を読んで、拉致問題について今一度国民が考えることを望みます。
RECOMMEND
田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」
田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」 (JUGEMレビュー »)
渡邉 格
2年半ほど前に求めて、一気に読みました。マルクスの『資本論』の中に書かれていることを、著者が自分なりに消化し実践していく過程が書かれているので、一種のドキュメンタリー文学として読めます。きっと著者と同じ思いの若者は全国にたくさんいると思います。かけがえのない一回きりの人生を、充実して生きたいと思っている人に勇気を与える本です。
RECOMMEND
チェルノブイリの祈り――未来の物語 (岩波現代文庫)
チェルノブイリの祈り――未来の物語 (岩波現代文庫) (JUGEMレビュー »)
スベトラーナ・アレクシエービッチ
今年度ノーベル文学賞受賞作品。チェルノブイリは言うまでもなく、フクシマでさえ人々は忘れたがっています。もう過去のことだと言い聞かせて。しかし、過去のことではなく、まぎれもない現在進行中の現実であり、私たちが生きている世界そのものです。この本を読んだ後、橋下徹が御堂筋をイルミネーションで照らし出し、F1カーに乗って写真を撮っているところを見ました。その時のセリフ。「大阪はここまでできる!」

もう何と言うか、別世界を生きている人間です。彼の発する言葉は文学とは無縁です。人間が言葉を持ったのは、言葉にしがたいものを言葉にしようとするためです。政治家が発する言葉の軽さと言ったらありません。それだけ現実も軽いものになったということでしょう。
RECOMMEND
日本的霊性 完全版 (角川ソフィア文庫)
日本的霊性 完全版 (角川ソフィア文庫) (JUGEMレビュー »)
鈴木 大拙
鈴木大拙の言わんとすることが、ようやくわかりかけてきました。年齢を重ね、日本文化の基底にあるものをじっくり味わうことで開示される世界があるのです。日々の生活に追われていては、この本を読み、味わう暇などないでしょうが、それだからこそ手に取ってみてはいかがでしょう。
RECOMMEND
アクト・オブ・キリング オリジナル全長版 2枚組(本編1枚+特典ディスク) 日本語字幕付き [DVD]
アクト・オブ・キリング オリジナル全長版 2枚組(本編1枚+特典ディスク) 日本語字幕付き [DVD] (JUGEMレビュー »)

人間は、条件次第で、喜々として殺人を犯す。そして、その条件を整備しつつあるのが、安倍政権とその背後でうごめく『日本会議』である。このことに気づいていても、「配慮する」ことを最優先して報道しないメディア(特にNHK・読売新聞・産経新聞)。そしてそこに寄生する学者やコメンテーター、芸能人。このドキュメンタリー映画は、彼らの自画像である。たまには、自らの顔をじっくり眺めてみるがよい。
RECOMMEND
社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学
社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学 (JUGEMレビュー »)
ジョナサン・ハイト
私が長年考えてきた問題を解明するヒントになりました。ブログで書いたように、まず感情を基にした結論があって、それを正当化するために人は「知性」を動員するという、ごく当たり前のことが書かれている。つまり、知の粉飾決算報告書である。
RECOMMEND
食う寝る遊ぶ 小屋暮らし
食う寝る遊ぶ 小屋暮らし (JUGEMレビュー »)
中村 好文
中村さんの著作の中では、個人的に最も好きな本です。読んでいるだけで楽しくなります。限りなく優しい、でも、痛烈な文明批評です。これからの生き方のヒントが満載です。それを一人でも多くの人と分かち合いたいと思い、中村好文論・その3の中で引用させていただきました。
RECOMMEND
暮らしを旅する
暮らしを旅する (JUGEMレビュー »)
中村 好文
以下は私がアマゾンのレビューに投稿したものです。再録します。
「もし人に幸福な生き方があるとしたら、中村好文さんのような生き方だろうと、ずっと思ってきました。
建築雑誌をパラパラとめくりながら、ふむ、と思って手が止まると、そこには必ずと言っていいほど中村さんの設計した住宅がありました。
文は人なりと言いますが、その人の書く文章のエッセンスがこれほど見事に建築にも表現されている例はめったにありません。
建築に限らず、食の分野でも、ことばと実物の乖離がはなはだしい時代に、中村さんの設計した住宅や美術館に出会うと、どこか安心するのですね。
そういうわけで、著者の本はすべて読ませてもらっています。
この本も偶然、年末に本屋さんで手に入れ、装丁やカバーの手触りを楽しみながら読んでいます。
読みながらいつの間にかほのぼのとしている自分を発見します。
一日に一編か二編を過去の記憶をたどるようにして読んでいます。
この本の平明さ、やさしさがどこから来るのか。そんなことを分析するのは野暮というものです。
とにかくこの素敵な小さな本は、旅のお供にどうぞ!とすすめたくなります。」
RECOMMEND
パン屋の手紙―往復書簡でたどる設計依頼から建物完成まで
パン屋の手紙―往復書簡でたどる設計依頼から建物完成まで (JUGEMレビュー »)
中村 好文,神 幸紀
中村さんの書かれた本はすべて読みました。どの本もおすすめです。これから家を建てようと考えている人は、どの本でもいいですから、一冊中村さんの本を読んでみてはいかがでしょうか。エッセイとしても十分楽しめます。この本は北海道にあるパン屋さんの建物を作りながら、人は「パンのみにて生きるにあらず」を実践したものです。ダジャレ好きの中村さんらしい(笑)。
RECOMMEND
中村好文 普通の住宅、普通の別荘
中村好文 普通の住宅、普通の別荘 (JUGEMレビュー »)
中村 好文
中村さんの本を全部は読めないという人向けに、一冊だけ選ぶとすればこれでしょうか。普通、設計したらそれで終わりという建築家が多い中、かってのクライアントを訪問して話を聞き、それを本にしたものです。クライアントといい関係が築けてないと難しいですね。加えて自信がないとなかなかできることではありません。
RECOMMEND
森の生活〈上〉ウォールデン (岩波文庫)
森の生活〈上〉ウォールデン (岩波文庫) (JUGEMレビュー »)
H.D. ソロー
この本は実は哲学的で難しいですね。最初から熟読するのではなく、折に触れてページをめくるような読み方がいいようです。ところどころに、ブログで紹介したような言葉があり、はっとさせられます。彼のアフォリズム集として読むのがおすすめです。
RECOMMEND
堀部安嗣の建築
堀部安嗣の建築 (JUGEMレビュー »)
堀部 安嗣
堀部氏のスケッチと自身で撮った写真集。これ見よがしの作家性を前面に押し出したところがない。簡素で謙虚だが、気品に満ちた佇まいは何度見ても見飽きることがない。ブログを書くために、もう一度最初から読み直してみたが、やはり素晴らしい。
RECOMMEND
民主主義ってなんだ?
民主主義ってなんだ? (JUGEMレビュー »)
高橋 源一郎,SEALDs
「民主主義が終わってるなら、始めるぞ!」そのとおりです。彼らは「○○大学、○○○○(氏名)、私は戦争法案に反対します」と堂々と個人の責任で発言している。ネット上で匿名で反対意見を罵倒する勢力に比べると何とすがすがしいことか。デモや民主主義について一から考えたい人、あるいは、それくらいのことはわかってるつもりだという学者の皆さんに読んでもらいたい。もちろん大学生や18歳で選挙権を持つ若い人たちにも。ただし、民主主義は感情統治だの多数決だのと言っている橋下徹やホリエモンこと堀江貴史は読まなくてよい。あなたたちはSEALDsの新しさを理解する能力を欠いているから。
RECOMMEND
亡国記
亡国記 (JUGEMレビュー »)
北野慶
私たちの身の回りに起こったことは、日々の忙しさにかまけてすぐに忘れてしまいます。しかし、本当の想像力を持っていれば、それは現実を見る目を変えてくれますし、日々の生き方をも変えてくれます。一人でも多くの人に、この本を読んでもらいたいと思います。
RECOMMEND
ヤコブセンの建築とデザイン
ヤコブセンの建築とデザイン (JUGEMレビュー »)

北欧デザインの巨匠。実は「夏の家」もさることながら、彼の自邸も素晴らしい。この本をめくりながら、私は何度もため息をつきました。家具だけでなく、彼の建築家としての仕事も是非ご覧ください。
RECOMMEND
Louis I.Kahn Houses―ルイス・カーンの全住宅:1940‐1974
Louis I.Kahn Houses―ルイス・カーンの全住宅:1940‐1974 (JUGEMレビュー »)
斎藤 裕
フィッシャー邸、エシェリック邸の外観、内部を詳しく見ることができる。折に触れてこの本を開き、インスピレーションをもらった。カーンとの出会いがなければ、私の住宅のイメージは決して像を結ばなかったと思う。現実のフィッシャー邸は、かなり傷んでいるとのこと。写真でしか見られなくなる日も近いかもしれない。
RECOMMEND
かくれ里 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
かくれ里 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) (JUGEMレビュー »)
白洲 正子
言わずと知れた白州さんの名紀行文。観光ブームとは一線を画し、日本の文化・歴史を、そして自分を見つめる旅をしたい人にはおすすめです。蛇足ですが、この紀行文は、1970年、世間が大阪万博で浮かれていた時代に書かれました。
RECOMMEND
丘の上の修道院 ル・コルビュジエ 最後の風景
丘の上の修道院 ル・コルビュジエ 最後の風景 (JUGEMレビュー »)
范 毅舜
無神論者だった ル・コルビュジエ が、自分が死んだあと亡骸を一晩ラ・トゥーレットの修道院に留め置いてほしいと書き遺したのはなぜか。芸術はついに宗教を超えることはできなかったのか。美しい写真とともにその謎に迫る。気がつけばいつの間にかページをめくって、その答えを探そうとしている自分を発見する。
RECOMMEND
RECOMMEND
福島原発 現場監督の遺言
福島原発 現場監督の遺言 (JUGEMレビュー »)
恩田 勝亘
メディアで働く人間の中にも、恩田氏のような人はいる。しかし、圧倒的少数派である。私は、たとえ少数派でも真実を報道する記者を断固支持する。
RECOMMEND
原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―
原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語― (JUGEMレビュー »)
安冨 歩
安倍政権とそれを支える「日本会議」の面々、そこに群がる政治家、財界人、原子力規制委員会の田中委員長、マスコミの言葉使いの欺瞞性を見事にあぶりだしてくれた本。今読み返してみて、あらためてその先見性と普遍性に驚く。
RECOMMEND
死都日本 (講談社文庫)
死都日本 (講談社文庫) (JUGEMレビュー »)
石黒 耀
12年前に読み、衝撃を受けた本。純粋に小説として読んでも面白いこと請け合い。しかも、将来の備えにもなるという、一石二鳥。私はこの本を読んで車を4WDに乗り換えたほどです。
RECOMMEND
電気がなくても、人は死なない。
電気がなくても、人は死なない。 (JUGEMレビュー »)
木村 俊雄
木村さんの人柄に感銘して、応援する意味も込めてこの本を購入しました。未来のこどもたちのために、私たちが無理なく、今すぐできることが書かれています。私たちが電気ポットの使用をやめるだけで、原発3基分の電力が節約できます。原発再稼働には何一つ合理的な理由がありません。日々私たちにできることから始めましょう。この本を買って木村さんを応援しましょう。
RECOMMEND
小さな森の家―軽井沢山荘物語
小さな森の家―軽井沢山荘物語 (JUGEMレビュー »)
吉村 順三,さとう つねお
ヤドカリは身の丈に合った「家」を探します。原寸大の生活そのものを楽しむためには、家にお金をかけすぎない、ということも大切です。たかが家です。そのために無理をしたり家族がバラバラになるなんて、悲しすぎますね。自分にとっての居心地の良さとは何かを考えるヒントになる本です。
RECOMMEND
戦争をしない国 明仁天皇メッセージ
戦争をしない国 明仁天皇メッセージ (JUGEMレビュー »)
矢部 宏治,須田 慎太郎
安倍首相および安倍政権の中枢にいる人に読んでもらいたい。彼らがまともな読解力を持っていることを願うのみである。そして、いうまでもないことですが、若い人々に読んでもらいたい本です。
RECOMMEND
歴史の暮方 (中公文庫)
歴史の暮方 (中公文庫) (JUGEMレビュー »)
林 達夫
林達夫著作集全6巻(平凡社)は絶版になっていると思われます。林達夫ほどの大知識人でも、これほどストレートに、赤裸々に自分の感情を表現するのだと思い、ずいぶん励まされました。若い人たちは、自分の悩みをどこまでも掘り下げることによって、自分のやりたいことを見つけることができるのです。
RECOMMEND
エリック・ホッファー自伝―構想された真実
エリック・ホッファー自伝―構想された真実 (JUGEMレビュー »)
エリック ホッファー
人間が生きるとはどういうことか、幸福とは何かを考える人に安っぽい希望や夢ではなく、勇気を与えてくれる。私の座右の書。
RECOMMEND
日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか
日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか (JUGEMレビュー »)
矢部 宏治
18歳から選挙権を持つことになった若い人たちに是非読んでもらいたい本。この本に書かれてあることをすべての議論の出発点にすべきである。無知は悪である。
MOBILE
qrcode
続 ・ 自壊する日本の高学歴「エリート」たち。
0

    以下の人物は、わが国では「エリート」と呼ばれているようですが、その人格は4コマ漫画に余すことなく現れています。よい子の皆さんは、決して見てはなりません。余りにリアルですから。

     

     

    ぼうごなつこさんの漫画

    http://bogonatsuko.blog45.fc2.com/

     

     

     

    エリート」とは、子どもの頃から「東大」に象徴される権威に服従することで人格を空洞化させ、決められたレールの上を走ることしかできない哀れな子供なのです。彼らの思考と行動は絶えず権力へと向かうように初期設定されており、レールからはずれることは敗北だと思い込まされています。ましてや、ある程度歳をとってから、自らの生き方を顧みることなど土台無理なのです。

     

     

     

    私は2016年のブログ「自壊する日本の高学歴『エリート』たち」の中で次のように書きました。

     

     

    「人はどんな家に生まれるか、どんな親のもとに生まれるかを選ぶことはできません。つまり人間は、たまたまある時代のある「場所」に生まれてくる存在なのです。これが人間の動かしようのない現実です。自分の力ではいかんともしがたい命を宿して、人はこの世に生きているのですね。宿命ということばが生まれたゆえんです。

     

     

    ところが、世の中には、名門の家に生まれたことを特権だと思っている人間がいます。家柄を自慢し、他人を見下します。自分の努力で手に入れたわけではなく、ただその家に生まれたというだけで自分を特別な存在だと考えているので、他人を従えて当然だ、自分にはその資格があると勝手に思い込むようになります。

     

     

    この種の自己愛は、自分の境遇が偶然によってもたらされたことを忘れさせ、家に対する歪んだ誇りを生み出します。「自分の家」に対する誇りは「自分の国」へと拡大されます。「国家のブランド化」です。その結果、ブランドを批判する人間を躍起になって否定し排除します。歪んだ誇りは愛国心を強要するようになります。

     

     

    彼らの愛国心は、偶然の条件を根拠にしているので、何ら説得力を持ちません。自分では当然だと思っているものを他人が拒否するのはおかしいと考えるのです。ガキのレベルですね。そうなれば権力を利用して強制するしかありません。あるいは、外敵をでっちあげ、敵愾心や恐怖心をあおることしかできないのです。

     

     

    それに対して、「自分はたまたま名家に生まれついたにすぎない。だから、その幸運を忘れることなく、それに見合うだけの努力をして、周りから尊敬される家にしよう」「いや、自分の家をよくするだけではなく、周りの人たちにもその恩恵に浴してもらおう。それが自分の義務であり、自分が生きている意味だ」と考える人もいます。

     

     

    後者が本来のエリートと呼ぶべき存在であり、その考えはノブレスオブリージュ(高貴なるものの義務)と呼ばれています。彼らは愛国心を他人に強要しません。自らが義務を果たすことで、その結果として、愛国心が生まれるということを分かっているからです。こういう人間が支配層にいる国は大きな誤りをおかしません。」と。

     

    「自壊する日本の高学歴『エリート』たち」

    http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=279

     

     

     

    ちなみに大分市中春日町にあるY田ゼミ塾長氏は4月19日のツイッタ―で次のように吠えています。

     

    「女を武器に食事をおごってもらい、そして酔わせてその場でのセクハラ発言を録音する。そしてセクハラされたと大声で訴えて財務次官を辞めさせる。それがテレビ朝日の女性社員の手口だろう。完全なハニートラップじゃないか!この進優子(テレビ朝日)がハニートラップを仕掛けたのか。2人っきりで何度も食事に行っておいてセクハラだと?バカか!」

     

     

    しかも、この塾長、女性記者の顔写真までアップしています。私が最も軽蔑するのは、権威や権力に服従し一体化することで自分の価値まで高まったように錯覚する人格なき臆病者です。いやはや、この御仁に人権感覚を期待するのは無理だとしても、こんなネトウヨ教師に教えてもらっている生徒が余りに気の毒です。

     

     

    | 政治 | 14:32 | comments(0) | - |
    100年後の生存戦略−その2 教育・国宝 閑谷(しずたに)学校
    0

      昨年の11月、奈良の慈光院を再訪し、滋賀県の湖東三山(西明寺、金剛輪寺、百済寺)を回りました。慈光院は訪れる度に発見があり、特にそのプロポーションにはため息が出ます。京都の詩仙堂と並ぶ私のお気に入りの建築です。奈良へ旅する機会があったら、ぜひ一度訪ねてみて下さい。

       

       

       

      私のブログは、春や秋になるとアクセス数が急増します。旅の参考に『古寺巡礼』を読んで下さっている方が多いからでしょうか。そうだとすれば嬉しいですね。ブログでは、どこの誰がアクセスしているのか、知る術がありません。

       

       

       

      政治の話題になるとアクセス数は減ります。この5年間で、私たちの国のリソースは、法治国家の建前を含めて、ズタズタにされました。膿そのもののサイコパス総理が「膿を出し切る」と言っているのですから、これはもうギャグというか白昼夢を見ている気がします。いやな時代に生き合わせたものです。

       

       

       

      旅の帰途、一番の目的だった閑谷学校(しずたにがっこう)に寄りました。山陽自動車道の備前ICから車で15分くらいだったでしょうか。途中、すれ違う車も人の姿もほとんどありません。山に囲まれた道を奥へ奥へと進んでいきます。到着した時はあいにくの雨でしたが、霧雨に煙る山間の閑谷学校も捨てたものではありません。妻と広大な敷地を歩きながら、日本という国が持っている文化的リソースの豊かさを思いました。

       

       

      閑谷学校全景

       

       

       

       

      現在の閑谷学校。右手の楷の木の新芽が膨らんでいます。

       

       

      秋の閑谷学校

       

       

       

      ついでに奥方様の写真も。

       

       

       

       

      閑谷学校は、江戸時代・寛文10年(1670年)岡山藩主池田光政によって創建された、岡山藩直営の庶民教育のための学校・学問所です。国宝の講堂をはじめ、聖廟や閑谷神社などほとんどの建造物が国の重要文化財、資料館は登録有形文化財に指定されています。

       

       

      国宝の講堂内部。ピカピカに磨き上げられた床。現在でも地元の子供たちはここで論語を読んでいます。

       

       

       

       

      1660年代の半ば、光政は岡山の領地内に池田家の墓所のための土地を探していました。菩提寺である京都妙心寺の護国院が火災で焼失してしまったからです。光政の命を受けたのが、優秀な側近、津田永忠でした。永忠は領内をくまなく歩いて候補地を探しました。その一つが後に閑谷学校の用地となった和気郡木谷村だったのです。

       

       

       

      光政が木谷村を訪れたのは晩秋だったそうです。紅葉の美しい敷地を歩きながら、ここは墓所ではなく、庶民の子供たちが学ぶ学校にうってつけの土地だと直覚します。さすがに名君と言われるだけのことはあります。国家を私物化して恥じないどこかのバカ殿とは大違いです。

       

       

       

      私が興味をひかれたのは、国宝の講堂だけではありません。敷地を取り巻く石塀の美しさもさることながら、そのランドスケープデザインの秀逸さでした。ここは『風の谷のナウシカ』に描かれた風の谷の祖形だと直感しました。

       

       

       

      図面を見ると寄宿舎や食堂、厨房が敷地の西に配置されています。そして、東側の講堂や聖廟との間に火除山を築いています。防火のためにわざわざ山を築いたのです。そして、弘火四年(1847年)、寄宿舎からの失火で西側にあった建物が焼失した時も、この火除山のおかげで、東側の講堂や聖廟は延焼をまぬがれたのです。何という先見の明、危機管理の意識の高さでしょうか。

       

       

       

       

      草一本生えないように設計されたこの石塀(幅1,8メートル、高さ1,5〜1,6メートル)が敷地を取り囲んでいる。全長765メートル。石工たちの創意工夫と忍耐力に頭が下がります。この石塀だけでも見に行く価値があります。

       

       

       

       

      さて、最後に閑谷学校からもらったインスピレーションについて書きます。今私たちの国は首の皮一枚で繋がっている状態です。早晩、カタストロフィーに見舞われます。統治機構の自壊現象のことを言っているのではありません。営利行為としての戦争のことでもありません。それよりもっと確実で深刻な危機に直面しているのです。

       

       

       

      それは、福島第一原発の事故で、放射能によって高濃度に汚染された地下水とそれを貯蔵している巨大タンク、除染によって出た膨大な放射能汚染土をどうするのかという問題です。次なる地震が襲えば、これらは確実に海に放出され、溶け出します。

       

       

       

      もちろん、地震がこなくても、やがてリミッターが振り切れる時がやってきます。東電や政府は科学的には飲料水のレベルであるなどと称して、放射能汚染水を海に流すでしょう。その時、日本近海はもとより、太平洋は放射能によって汚染され、緩慢ではあっても、漁業は大打撃をこうむります。チッソが水俣湾に有機水銀を垂れ流して住民の命を奪った事件は、その後の私たちの運命を暗示していたのです。

       

       

       

      その時、私たちは海を捨てなければならなくなります。海に面した都市は、徐々に放射能に蝕まれていきます。子供たちはどこで生きればいいのか。最悪の場合、海外に脱出するしかありません。

       

       

       

      しかし、すべての子供たちが脱出するわけにはいきません。国内にとどまり、なんとか再生の時を待つしかないのです。その場所はどこにあるのでしょうか。そうです、全国に点在する「閑谷学校」こそが、子供たちが生き延びるための「風の谷」になるのです。

       

       

       

      今の政権は、こういったことをシュミレーションすらしていません。そもそもそういった発想がないのです。自分たちにとって都合の悪い事実を隠蔽し、歴史を捏造し、さらには女性をモノのように扱う体質が表面化するに及んで、彼らは事実に向き合うことすらできない痴呆になったのです。

       

       

      | 中高生の皆さんへ | 22:11 | comments(0) | - |
      <生>の始まりに向かって。
      0

        今回は、一週間ほど前に読み終えた本を紹介したいと思います。タイトルは、『石を聴く――イサム・ノグチの芸術と生涯』 ヘイデン・ヘレーラ著(みすず書房)です。今年の2月に出版されました。

         

         

         

         

         

         

        今からちょうど一年前に書いた以下の記事とタイトルが似ていますね。よろしければ、お読み下さい。

         

         

         『石に訊け − イサム・ノグチと宮崎駿』

        http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=340

         

         

         

        古寺巡礼と建築行脚の旅を始めたのは今から16年前でした。そして最初に選んだのが高松市牟礼にある『イサム・ノグチ庭園美術館』でした。

         

         

         

        イサム・ノグチになぜ引きつけられたのか、正直なところ分かりません。彼の作品を言葉で意識的に分析すれば何か重要なものが棄損される気がするのです。だから、作品そのものを語るのではなく、宮崎駿と対比させて感想を述べました。

         

         

        イサム・ノグチの作品に対していると、私の内部で、無意識的な記憶の掘り起こしが進行しているのが分かります。それは私固有の記憶とは違った何かです。私たちの内部に私たちの意識よりも多くのことを知っているものがひそんでいて、それが語りかけてくるといった感じなのです。

         

         

         

        それは、自分が知っていることなどたかが知れていると気づかせる何かです。つまり、人間の内部には、意識では到達できない領域が広がっていることを教えてくれるのです。私は以前、人間とは記憶のことだと書きました。その記憶とは個体としての身体の中に閉じ込められている記憶のことでした。

         

         

         

        しかし、自分では体験したことのないことを突然思い出したり、人の死や偶然の出来事によって、異質な記憶の層に引っかかったりしたことはないでしょうか。なんだかオカルトっぽくなりそうですが、人間が霊的な存在であることを思えば、不思議でも何でもありません。鈴木大拙は「霊性」と言っています。

         

         

         

        私はイサム・ノグチの作品を見ている時や、古寺巡礼を続けている時に、こういった経験をすることがあります。すぐれた建築や絵画、彫刻に興味を持ったのは、この経験を深め、その意味を探りたいと思ったからです。そのことをブログで書いたことがあります。

         

         

         

        その中の一つ、『私の古寺巡礼13−奈良・慈光院』から引用します。

         

         

        古寺巡礼を続けていると、自分の体温というか体質というか、趣向にとても近い建築に出会います。琴線が共鳴するのです。それは初めて出会ったのに、ずっと前から知っていたような、そんな感じです。私の美意識のルーツはいったいどこに由来しているのか、それはまだいろんなところに存在しているのか、ひょっとしてこれからもそういったものに出会えるのか、と考えると、生きることには意味がある、人生は楽しいと思えてくるのです。」

         

         

         

        そして私は気づきました。私たちの内部にあると思っていた記憶も魂も、実は私たちの外部にあるのではないかと。人間は、一人一人が孤立して独自の魂を持って生きているのではなく、大きな魂を一人一人の魂が形作っている存在だと。それが分かると、自分がなぜ生きてきたのか分かるような気がします。自分がなぜ死んでいくのかも分かりそうです。

         

         

         

        ことによると、人間は本来自分を意識せずに生きて行ける存在なのかもしれません。それに気づけば、いたるところに<生>の起源を見出すことができます。なぜなら、私たちは意識を与えられる前の、<生>の始まりに向かって旅をしているからです。

         

         

         

        興味がありましたら、鈴木大拙に言及している以下の記事をお読み下さい。

         

        「『普遍的な感情』とは、どのようなものか。」

        http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=87

         

        | 文学・哲学・思想 | 22:35 | comments(0) | - |
        とっておきの場所 ・ ニューヨーク「ペイリー・パーク」
        0

          私にはとっておきの場所が二か所あります。一つは、ブログでも紹介した、コペンハーゲン中央駅から電車で小一時間の距離にあるルイジアナ美術館。この美術館の素晴らしさは、何と言ってもランドスケープにあります。建築はランドスケープの一要素に過ぎないと教えてくれたのはこの美術館でした。百聞は一見に如かず。デンマークに行くことがあったら、ぜひ立ち寄ってみて下さい。

           

           

          ルイジアナ美術館

           

           

           

           

           

          今回紹介するのは、もう一つのとっておきの場所、ニューヨークの街の真ん中にある「ペイリー・パーク」です。高層ビル群が建ち並ぶニューヨーク近代美術館の並びにある、わずか13メートル×30メートルの小さな公園、いわゆるポケットパークです。

           

          「ペイリー・パーク」

           

           

           

          ランドスケープ・アーキテクト、ロバート・ザイオンの設計で、ビルの谷間に造形されています。ハリー・ベルトイアの白のワイヤーフレームの椅子が置かれている、大都会のオアシスです。これをウィリアム・ペイリー財団が管理運営しています。

           

           

           

          「ペイリー・パーク」は、周囲の喧騒から離れたヒューマンスケールの空間を人々に提供しているのです。こうした空間は都市生活に欠かすことのできないものですね。歩き疲れた時、あるいは待ち合わせの場所として、とにかく座ることが出来るスペースは欠かせません。

           

           

           

          「ペイリー・パーク」の一番奥には、高さ6.1mの滝があります。流れ落ちる水の音が都会の喧騒を忘れさせてくれます。同時に中心的な視覚要素となっていて、歩行者を立ち止まらせ、その魅力に惹かれて公園に入ってみようと思わせるのです。

           

           

           

          小さな売店があり、サンドイッチやコーヒーといった軽食を手軽な値段で買うことができます。いわゆる、アウトドアカフェです。人々は、日常の何気ない会話を楽しんだり、ランチを楽しんだりしています。ちなみに、ニューヨークでは、オープンスペースの20%をこのカフェスペースに利用して良いとの規則があるそうです。

           

          木洩れ日がやさしい空間です。

           

           

           

           

           

          ところで、このペイリー・パークに関しては特別の思い出があります。昔の恋人と別れたのがこの公園だったのです、なんちゃって。冗談です。

           

           

           

          実はブログで紹介したSさんの奥さんが、わが家の見学に来た時、玄関アプローチに敷いている石(ピンコロ石)と中庭のベルトイアのダイヤモンド・チェア(もちろん、リプロダクトです)を見て、「もしかして、先生はニューヨークのペイリー・パークを御存知ですか?」と言ったのです。

           

          冬の「ペイリー・パーク」。敷き石はピンコロ石です。

           

           

           

           

          私は一瞬絶句しました。実はルイス・カーンや、中村好文さんと並んで、ペイリー・パークの設計者であるロバート・ザイオンに深く影響されていたからです。それを一瞬で見破ったのですから、恐るべき眼力の持ち主です。私が持てるものを総動員してSさん夫妻の力になろうと思ったのは、これが理由だったのです。

           

           

           

          話を元に戻します。ロバート・ザイオンはアメリカのランドスケープ・デザイナーです。1921年、ニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタンで生まれます。ハーバード大学で工業経営を学んだ後、ランドスケープ・アーキテクチュアのマスターを修得。ニューヨークで独立し活動していましたが、その後、郊外の開発から州の農村居住地を守るためニュージャージーのイムレイスタウンという人口数百人の小さな村にオフィスを移して、質の高いランドスケープをデザインし続けました。そこで交通事故に会い79歳で亡くなります。

           

           

          ペイリー・パークの図面。

           

           

           

           

          その温厚そうな風貌とは裏腹に、彼は造園についてかなりきつい調子で述べています。「ハーバードの造園学科を出ても造園家にはなれない」「造園家が自然そのものからあまりにも離れた距離に置かれていると、デザインすることが困難になるばかりでなく、極端に人工的なデザインをするようになりやすい」と

           

           

           

          複雑な自然の営みの一部を抜き取って、それを違う場所で再構成して見せることを「造園」というならば、それは恐ろしく大それた行為です。そんなことが机の上で一朝一夕にできるわけもありません。

           

           

           

          自然の一部である樹木や植物について学ぶことは、受験勉強のように図鑑の説明を覚えればいいというものではない。植物の生態はその土地の自然条件や風土と一体のものだからです。一歩一歩、急がずに、一生かかるつもりで、少しずつ体験を積み重ねていくしかありません。

           

           

           

          週休三日制のゆったりとした仕事ぶりが、彼のデザインの源泉となっているとの記事を以前読んだことがあります。しかし、週休三日制を採用すれば、誰でも良い仕事ができるわけではないでしょう。

           

           

           

          口を開けば、忙しい忙しいと言っている造園家は、単なるビジネスマンに過ぎません。造園家に求められる資質とは、実は、ゆったりとした暮らしの中から得られる、植物や人間に向けられる視線の優しさ、余裕のようなものなのかも知れません。

           

           

           

          言わずもがなですが、日本の教育に最も欠けているのが、こういった優しさと余裕なのです。

           

          | 自己救済術としての家作り | 14:01 | comments(0) | - |
          「自由で公平で平和な国で死にたい」
          0

            私は多数派に迎合したり、権力に擦り寄ったりすることが何よりも嫌いです。ある人の言説が多数派を恃んでいたり、権力に秋波を送っているのが分かると、生理的に敬遠したくなります。若者ならともかく、それなりに社会経験を積んできた大の大人がデマゴーグにころりと騙されるのを目にすると、もはや私の出る幕はないのだと痛感させられます。

             

             

             

            やっかいなのは、政治的な発言を避けることによって、現状を肯定し、権力を延命させている人たちです。それは、生活の中で分泌される無意識によって形作られた態度です。日本にはこういった態度を、さも知的で良識的であるかのように考えている人が多い。

             

             

             

            私は彼らのことを消極的ネトウヨ層と呼んでいます。少し考えればわかることですが、「政治的な発言を避ける」ことは、「いま権力を握っている人間たちに決定権を委任し、口出しはしません。」という責任放棄と隷従を意味します。

             

             

             

            思えば、こういった態度を教養人のマナーだと勘違いしている人に、何人出会ってきたことでしょうか。その度に私は思ったものです。人格のない1万人にちやほやされるよりも、一人で考え一人で行動する人間から信頼されるような生き方をしようと。

             

             

             

            以来、消極的ネトウヨ層の言説に、首まで浸かりながら、私は自分の心に届く言葉を探し続けてきました。なぜなら、自分の果たしている政治的な役回りに無自覚な人間たちの言葉によって精神が害され、人格が空洞化することを知っているからです。

             

             

             

            そんな日々の中で、久しぶりに素直に心に入ってくる言葉に出会いました。それは、5日、82歳で亡くなった高畑勲監督の短い言葉です。高畑監督の年賀状を映像研究家の叶精二氏がツイッター上で公開したものです。

             

             

             

            高畑勲監督の『火垂るの墓』

             

             

             

             

             

            「皆さまがお健やかに
            お暮らしなされますようお祈りします
            公平で、自由で、仲良く
            平穏な生活ができる国
            海外の戦争に介入せず
            国のどこにも原発と外国の部隊がいない
            賢明強靭な外交で平和を維持する国
            サウイフ国デ ワタシハ死ニタイ です」

             

             

            ブログでこれまで13回にわたって宮崎駿監督を取り上げました。その監督が、インタビューで「宮崎さんは夢を見るんですか?」という問いに、「見ますよ。でもぼくの夢はひとつしかない、いつも登場人物は高畑さんです」と答えています。

             

             

             

            以下、高畑勲監督の言葉を取り上げます。

             

             

             

            「『火垂るの墓』は反戦映画と評されますが、反戦映画が戦争を起こさないため、止めるためのものであるなら、あの作品はそうした役には立たないのではないか」

             

             


            「攻め込まれてひどい目に遭った経験をいくら伝えても、これからの戦争を止める力にはなりにくいのではないか。なぜか。為政者が次なる戦争を始める時は『そういう目に遭わないために戦争をするのだ』と言うに決まっているからです。自衛のための戦争だ、と。惨禍を繰り返したくないという切実な思いを利用し、感情に訴えかけてくる」

             

             

             

            「『火垂るの墓』のようなものが戦争を食い止めることはできないだろう。それは、ずっと思っています。戦争というのはどんな形で始まるのか。情に訴えて涙を流させれば、何かの役にたつか。感情というのはすぐに、あっと言うまに変わってしまう危険性のあるもの。心とか情というのは、人間にとってものすごく大事なものではあるけれども、しかし、平気で変わってしまう。何が支えてくれるかというと、やはり『理性』だと思うんです。戦争がどうやって起こっていくのかについて学ぶことが、結局、それを止めるための大きな力になる」

             

             

             

            「政府が戦争のできる国にしようというときに“ズルズル体質”があったら、ズルズルといっちゃう。戦争のできる国になったとたんに、戦争をしないでいいのに、つい、しちゃったりするんです」

             

             


            「日本は島国で、みんな仲良くやっていきたい。『空気を読み』ながら。そういう人間たちはですね、国が戦争に向かい始めたら、『もう勝ってもらうしかないじゃないか!』となるんです。わかりますか? 負けちゃったら大変ですよ。敗戦国としてひどい目にあう。だから『前は勝てっこないなんて言っていたけれど、もう勝ってもらうしかない』となるんです」

             

             

             

            「『戦争をしたとしても、あのような失敗はしない。われわれはもっと賢くやる。70年前とは時代が違う』とも言うでしょう。本当でしょうか。私たちは戦争中の人と比べて進歩したでしょうか。3・11で安全神話が崩れた後の原発をめぐる為政者の対応をみても、そうは思えません。成り行きでずるずるいくだけで、人々が仕方がないと諦めるところへいつの間にかもっていく。あの戦争の負け方と同じです」

             

             

             

            「日本がずっとやってきた“ズルズル体質”や、責任を取らせない、責任が明確にならないままやっていくような体質が、そのまま続いていくに決まっている。そうしたら、歯止めがかからないのです。だから絶対的な歯止めが必要。それが9条です」

             

             

             

            「『普通の国』なんかになる必要はない。ユニークな国であり続けるべきです。 戦争ができる国になったら、必ず戦争をする国になってしまう。閣議決定で集団的自衛権の行使を認めることによって9条は突如、突破された。私たちはかつてない驚くべき危機に直面しているのではないでしょうか。あの戦争を知っている人なら分かる。戦争が始まる前、つまり、いまが大事です。始めてしまえば、私たちは流されてしまう。だから小さな歯止めではなく、絶対的な歯止めが必要なのです。それが9条だった」

             

             

             

            「なんとかしなきゃと言いながら、無力感が強いですね。安倍政権には(自衛隊南スーダン派遣の)日誌のことも、森友学園も、すごい不祥事が続いていて、でも、なんでそんなことになっているのかを考えたら、えらいことでしょう? 『政権を維持するため』ですよね、簡単に言えば。忖度であれ、なんであれ、どういうメカニズムかは知りません。もちろん、それは改善する必要があるんでしょうが、しかしどっちにしても、それを支えようという力があれだけ働いているのが露骨にわかるにもかかわらず、これで崩れないというのは、もうちょっと考えられない。本当に信じられない」

             

             

             

            宮崎監督は高畑監督が亡くなった日、「まだその気持ちにはなれない」と、コメントは出していません。当然ですね。ふたりの巨匠を支えてきたスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは「宮さんはじつはただひとりの観客を意識して、映画を作っている。宮崎駿がいちばん作品を見せたいのは高畑勲」と断言しました。

             

             

             

            その高畑勲監督の「自由で公平で平和な国で死にたい」という痛切な思いは、これからも無視され続けるのでしょうか。

             

             

            | 中高生の皆さんへ | 13:47 | comments(0) | - |
            うれしい便り・春。
            0

              ブログで紹介したSさん夫妻の住宅の新築工事が始まりました。車を飛ばして現場を見にいきましたが、ロケーションが素晴らしく、成功したも同然だと思いました。それほど住宅にとってロケーションは大切です。私の家も、街中の住宅街にあれば、資材置き場と間違われていたでしょう。周囲に樹木を植えて家らしく見せているだけです。

               

               

               

              図面を見せてもらうと、骨格だけは腕の確かなプロに頼み、後は二人だけで少しずつ作っていく計画が見事に書き込まれていました。住み手である夫妻の、大らかで丁寧な暮らしぶりや、ゆったりとした時間とともにある日々の生活が立ち現われてくるようなプランでした。完成が待ち遠しいですね。

               

               

               

              そんなとき、塾教師 O 君からメールが届きました。家族で埼玉県からわざわざ塾の見学に来てくれたのが、去年の4月23日でした。ちょうど1年になります。あれから中古住宅を手に入れ、私が紹介した中村好文さんの本を読んでデザインし、大工さんと相談して実行に移したのです。そして今春ついに開校だそうです。おめでとう!

               

               

               

              メールには新しい塾の教室の画像が添えられていました。風の吹きぬける、ちょうどいい規模の、あちこちに工夫の跡がうかがえる落ち着ける空間です。黒板の後ろの壁は杉の羽目板を貼っています。教室中に杉板の香りがほのかに漂っているようで、何ともいえない安らぎを与えてくれそうです。

               

               

               

              その一部がドアになっているのですが、見た目には単なる壁です。忍者屋敷の扉のようで、遊び心がありますね。こんな環境で勉強できる生徒は幸せだと思います。

               

               

               

              塾業界では、なにかといえばエビデンスだの、費用対効果だの、何点アップだの、何人抜きだの、成績保証だの、といったキャッチコピーが躍っています。O 君の塾は、幹線道路沿いにある人目を引くキラキラ塾ではなく、閑静な住宅街にあります。

               

               

               

              夕刻になると、部活で疲れ、人間関係でささくれ立った心を抱えた子供たちがやってきます。忘れ物をした生徒や宿題をやっていない生徒もいるかもしれません。それでも塾で勉強するうちに、 O 君の話や数学の面白さに魅せられて、帰る頃にはすっかり元気になっていることでしょう。

               

               

               

              私は、塾教師は O 君の天職だと言いました。それはつまりこういうことです。今 ICT 教育が盛んに宣伝されています。ICT 教育とは簡単に言えばインターネット、タブレット、デジタルコンテンツなどのデジタル技術を使った教育のことです。

               

               

              つまり、「従来の教育では、インターネットを調べればわかることを教師に教わり覚えるということが中心だった。ICT を使うことで、インターネットに聞けばわかることはインターネットに任せて、より効率的に情報を活用した創造的なスキルを養うことに焦点を当てることができる」というわけです。

               

               

               

              要するに塾産業からすれば、ゆくゆくは AI が教育の大部分を肩代わりする時代になる。だから教育をデジタル機器に任せ、先を読んで設備投資をし、費用対効果を常に頭におきながら、利潤を上げるサービスに転換しなければならないということです。

               

               

               

              これからの塾教師は、なによりも、デジタル機器を使いこなせる人材でなければ務まらないと言っているわけです。現に多店舗展開している多くの塾は、そういった人材がいないため、ただ DVD を見せたり、別料金で子供たちに英会話や、速読教室なるものを受講させています。

               

               

               

              一方で、O 君のように塾教師を天職と考える人間は、多店舗展開型の塾などまったく考えていないはずです。これはあくまで、金儲けの論理なのですから。では何をしなければならないのか。

               

               

               

              「教育」そのものを再定義するという困難な仕事に着手しなければならないのです。そうすれば ICT 教育が人間の創造性を高めることに本当に役立つかどうかが見えてくるはずです。加えて、創造性は例えば自己犠牲の精神よりも上位の価値なのか、という疑問にも答えなければなりません。

               

               

               

               ICT 教育は一つの手段です。手段はあくまで手段に過ぎません。にもかかわらず、手段が目的そのものになっているのが今の教育なのです。教育の目的は子供を東大に入れることでは断じてありません。

               

               

               

              手段が目的になればどんな不都合が起こるか。手段と目的の区別がつかない人間が大量に出現し、目的が失われます。その結果、人間を含めてすべてのものが手段と見なされるようになります。

               

               

               

              安倍政権は目的を喪失させ、手段を自己目的化したのです。公文書の偽造・変造や原発の再稼働はその典型例です。目的(理想といってもいい)を喪失した社会の行きつく先はグロテスクな社会つまりディストピア以外にありません。国民は奴隷として働かされ、殺されるしかないのです。現に自殺者が複数出ているではありませんか。

               

               

               

              塾教師を天職だと考えている O 君には、これからやることがまだまだあります。それは困難を伴いますが、これ以上にやりがいのあることはないかもしれません。O 君の健闘を祈ります。

               

               

              | 人生 | 22:06 | comments(0) | - |
              二つの映画をハシゴしました。
              0

                昨日3月31日土曜日、パークプレイスで午後7時から、封切られたばかりの映画『ペンタゴン・ペーパーズ』を観ました。そして、今日はシネマ5bizで『ザ・シークレットマン』を観ました。間に『大統領の陰謀』が挟まっていれば言うことはなかったのですが、なにせ1976年制作の映画ですから、それはない物ねだりでしょう。

                 

                 

                 

                ブログでも何度も書きましたが、1970年代は、まだ報道の自由、表現の自由が国家にとって致命的に重要だということを認識していた新聞人がいたのです。報道の自由が民主主義を支えていること、ひいては国家間の戦争を回避するためになくてはならないものだということを、骨の髄から分かっている報道人がいたのです。

                 

                 

                 

                なぜなら、文書の隠蔽・偽造によってアメリカの若者50万人以上がベトナムで命を落とし、女性や子供を含む100万人以上のベトナム人が殺されたのですから。文書の隠蔽・偽造が国家を内部から腐らせ、やがては崩壊につながること、つまり国民が政府によって殺されることは自明なのです。

                 

                 

                 

                今の日本の若者はベトナム戦争がでっち上げによって始まったことを知っているでしょうか。それが私たちの世界に何をもたらしたかを含めて学習しているでしょうか。もちろんイラク戦争や湾岸戦争もしかりです。私はすでに『現代の戦争に偶発はない。すべて営利行為である』と書きました。

                 

                 

                 

                『大統領の陰謀』は、ワシントンポストでウォーターゲイト事件を調査していた駆け出しの記者(映画ではダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォードが演じていました)が、ニクソン大統領の指示があったことを突き止め、それをワシントンポストが社運をかけて守る、つまり報道の自由に命をかけた新聞人の気概を描いた映画です。

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                今回2本の映画をハシゴしようと思ったのも、『大統領の陰謀』を観ていたからです。政治に深く思いを致したことのない人が、素朴にこの2本の映画を観たらどう思うでしょうか。それが知りたくて妻とハシゴしたのですが、「権力は人の命なんて何とも思っていないことがわかる。今の日本とそっくりというか、日本のことが描かれているわね」という感想でした。おそらく頭のいかれたネトウヨを除けば、ほとんどの人は妻と同じ感想を持つのではないでしょうか。

                 

                 

                 

                森友事件、いやアッキード疑獄を扱った昨日の報道特集で、フランス「ル・フィガロ」のレジス特派員が言っています。「私が非常に心配しているのは、スキャンダルそのものよりむしろスキャンダルへの対応です。もしこれがフランスであれば処罰の実行などもっと早く対応すると思います。そして時の政権は崩壊するでしょう。事件に自殺が絡んでいる場合は特に」と。

                 

                 

                 

                国会答弁のために財務官僚が公文書を組織的に捏造することがどれほど重大な犯罪なのか、国家に対する裏切りなのかを、当の財務大臣はもとより安倍首相がまったく分かっていません。それが明らかになったあとも内閣が倒れないのですから、手の施しようがないほどの腐敗というか虚無が私たちの間に広がっているということです。

                 

                | 読書・映画 | 22:06 | comments(0) | - |
                | 1/1PAGES |