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《目次》
プロローグ
第1章 テレビマンとは何者か
第2章 大事なのは、誰と仕事をするか
第3章 表現とタブー
第4章 放送は常に未完である
第5章 世の中には理解不能な現実がある
第6章 ドキュメンタリーを、誰が求めているのか
第7章 「ダメモト」が表現世界を開く──〈司法シリーズ〉のこと
第8章 「ドキュメンタリー・ドラマ」とは何か
第9章 あの時から、ドキュメンタリーは閉塞した世界だった
第10章 題材は探すのではなく、出会うもの
第11章 組織の中の職人は茨の道
第12章 「わかりやすさ」という病
第13章 樹木希林ふたたび
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まず私たちの生命と暮らしを脅かす事実を知ること。それにたいしてどのような認識を持つのか。この国のみならず、世界を壊滅させる災厄とどう向き合うのか。次世代に対してどう責任を取るのか、そもそも責任を取れるのか。自分に何ができるのか。この現実にどう向き合うのか。それを教えるのが教育のはずだが、この国には教育も哲学も存在しない。
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小出 裕章,渡辺 満久,明石 昇二郎
原発よりもはるかに危険な六ヶ所村再処理工場。私たちの日々の生活が薄氷の上で営まれていることを痛感させられる。同時に、この国には「国民の生命・財産・自由を守り抜く!」と威勢のいいことを言う総理大臣と無能の政治家しかいないことに絶望する。核燃料サイクルと言い、下北半島の再処理工場と言い、3兆円以上の国民の税金がつぎ込まれ、いまだ後始末も将来の見通しもたっていない現実をどう考えているのか。彼らは核兵器を持ちたいという願望と税金をロンダリングして私腹を肥やすことしか眼中にない。北海道の地震だけに目を奪われてはならない。六ヶ所村は今回の震源地の目と鼻の先にあるのだ。
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D.J.ブーアスティン
私にとっては古典の中の古典。三度読みました。そしてその慧眼にいまだに驚いています。
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殺人犯はそこにいる (新潮文庫)
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清水 潔
ジャーナリストと称する職業がある。自称ジャーナリストもいれば、テレビのコメンテーターとしてリベラルに媚びる政権批判をし、名を売り、講演で稼ぐ職業をジャーナリストと呼ぶ者もいる。とんだ茶番である。ジャーナリストとはどこまでも「事実」を追いかける。テレビに出て能天気な解釈や感想を垂れ流している暇などないはずだ。ジャーナリストを志す若い人には清水氏の著作は避けて通れない。その名に値する本物のジャーナリストがここにいる。
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福田 直子
おそらく自民党・安倍政権はSNSを駆使し、分析するデータサイエンス(日本版なのでレベルはまだ低いですが)の重要性に着目し、選挙にどうすれば勝てるか、自分たちに有利な世論を形成し、国民を誘導・分断するにはどうすればいいのかが分かっているのです。そのためのノウハウも蓄積しつつあります。安倍首相の貧困な語彙力からは想像できないカタカナ言葉を聞いていると、それがSNSを分析している集団から教えられたものであることがよくわかります。ただ彼らの致命的な弱点は将来の社会を導く理想がないことです。おそらく、思いもかけない結果が待っていることでしょう。なぜなら、所詮、彼らはアメリカとビッグデータの奴隷でしかないのですから。これからの政治は、好むと好まざるとにかかわらず、この本に書かれていること抜きには語れなくなっているのです。
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安倍政権に対するメディアの忖度が云々されていますが、元々同じ穴のムジナなのです。忘れてならないのは、日中戦争から太平洋戦争にかけて、日本の世論と新聞のほぼ全部は好戦的・拡張主義的だったのです。しかも、当時はまだ言論統制体制が発足していなかったのです。この本は、そうした「一貫して好戦的な世論とそれに便乗する新聞」が先導し、近衛文麿はじめ文民政治家がそれに便乗、軍部がさらに便乗、という構図を一次資料で克明に論証しています。安倍政権を支持するネトウヨの皆さんの日本語力では、まともな読解は無理ですので勧めません。一方、正確な歴史を知るためには「世論」の不気味さを知ることだと気づいている若い人には是非一読を勧めます。
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茫漠の曠野 ノモンハン
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松本草平
著者は大分市にある『天心堂へつぎ病院』の院長、松本文六氏の御尊父、松本草平(本名松本弘)氏です。詳しくは、ブログで紹介したいと思いますが、第一次資料として極めて価値の高いものです。40年ぶりに復刻版を出された松本文六氏と出版社に感謝する他ありません。
戦略も何もない、無謀・無慈悲な戦争を語り継ぐことは、最も崇高で重要な人間の営為だと私は考えています。作家の司馬遼太郎氏は、電話で草平氏に次のように伝えてきたそうです。「先生の臨場感のあるノモンハン戦記に出会えて本当にありがとうございました。私は大東亜戦争の折、戦車隊の一員として従軍しましたが、先生の従軍記以上のものを創ることはできません。」と。
一人でも多くの方がこの本を読まれることを望みます。ちなみに松本文六氏は伊方原発差止め訴訟の原告でもあります。その縁で、この本に出会うことができました。
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「南京事件」を調査せよ (文春文庫)
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清水 潔
全国のネトウヨの皆さんへの推薦図書です。清水氏のこの本を読んでから、「南京事件はなかった!」「南京事件は捏造だ!」と叫びましょうネ。
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広瀬隆
広瀬氏をアジテーターだの、オオカミ少年だの、悲観主義に過ぎると言って批判する人がいる。しかし、ブログで何度も述べてきたように、真の悲観主義こそがマインドコントールによって奴隷根性のしみ込んだ私たちの精神を浄化してくれるのだ。そもそも無知では悲観が生まれようもないではないか。国などいくら破れても結構。せめて山河だけでも次世代に残そうと考える人ならぜひとも読むべき本である。いや、これから幾多の春秋に富む若い人にこそすすめたい。
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チャヴ 弱者を敵視する社会
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オーウェン・ジョーンズ,Owen Jones
【本書への賛辞】

「怒りが生んだ、最高の本」
──ガーディアン紙

最高の論争がみなそうであるように、知性に裏打ちされた怒りが本書を支えている。
──エコノミスト誌

暴動や世界中に広がったオキュパイ運動に照らして考えると、分断社会に関する著者の鋭い分析は、
不気味なほど未来を予知していたことがわかる。
──アートフォーラム誌

情熱と、思いやりと、すぐれた道徳性が結実した仕事だ。
──ニューヨーク・タイムズ紙

政治の定説を見直す大胆な試み。著者は戦後のイギリス史を縦横無尽に往き来し、
階級、文化、アイデンティティといった複雑な問題を軽々とまとめてみせ、
結果として「階級」問題に火をつけ、大きな効果をあげている。
──インディペンデント紙

いまの制度が貧しい人々を見捨てていることに対する苛烈な警告──それが本書だ。
──ブログサイト「デイリー・ビースト」

ジョーンズは、「地の塩」だった労働者階級が政治のせいで「地のクズ」と見なされるようになった経緯を見事に説明している。
──タイムズ紙

この本は、新しいタイプの階級嫌悪と、その裏にあるものを痛烈にあばいて見せてくれる。
──ジョン・ケアリー(The Intellectuals and the Masses著者)

これは「イギリスはおおむね階級のない社会である」という考え方への、論理的で情報満載の大反撃だ。
──オブザーバー紙

情熱的で示唆に富む……この声が届くことを心から願う。
──スコットランド・オン・サンデー紙
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紹介していない本が山のようにあります。数日前にこの本を本棚の奥から引っ張り出し再読しました。いや〜面白かった。。とにかくこの本のことを忘れていた自分が信じられない。読んでない人に熱烈に勧めます。ハイ。
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英語の実際的研究 (1969年)
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秋山 敏
高校生にとって、今でも一押しの不朽の名著。でもこの本をことを知っている英語教師は少ないと思います。是非復刊してほしいものです。
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スノーデン 日本への警告 (集英社新書)
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エドワード・スノーデン,青木 理,井桁大介,金昌浩,ベン・ワイズナー,宮下紘,マリコ・ヒロセ
2017年4月18日、朝日新聞がようやく「パノプティプコン」を取り上げました。遅すぎますね。
これから先の日本社会は、ますます荒廃が進み、国民の不満が頂点に達し、やがて爆発します。それを未然に防ぐために、国は国民の監視を強化します。
実際アメリカでは「愛国者法」により、電子メールや携帯の通話履歴が監視の対象になっています。誰が、いつ、どこで、何を読んで、誰と通信を交わしたか、すべて国に筒抜けです。
「パノプティプコン」とはフランスの哲学者フーコーが用いた概念ですが、国民が刑務所の囚人のように監視される体制を言います。監視者の姿は見えませんが、囚人は監視者不在でも、監視を意識することによって管理統制されるのです。これを「パノプティシズム」と言います。
このシステムから解放されるためには、権力がどう管理・統制しようとしているかを知らねばなりません。この本はそれを知るための第一歩です。あなたが無知のまま、奴隷の人生を送りたければ、読む必要はありません。
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A.ミラー
アリスミラーのこの本は、塾を始めるきっかけになりました。ただ生活のためだけなら、他のことをしていたでしょう。『才能ある子のドラマ』とあわせて、当時の私には衝撃的な本でした。人生はどこでどう転ぶかわかりません。人間の奥深さを知ることで、何とか自分を維持していたのです。この本を読むと当時のことが、ありありと思い出されます。ある意味で、私の人生を方向づけた本かもしれません。
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NHK「東海村臨界事故」取材班

2月18日のブログでも書きましたが、仕事のために読むビジネス書の類は、最終的には効率を重視し、最小の資本と労力の投下で、いかにして最大の利益を上げるかということに尽きていると思います。そのための働き方改革であり、そのための賃上げです。そのための人心掌握術であり、顧客対応です。ビジネス書を読めば読むほど、人間は軽薄になり、視野が狭くなっていきます。もしあなたがそれを自覚するきっかけがほしいなら、是非この本を読むことを勧めます。読書はビジネスのためにするのではないということが分かると思います。この本は私たちの日常の風景を一変させるだけのインパクトを持っています。いわば、ことばの最高の意味における「闖入者」なのです。
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服従
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瀬木 比呂志
この本はまだ発売されていません。自分で読んでいない本を推薦するのは邪道でしょう。しかし、これまでの『絶望の裁判所』『ニッポンの裁判』(ともに講談社現代新書)に続く裁判所、司法批判の第3弾が長編の権力小説だということで、過去2冊の本の面白さからして、推薦に値する本だと思いました。『原発ホワイトアウト』の最高裁判所ヴァージョンだと思います。読んでからコメントを追加したいと思います。
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アモン・シェイ
学校なる場所に通っていた時、毎年夏になると課題図書を読んで、読書感想文を書かねばならないのが苦痛でした。課題図書の選定には学校と書店の密約があるに違いないと思っていたくらいです。

偶然巡り合った面白い本の感想を書くのならまだ我慢できたかもしれません。つくづく学校というところは、余計なことをしてくれると思ったものです。

あまりにめんどうくさいので、「あとがき」を参考に、あらすじを書いて提出したら、トリプルAをもらいました。

学校というところは、もしかしたら、人生の退屈に耐える訓練をする場所だったのかもしれません。この本を読んで、改めてそのことを確認しました。別に先生を責めているわけではありません。それほど自覚的に生きるということは難しいのだとため息をついているだけです。
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想田和弘監督の観察映画。音楽による演出は一切なく、徹頭徹尾監督の視点で撮られたドキュメンタリー映画。見終わった後、日本の選挙風土の貧困さが浮かび上がる。この国に民主主義はない、ということを改めて確認し、そこから出発するしかない。その勇気を持つ人には必見の映画です。合わせて『選挙2』もどうぞ。
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マックス ヴェーバー
ウェーバーの死の1年前、1919年、学生達に向けた講演の記録です。
一部抜粋します。

「自分が世間に対して捧げようとするものに比べて、現実の世の中が―自分の立場からみて―どんなに愚かであり卑俗であっても、断じてく挫けない人間。どんな事態に直面しても「それにもかかわらず!」と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への「天職」を持つ。」(P105〜106)

「さて、ここにおいでの諸君、10年後にもう一度この点について話し合おうではないか。残念ながら私はあれやこれやいろんな理由から、どうも悪い予感がしてならないのだが、10年後には反動の時代がとっくに始まっていて、諸君の多くの人が―正直に言って私もだが―期待していたことのまずほとんどは、まさか全部でもあるまいが、少なくとも外見上たいていのものは、実現されていないだろう。」(P103〜104)

10年後には、ワイマール体制は機能不全に陥り、1933年にはヒトラーが首相に就任します。

平和憲法は、日本人にとって310万人の命と引き換えに手に入れた唯一と言っていい理念であり、アイデンティティーでした。その唯一の誇りを、日本人は損得勘定で葬り去ろうとしています。言い古された言葉ですが、歴史は繰り返すのです。
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中沢 新一
小学校を卒業するころ、将来なりたい職業として思い描いていたのが、天文学者か生物学者でした。プロ野球選手は、自分のセンスでは無理だと悟りました。物ごころついたころから興味があったのは宇宙や昆虫や植物の世界でした。そんなわけで南方熊樟に出会うのは必然的な成り行きだったのです。人間は言葉によって世界を把握しますが、それ以外の把握の仕方があるはずだと、ずっと思ってきました。南方熊樟は、小林秀雄と同じく、直観による世界の把握の仕方を教えてくれました。この本は、言葉によって構成された世界秩序の外に出て、世界を改めて考えたい人に大いなるヒントをあたえてくれます。安倍政権によるゴキブリのフンのような、あまりにばかばかしい政治状況を見せつけられているので、精神の衛生学として一気に読みました。
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こどもの教育から裏金を使ったオリンピック誘致、原発再稼働、戦争準備から武器の売却、安倍政権の裏の権力としてメディアに絶大な影響力を行使する電通。私たちは電通が作り上げた「箱」の中でいいようにマインドコントロールされている。自分の意見だと思っていたものが、実はそう思わされていただけだということに気づかなければならない。音楽をはじめとする芸能情報、その中で踊らされるミュージシャンやタレント、果てはデザイン業界までを席巻する。今や電通の介在しないメディアはないと言ってもいい。利権あるところに電通あり、です。
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前作『日本はなぜ「基地」と「原発」止められないのか』に続く著者渾身の力作。自分の人生を生きたい人にすすめます。ただそれだけです。18歳で選挙権が与えらる高校生が政治を考える際の基本的なテキストになる日がくるといいですね。無理でしょうが。これ以上余計なコメントはしません。まず手に取ってみてください。
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メディアで取り上げられるよりはるか前から日本会議の存在について私は言及していました。電通と同じくタブー視するメディアには心底失望したものです。報道すればタブーはタブーでなくなるのです。何を恐れているのでしょうか。干されれば、何とか生活をする工面をすればよい。それだけのことです。
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磯崎新
帯に「祝祭都市にスタジアムはいらない」とあります。そもそも2020年まで天災と原発事故をやり過ごし、経済危機を乗り越えて存在しているでしょうか。極めて怪しいですね。偶然書店で手に取って読みました。彼の文章を読むと、建築は現世の権力に奉仕するものではなく、想像力の王国を作るものだと思わされます。建築にそれほど興味のない人でも、読めます。いや、いつのまにか引き込まれているでしょう。
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難関中高一貫校で学び、東大に合格しても、それはもはや知性のバロメーターではありません。この本に書かれていることが真実だと見破れることこそが本物の知性です。ニセの知性は既得権益を守るためにはどんな屁理屈でもひねり出します。おまえは何も知らないと言って他人を見下し、金と権力におもねるのです。ニセの知性は理想の灯を掲げることができません。「脳内お花畑」などという幼稚な言葉を使って揶揄するしかないのです。彼らの決まり文句は、他国が攻めてきたらどうするのかという、それこそ「脳内お花畑」的なものです。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とは、まさに至言です。
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烏賀陽弘道
私の元塾生の縁でお会いしたことのある烏賀陽弘道氏の渾身のレポート。事実を丹念に調べ上げ(これがジャーナリストの本来やることです)事実をして語らしめることのできる稀有なジャーナリスト。この本を読まずに福島第一原発の事故の本質に迫ることはできない。ダブル選挙の前に一人でも多くの国民が読むことを期待します。
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松岡正剛氏の本はどれも面白く、シリーズの千夜千冊を除けばほとんど読んでいます。『多読術』は、高校生にぜひ勧めたいと思います。高校時代に、この本を読んでおくと、さまざまな分野の知的見取り図を手に入れることができます。学校の授業だけではなく、この本を手掛かりにして知の荒野に歩みを進めてほしいと思います。
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カント
安倍首相は「この道しかない」と言って消費税を上げ、集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定をし、公約とは正反対のTPPを批准することで、日本の文化=アイデンティティーを破壊しようとしています。

もし私たちが生き延びたければ、そのヒントがこの本の中に書かれています。日本は超大国の「夢」を代弁するだけの国になってはなりません。
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山本 太郎
山本氏の国会での質問を、本になって改めて読み直して感じることは、文字通り「みんなが聞きたい」質問をしてくれたということです。安倍首相が小学生に「なぜ政治家になったのですか」と質問された時、「父親も祖父も政治家をしていたからです」と答えていました。小学生相手に、何と言う悲しい答えでしょうか。語るべき理想を持たない政治家など、所詮は官僚に利用されるだけです。それに対して、山本氏には語るべき理想がある。「政治なんてそんなものさ」というリアリストが発散する腐臭を吹き飛ばすさわやかさがある。それは、彼の身体には収まりきれない理想が持つ力そのものです。彼は言います。「力を貸してほしい。少なくとも、あなたが必要だと思われる社会、私が必要だと思われる社会を作っていきたい。そう思うんです」と。日本の総理大臣にふさわしいのはどちらでしょうか。
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ジョン・W・ダワー,ガバン・マコーマック
おそらく、日本人自身よりも海外の知識人のほうが、日本の問題を正確にとらえていると思わせる本です。読み終えて何気なくテレビを見たら、わが大分県選出の国会議員、岩屋毅氏と江藤晟一氏が、2016年ミスユニバース大分県代表を選ぶ催し物に出ていました。名誉顧問だそうです。いかがわしい宗教団体をバックに票を稼ぐだけでは飽き足らず、こんな大会に顔を出して名前を売ろうとする。大分市長の佐藤樹一郎氏も出席していました。このお三方は、こんなことをするために国会議員や市長になったのでしょうか。国民の税金を使ってやることといえば、テレビに出演してにやけた顔をさらすことでしょうか。もう物事の軽重が全く分かっていません。せめてこの本くらい読んではどうでしょうか。私はこの本に書かれていることの大部分に賛成です。
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2年半ほど前に求めて、一気に読みました。マルクスの『資本論』の中に書かれていることを、著者が自分なりに消化し実践していく過程が書かれているので、一種のドキュメンタリー文学として読めます。きっと著者と同じ思いの若者は全国にたくさんいると思います。かけがえのない一回きりの人生を、充実して生きたいと思っている人に勇気を与える本です。
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もう何と言うか、別世界を生きている人間です。彼の発する言葉は文学とは無縁です。人間が言葉を持ったのは、言葉にしがたいものを言葉にしようとするためです。政治家が発する言葉の軽さと言ったらありません。それだけ現実も軽いものになったということでしょう。
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鈴木大拙の言わんとすることが、ようやくわかりかけてきました。年齢を重ね、日本文化の基底にあるものをじっくり味わうことで開示される世界があるのです。日々の生活に追われていては、この本を読み、味わう暇などないでしょうが、それだからこそ手に取ってみてはいかがでしょう。
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人間は、条件次第で、喜々として殺人を犯す。そして、その条件を整備しつつあるのが、安倍政権とその背後でうごめく『日本会議』である。このことに気づいていても、「配慮する」ことを最優先して報道しないメディア(特にNHK・読売新聞・産経新聞)。そしてそこに寄生する学者やコメンテーター、芸能人。このドキュメンタリー映画は、彼らの自画像である。たまには、自らの顔をじっくり眺めてみるがよい。
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私が長年考えてきた問題を解明するヒントになりました。ブログで書いたように、まず感情を基にした結論があって、それを正当化するために人は「知性」を動員するという、ごく当たり前のことが書かれている。つまり、知の粉飾決算報告書である。
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食う寝る遊ぶ 小屋暮らし (JUGEMレビュー »)
中村 好文
中村さんの著作の中では、個人的に最も好きな本です。読んでいるだけで楽しくなります。限りなく優しい、でも、痛烈な文明批評です。これからの生き方のヒントが満載です。それを一人でも多くの人と分かち合いたいと思い、中村好文論・その3の中で引用させていただきました。
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暮らしを旅する
暮らしを旅する (JUGEMレビュー »)
中村 好文
以下は私がアマゾンのレビューに投稿したものです。再録します。
「もし人に幸福な生き方があるとしたら、中村好文さんのような生き方だろうと、ずっと思ってきました。
建築雑誌をパラパラとめくりながら、ふむ、と思って手が止まると、そこには必ずと言っていいほど中村さんの設計した住宅がありました。
文は人なりと言いますが、その人の書く文章のエッセンスがこれほど見事に建築にも表現されている例はめったにありません。
建築に限らず、食の分野でも、ことばと実物の乖離がはなはだしい時代に、中村さんの設計した住宅や美術館に出会うと、どこか安心するのですね。
そういうわけで、著者の本はすべて読ませてもらっています。
この本も偶然、年末に本屋さんで手に入れ、装丁やカバーの手触りを楽しみながら読んでいます。
読みながらいつの間にかほのぼのとしている自分を発見します。
一日に一編か二編を過去の記憶をたどるようにして読んでいます。
この本の平明さ、やさしさがどこから来るのか。そんなことを分析するのは野暮というものです。
とにかくこの素敵な小さな本は、旅のお供にどうぞ!とすすめたくなります。」
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    息を吐くようにウソを言い、フリガナだらけの原稿を棒読みするか屁理屈で時間を稼いで野党議員の質問をはぐらかす。かと思えば、コロナウィルス対策のスタンドプレーで支持率回復を狙う。疫病から国民の命や生活を守ることは、本来専門家が迅速に決断することで、政治は財政面を含めてそれを後押しすればいいのです。「ボクちゃん」の出番はないのです。

     

     

     

    ところが、原発事故の際に湧いて出てきた御用学者同様、当の専門家を信用できないときています。だから、国民は徐々に殺されていく運命だと言ったのです。政治の無策が原因で殺されたくなかったら、「ボクちゃん」を一刻も早く辞めさせることだと言い続けて8年になります。

     

     

     

    政治家は国民の日々の暮らしの上に載っている神輿に過ぎません。神輿が威張りちらし、我が物顔に振る舞い、国富を私物化して恥じないなら、そんな神輿は放り投げればいいのです。しかし、その神輿をありがたがって担いでいるのが、倫理なき経済界なのです。

     

     

     

    今度の全国の小中高等学校の一斉休校も、「ボクちゃん」の頭にパッとひらめいた思いつきに過ぎません。一斉休校すれば、給食も止まります。止まると野菜も肉も生乳も大量に余ります。農業や酪農で生計を立てている人の生活を直撃するのです。当然経済的ダメージも計り知れません。そのうえ食事抜きの子供も出てきます。

     

     

     

    そんな諸問題についての政府説明は一切なしです。自民党議員よ!バカの気まぐれに付き合うのもいい加減にせよ!と言ってもあなたたちもバカだから「どうしようもねえな」。

     

     

     

    かくも幼稚な戦争屋が憲法を改正して、緊急事態条項を手に入れようものなら、この国は本当に終わってしまいます。いや、3・11の原発事故の際、「ボクちゃん」が総理をしていたら、東日本はまちがいなく全滅していたでしょう。

     

     

     

    歴史にifはないと言われますが、過去を振り返り「ありえたかもしれない地点」に立ち戻って考えることこそが、私たちの社会をより良きものしていくために必要な真に自由な精神的な態度です。

     

     

     

    コロナウィルスが全国に蔓延しているとき、南海トラフ地震が日本を襲い、原発が暴走し、放射能をまき散らしている事態をシュミレーションしている政治家がいるでしょうか。そういうわけですから、コロナウィルスの封じ込めは失敗するでしょう。その結果私たちの価値観は大きく転換せざるを得ません。

     

     

     

    最後に、時間を持て余すかもしれない中高生に一つだけ映画を推薦しておきます。タイトルは『メランコリア』です。アマゾンプライムでもネットフリックスでも観ることができます。惑星が地球に衝突する話ですが、アルベール・カミュの『ペスト』と同じように、驚くべき洞察に満ちた作品です。

     

     

     

     

     

    私たちは、人間がまとっている外形的なもの、学歴や勤めている会社、あるいは地縁血縁といったもので人の価値を判断します。たまたま能力が高く、美形で、家庭環境に恵まれた人が活躍し見返りを得るのは当然で、そうでない人が落ちぶれるのは必然で仕方ない、「自己責任」だと考えるのが今の社会です。

     

     

     

    たまたま裕福な家庭に生まれ、たまたま多数派に属している人が、自らの地位を当然だと思い、頭数を武器に民主的な暴政をふるっているのが今の日本です。

     

     

     

    それをただすにはどうすればいいのでしょうか。人格に対する洞察力を高めるしかありません。外形的なものにとらわれず、相手の言葉や立ち居振る舞い、笑ったり、怒ったり、悲しんだりするときの様子を観察することです。その結果、自分の内面に起こった感情の由来を確かめる、私にはそれしか思いつきません。

     

     

    | 中高生の皆さんへ | 14:56 | comments(0) | - |
    入試に臨む皆さんへ。1年後に今日という日を振り返る。
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      皆さんはunsung hero という言葉をご存知ですか。unsung とは「歌われることのない」という意味です。sung はsing の過去分詞ですね。

       

       

      「注目もされず、称賛もされないけれど、本来ならそれに値する善き行い」という意味です。僕たちのまわりには、「歌われざる英雄」がたくさんいます。社会はそういう人によって支えられています。

       

       

      例えば、雪深い北陸や北海道の街で、朝早く起きて雪かきをする人は、誰のためでもない自分のためにやっているのかもしれません。しかし、皆がそれをすることで通行人が転んで骨折をしたり、足をくじいたりしないで済みます。

       

       

      もちろん雪かきをした人は誰からも感謝されません。しかし、一人一人が自分の仕事をきちんとすることで、多くの人を救っているのです。おそらく、こういった行為の集積によって巨大なカタストロフィー(破局)が未然に防止されているのです。つまり、雪かきが社会貢献だなどとは思ってはいない人々によって、社会は安全を保つことができているということです。

       

       

      僕たちは、明日も今日と同じ日が続くと考えますが、それを保証するものは何一つありません。日本はこれから高齢化が進み、人口が減少していきます。これまでの枠組みで考えていては、生き延びることができないかもしれません。僕は君たちになんとか生き延びてほしいのです。一体どうすればいいのでしょうか。

       

       

      僕は次のように考えています。現実をしっかり見て、学び続ける人が生き延びるのだ、と。

       

       

      具体的に話しましょう。世の中には色々な職業があります。皆さんはあと数年もすれば、自分で生活の糧を得なければなりません。大変そうですね。でも、次のことを忘れないでください。

       

       

      まず、15歳で、あるいは18歳の段階で、自分が何に向いているかはわからないのが当たり前だということ。むしろ、就職する前に、自分の向き不向きを決めつけてしまうことは危険です。僕は今でも塾の教師という仕事が自分に向いているかどうか分からないのです。

       

       

      僕は、父親が突然癌で亡くなり、妻と子供たちを連れて大分に帰ってきた日から、一日一日を工夫してなんとか生きてきました。塾教師として今日まで生きて来られたのは運がよかったからです。そして人生は偶然が積み重なってできていると気づいたのです。こうすればこういう結果が必ず生じるという考え方(必然論といいます)は、どこか嘘っぽいですね。

       

        

      それは、お前がさえない塾の教師だからそう思うんだろう、という考え方も一理あります。世の中には、夢を実現させてそれを職業にしている人もいるではないか、と言いたいのでしょう。わかります。でも僕もそれなりに歳をとって、色々な経験を積んできました。だからしがない塾教師の話を少しだけ聞いて下さい。

       

       

      僕が塾を始めた30年ほど前から、「夢」と「職業」を結びつけて考える傾向が強くなりました。そして、今や「夢」は、「将来就きたい職業」そのものを意味する言葉になってしまいました。

       

       

       たとえば「プロ野球選手になりたい」「世界で活躍するサッカー選手になりたい」「医者になりたい」「弁護士になりたい」「ファッションデザイナーになりたい」というように。

       

       

       それを後押しするように「夢を持ちなさい」「夢のない人生ほど退屈な人生はない」「夢があってこそ人生は輝く」「自分だけの夢に向かって努力しなさい」というキャッチフレーズが叫ばれています。そのことを疑問に思う声は聞こえて来ません。

       

       

       子どもの頃の僕の「夢」は、大福もちを腹一杯食べたい、パンツ一丁になってウエディングケーキに飛び込みたい(甘党でしたから)、鳥になって空を飛びたいというものでした。職業と全く結びついていません。いや、職業と結びつかないものこそが夢だったのです。

       

       

       そんなたわいもない夢ですから、夢なんかなくても子ども時代は楽しかった。大人から「夢を持て」などと言われたこともありません。そもそも子どもは、今の一瞬一瞬を生きているあるがままの存在です。だから、僕に言わせれば、お仕着せの「夢」にとらわれた子どもはかけがえのない今という時間を台無しにしているかもしれないのです。

       

       

       僕は勉強するなと言っているのではありません。逆です。勉強すればするほど、人間は色々だ、だからこそ職業や肩書で人間を評価する必要はないということがわかります。

       

       

      一方で、勉強が「試験で好成績を上げるためのもの」になればなるほど、本来の学びは忘れられます。そしていくばくかの金銭と虚栄心を満足させることと引き換えに、むなしい人生だけが残ることになる、と言いたいのです。

       

       

      それだけではありません。職業にもとづく肩書信仰は、特定の職業についている人たちへの差別感情を生みます。だれかを見下し差別することによって、自分のプライドを保つなんて、あまりに悲しいことです。君たちは、そういった人生を歩んではなりません。

       

       

       夢はある仕事について数年して振り返って笑えるようなものの方がいいのです。夢やあこがれは、それに到達することによってではなく、届かないことや、笑い話になることによって人間を成長させるものです。

       

       

       自分の望む職業につけなかったら自分の人生は失敗だと考えるのは間違いです。次のように考えてみてはどうでしょうか。「職業」や「職種」で考えるのではなく「職場」で考えるのです。自分の気に入った職場で、気の合う仲間といっしょに働くことができれば、与えられた役割をこなすという単純なことでも責任感と達成感をもたらすからです。 

       

       

       最後にこれだけは覚えておいて下さい。職業は君の個性を生かしたり、夢を実現したりするためにあるのではないということです。社会が必要としているからあるのです。

       

       

       たとえば、新幹線がストップしている深夜にトンネルの点検をする仕事は社会が必要としているからあるのです。 皆さんの中に将来の夢の職業として深夜のトンネル点検を思い描いた人はいるでしょうか。職業は、それをする人間がいないと社会が成り立たないから職業として存在しているのです。

       

       

      そして世の中の大部分の仕事はそういったものです。地味な仕事です。誰からも注目されず、スポットライトが当たることもありません。新幹線にコンクリートの塊が落ちて大事故になったときに初めて注目されます。そして責任を追及されます。でも一方で、僕たちが安心して新幹線を利用できていたのは、陰で点検している人がいたからだという事実に気づくのです。

       

       

       大人になるということは、こういった気づきを一つ一つ積み上げていくということです。 

       

       

      話が長くなりました。でもここまで読んでくれた皆さんなら、高校受験は長い人生の中の単なる通過地点に過ぎないということが分かったはずです。できれば1年後にどこの高校に行っていても、今日という日を振り返って、「ありえたかもしれないもう一つの人生」を想像してもらいたいと思います。あの時、偶然によって別の人生が開かれていたかもしれないと想像することこそが「自由」の意味ですから。

       

       

      さて、いよいよお別れです。今日の話をもし覚えていてくれたら、僕はうれしいです。長い間、雨の日も冬の寒い日も最後まで通って来てくれてありがとう。どうか立派な大人になって下さい。さようなら、中学3年生の皆さん。

       

                              

       

      | 中高生の皆さんへ | 22:50 | comments(2) | - |
      退屈を深く生きる。
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        このところ、古井由吉の『仮往生伝試文』を読み返していました。そして今朝起きて新聞を見ると古井由吉氏の死が伝えられているではありませんか。最近、こういうことがよくあります。

         

         

        古井由吉氏をあまりご存じない方には、以下の本を勧めます。

         

         

         

         

        政治の世界、とりわけ統治機構のトップにいる者の無能と批判精神(主体性の本質です)の欠如を意識しないメディアの報道を見ていると、バカバカしさを通り越して言葉をなくします。

         

         

         

        そんな時、決まって読む本の一冊が古井由吉氏の小説であり、随筆だったのです。氏の文章の明晰さが白濁した意識を浄化してくれるのです。

         

         

         

        私は6年以上も前から、おバカ総理とその取り巻きの浅薄さや人格の空洞化を批判してきました。言葉や表情、振る舞いを観察した結果、彼らは単なる操り人形、言葉の自動機械に過ぎないことに気づいたからです。そして3年前に『イベント人間は信用できない。』を書きました。

         

         

         

        『イベント人間は信用できない。』

        http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=412

         

         

         

        私は、この社会を覆っている文化というか空気の軽さは、人々が退屈から逃げることで生み出されているのではないかと考えました。古井由吉氏の文章の明晰さと強さは、退屈と向き合い、それを深く生きることが自分であり続ける唯一の方法だと自覚したことに由来しているような気がします。

         

         

         

        人類史をたどるまでもなく、天災と戦争(人災の最たるものです)、革命と疫病が人間社会の本質をあぶりだし、人間が平等であることに気づかせる4つの契機です。そしていま私たちの社会は新型コロナウィルスという疫病によって試されています。どんな結果になろうとも、それは私たち自身が招来するものであることを自覚しておかねばなりません。

         

         

        | 文学・哲学・思想 | 12:14 | comments(0) | - |
        アルベール・カミュ『ペスト』を読む。
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          3・11以降、この国を広く覆ったのは感情の劣化と、歴史の捏造・改竄でした。それを加速させたのが大日本帝国のエートスの体現者である「ぼくちゃん」総理とその支持者たちでした。彼らは権力に迎合することが、個人であれ組織であれ、経済的利益にあずかる手っ取り早い方法であると考える人間たちでした。

           

           

           

          彼らは、被雇用者(会社員がほとんどですが)の利益を搾取して豊かになり、しかも世間的な成功者と見なされるのですから、今の社会の支配的な価値観を疑うことはありません。疑えば自分の足元を切り崩すことになるので、現状に異議申し立てをする人間たちを敵とみなします。要するに自分の足元を客観視できない能天気な人間たちなのです。

           

           

           

          東日本大震災から9年になりますが、私は煮え湯を飲まされるようにして悟ったことがあります。それはこの国の多くの人々は、どんな災厄を目にしても、実際に被害に遭わない限り他人事だとしてスルーするということです。カルト化した受験教育とマスメディアによって教育された結果です。

           

           

           

          子供が下手に社会に関心を持ち、そのことで人間的な想像力を起動すれば、少数者の側に転落する可能性が出てきます。そうならないように、親は無意識に子供を見張っています。たこつぼの中に閉じ込めておきたいのです。それが子供の幸福を毀損することになるとも気づかずに。

           

           

           

          政府は言うまでもなく、新型コロナウィルスに対するメディアや人々の反応を見ていると、実際自分の家族や知り合いが感染するまで事態の深刻さを認識しないでしょうね。いや、そうなっても、楽観視したままかもしれません。人間は見たいものしか見ない生き物です。その習性を突き破るものこそが知性なのですが。

           

           

           

          今回のコロナウィルスの報道を見て、私は大学時代に読んだアルベール・カミュの『ペスト』を思い出し、再読しました。前回のブログでも書きましたが、私たちは無能な政府によって殺される局面に入っているのです。『ペスト』についてはこれ以上述べません。ただ才能ある作家は、世界のあちこちに開いている落とし穴を想像力によってあらかじめ埋めているのだと言っておきます。特に何が今の状況を生み出したのか、これからどうなるのかをリアルに考えたい人には是非一読を勧めます。

           

           

           

          以下はカミュの言葉です。

           

          ・私は正義を信念としていますが正義よりも母を先に守ります。

           

          ・哲学の価値は、哲学者の価値によって決まる。人間が偉大であれば偉大であるほど、その哲学も真実である。

           

          ・人間は現在の自分を拒絶する唯一の生きものである。

           

          この言葉は、塾の授業でよく引用します。

          Man is the only creature who refuses to be what he is.

           

          ・世間に存在する悪は、大半がつねに無知に由来する。明識がなければ、よい意志も悪意と同じほどの多くの被害を与えることもあり得る。

           

          ・重要なのは、病から癒えることではなく、病みつつ生きることだ。

           

          ・生きることへの絶望なしに、生きることへの愛はない。

           

          ・幸せが何から成っているのか探し続けている人は、決して幸せになれない。人生の意味を見出そうとしている人は、決して生きているとはいえない。

           

          ・われ反抗す、ゆえにわれら在り。

           

          ・人生それ自体に意味などない。しかし、意味がないからこそ生きるに値するのだ。

           

          最後にもう一つ。

           

          ・わたしは犬に対して、昔から揺るぎない愛着を持っている。犬が好きな理由は、彼らはわたしのすることをいつも許してくれるからである。

          アルベール・カミュ

           

           

           

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          さらば、安倍晋三!
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            アメリカは、トランプによってではなく、薬物依存症という広く深く浸透している病によって国家の屋台骨が腐り、衰退していく運命にあります。

             

             

             

            日本は、NHKを筆頭とするマスメディアによる大政翼賛と原子力村による国家の私物化=コーポラティズムによって国民が殺される時代に入っています。それでもなおアメリカに国富を貢ぎ、文字通り殺されるまで目が覚めないでしょう。

             

             

             

            後世の歴史家は、311以降の日本のウソのように軽い空気と堕落をどのように記述するだろうか、などと紋切型の発想で語ること自体が無効な世界に私たちは生きています。

             

             

             

            私はこれまで散々安倍政権を批判してきました。批判の中心は歴史を捏造し歴史を抹消する安倍政権の本質に対するものでした。そして今、私たちはその顛末を日々見せつけられています。もちろん、事ここに至っても事態の深刻さを理解できない人もいるでしょう。なんと言っても、今日という1日を生きなければなりませんから。

             

             

             

            それでも、老後の生活不安に怯えている辺境塾教師にも五分の魂があります。私がブログで述べて来たことは、やむにやまれぬ五分の魂の発露だったのです。今回のブログを最後に、安倍政権への批判は終わりにします。

             

             

             

            なぜなら安倍政権は十分その役目を果たしてくれたからです。まず、自己利益の最大化にしか興味のないクズがかくも大勢いたことに気づかせてくれました。次に、日本社会に生息している大日本帝国の末裔たちの歪んだ国家観を表に引きずり出してくれました。そして、京都市長選にかこつけて反共を煽り、そのアナクロ思想が延命している事実を公にしてくれました。国民の命に対しては全く想像力が働かず、ただ財界とアメリカの言うことを聞くだけの木偶の坊に過ぎないことを可視化したのです。

             

             

             

            以下は同時代を生きた一寸の虫が備忘録として残したい動画です。これからは、次世代に向けて私の考えていることを書いて行こうと思います。よろしければお付き合い下さい。

             

             

             

            日本が名実ともに法治国家をやめた日。

             

             

             

            総理大臣の屁理屈とアタマの悪さと良心の欠如を全国民に知らしめた日。

             

             

             

            | 政治 | 23:36 | comments(0) | - |
            ほとほとあきれ果てています。
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              安倍首相は野党議員に向けて「私は総理大臣なんですよ」という言葉を何度も発しました。自分のことを「立法府の長」とも言いました。これは言い間違いではなく、自分はこの国の最高権力者であり、それゆえ何でもできるのだという幼児並みの思い込みを吐露したものです。

               

               

               

              普通「何でもできる」には、違法でなければという条件がついているのですが、法律に無知であるために、自分がやっていることが違法かどうかという判断ができません。いや、薄々違法だと分かっているのかもしれません。でも、それをいさめる人間が周囲にいないのをいいことに、行動はエスカレートするばかりです。わがまま勝手に育てられた子供の行動がエスカレートしていくのと同じです。

               

               

               

              わがまま勝手な子供の行動は周囲の大人によってたしなめられなければなりません。親がその責任を負っているはずですが、今では親の規範意識や公共に対する考えそのものが変質してしまいました。

               

               

               

              養育が教育になり、受験教育になった結果、親の仕事は子供が学校でいい成績をとれるように環境を整え情報を収集することだと見なされるようになりました。「佐藤ママ」は、こういったイデオロギーを普及させるべく、講演のために全国各地を飛び回っているのです。

               

               

               

              しかし、子供に本当に幸福な人生を送ってもらいたいと思えば、子供が平気でウソをついたり、自分の利益のために他人を利用したり、差別的な言葉を無神経に使ったりした時には、親は烈火のごとく怒らねばなりません。実はこれこそが記憶に残る親だけができる教育なのです。

               

               

               

              政治の世界では、総理の脱法行為や公文書の改竄を厳しくたしなめる役は、ジャーナリズムが負うべきもののはずでした。しかし、NHKを始めとして大手マスコミは、大本営発表をそのまま伝えるだけの存在に堕しました。

               

               

               

              自分たちの仕事は事実を伝えることで政権批判をすることではないといった屁理屈をこね、喜んで総理との夕食会に参加しているのです。彼らが「桜を見る会」を批判できないのも当然です。

               

               

               

              一昔前、ジャーナリズムの世界には本当に優秀な人が集まっていました。村上春樹氏が言うように、「知性の総量は変わらない、時代によって偏在しているだけだ」というのが正しいとすれば、真に知性ある人はどこに行ったのでしょう。

               

               

               

              そもそも、知性は量で測れるものなのでしょうか。質こそが問われるべきではないでしょうか。私はNHKや読売新聞、産経新聞が本来のジャーナリズムの仕事に復帰できるとはとうてい思えません。この8年余りの彼らの堕落ぶりをどうやって総括できるというのでしょうか。

               

               

              『知性とは生死の「機微」をつかむことから生まれる美意識である。』

              http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=384

               

               

               

              この国の夜明けはまだまだ遠いと思わざるを得ません。それを再確認したのが以下の動画です。

               

               

              2020年2月6日に行われた「桜を見る会」野党追及本部による32回目のヒアリングです。時間が許せば全部を見てほしいのですが、どうしても時間が取れないという方にはせめて1:07分から後、5分だけでも見てほしいと思います。

               

               

               

               

               

              弁護士の小野寺義象氏と泉澤章氏の指摘は、庶民感覚に合致する真っ当な議論です。安倍首相が政治資金規正法の立法趣旨など全く理解していないことが分かります。特に第二条の2を。

               

               

              政治資金規正法

              第二条 この法律は、政治資金が民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることにかんがみ、その収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民にゆだね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用されなければならない。

               

              2 政治団体は、その責任を自覚し、その政治資金の収受に当たつては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行わなければならない。

               

               

               

              | 政治 | 19:35 | comments(0) | - |
              王様はウソつきだ!やめろ!と言えるのは主権者である国民だけである。
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                今回は一週間前に観た映画『パラサイト・半地下の家族』について書こうと思っていました。とにかく面白い映画です。今の日本の映画界では決して作れない傑作です。疑う人はぜひご覧になって下さい。

                 

                 

                 

                ところで、わが国の王様の人品骨柄(人間の品格や知性)は、今や小学生にも見破られています。

                 

                 

                 

                 

                訊かれたことには答えず、同じことを意味不明の日本語で繰り返し、ただ質問時間が終わるのを待つだけ。辻元清美議員の質問中に時計を見て「終わった」「終わった」と言い放つ。国会議員の背後には国民がいるという自覚すらない。自覚していたら、決して「人間としてどうかと思う」などとは言えないはず。それにしても、お隣の方のふんぞりかえった態度は何なんでしょう。

                 

                 

                 

                 

                安倍首相が野党議員に向かって鬼の首でも取ったかのように「キューベー」「キューベー」と叫び「ウソつき」を連呼する様を見ていて、何だかかわいそうになってきました。人を見れば「ウソつき」呼ばわりするようになった責任は私にもあるからです。

                 

                 

                 

                ブログでも書きましたが、昨年の参院選の折、安倍首相が礒崎陽輔氏の応援のために大分入りしました。ウソだらけの演説を終えて、帰るかと思いきや取り巻きの応援団とハイタッチを始めたのです。私はその中に紛れ込み首相が近づくのを待っていました。

                 

                 

                 

                そして彼と目が合った瞬間、「安倍晋三、ウソつくな!」と私は叫びました。まさに魂の叫びだったのです、なんちゃって。見も知らぬ田舎者のオッサンから、50センチの至近距離で、一番聞きたくないセリフを吐かれ、安倍晋三氏の顔はひきつっていました。

                 

                 

                 

                山本太郎氏なら、その場で立ち止まり「私をウソつきと呼ぶ根拠を教えて下さい」と反問したことでしょう。しかし、安倍晋三氏にそれを期待しても無駄です。彼は官僚が書いた原稿がなければ、自分の言葉でしゃべれない人間ですから。以来、私から「ウソつき!」と呼ばれたことがトラウマになり、野党議員から言われる前に「ウソつき!」の先制攻撃をするようになりましたとさ・・・

                 

                 

                 

                自分の言葉でしゃべれない人間の末路はかくも哀れです。おそらく、私の想像ですが、安倍首相は秘書官兼補佐官である今井尚哉氏の存在なくしてはもはや何も決められないようです。いまの彼を支えているのは今井尚哉氏の次の一言です。去年の11月のブログから引用します。

                 

                 

                 

                今井「総理は日本の最高権力者なのですよ。その意味がお分かりですか。絶対に辞めないと決心すれば、総理を権力の座から引き摺り下ろすことのできる人間はいないのです。権力者の最大の弱点は弱気になることです。

                 

                 

                三権分立など絵にかいた餅に過ぎません。人事権を掌握すれば、総理に逆らえる人間はいません。森友・加計問題でもお分かりでしょう。検察も裁判所も総理の意向を気にして、政権に弓を引くような捜査も出来ませんし判決も書けません。官僚は自分の地位を守るためなら公文書でさえも偽造するのです。

                 

                 

                メディア対策は任せて下さい。彼らの弱点はすべて調べ尽くしています。彼らほど権力のいいなりになる連中はいません。『桜を見る会』も来年中止にすれば、国民は忘れます。スピン報道として中村格に沢尻エリカの情報を公にさせれば、マスコミは一斉にそれに飛びつくでしょう。それに、経団連の名誉会長をしている叔父の今井敬がホテル・ニューオータニの取締役ですから、この件はどうにでもなります。叔父と会う段取りはつけています。」

                 

                 

                安倍「今ちゃん、スゴ〜イ。あったまいい〜。」

                引用終わり。

                 

                 

                『感想または身辺雑記』

                http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=615

                 

                 

                そして、ついに安倍首相は禁じ手を出してきました。自分を逮捕する権限をもっている検察人事に手を突っ込んだのです。東京高検の黒川弘務検事長(62)の定年延長を閣議決定しました。黒川氏は安倍政権下で不起訴の連続の中枢にいた人物です。黒川氏が検察トップの検事総長に就けば、安倍首相は枕を高くして眠れるというものです。まるで中世の悪代官を地で行くストーリーです。

                 

                 

                 

                これは法治国家の破壊行為に他なりません。法治国家の反対が「人治国家」(つまり安倍政権が作り上げた国家のことです)であることすら知らない人間が総理大臣をやっているのですから、何でもありを覚悟しなければなりません。日本は押しも押されもせぬ三流国家になったということです。ゴーン氏が逃亡するのも無理はありません。

                 

                 

                 

                郷原信郎弁護士によれば、東京高検検事長の定年延長は、法律の根拠がなく違法だそうです。この人事は、「試合で負けそうな流れになってきたから審判を買収する」という脱法を白昼堂々とやっていることを可視化したのです。

                 

                 

                 

                森法相は国会で「管内で遂行している重大複雑な捜査公判に対応するため、私からお願いした。これ以上の詳細は差し控える」と発言しました。ゴーン氏が逃亡した際「日本の法廷で無罪を証明すべきだ」と言い放った無知な法務大臣ですから、露骨な安倍政権擁護に走ることは明らかです。

                 

                 

                 

                それとも、森法相の言う「管内で遂行している重大複雑な捜査」とは、IRの汚職捜査や河井夫妻の件を立件し、総理の脱法・買収を徹底的に捜査し、逮捕する準備を粛々と進めていることを指すのでしょうか。

                 

                 

                 

                今回の黒川氏を検事総長にするための人事ほど安倍政権の本質を可視化して見せた例は他に思い出せません。2013年8月、「法の番人」と呼ばれる内閣法制局長官に、内部昇格という慣例を破って憲法解釈の変更に前向きな外務省出身者・小松一郎氏を起用した時以上の衝撃です。

                 

                 

                 

                可視化して見せたといっても、新聞もテレビも裁判所も検察もすべて安倍政権の支配下に置かれ、忖度と保身の結果盲目になったのですから、「王様は裸だ!」と叫ぶことも不可能になったというわけです。

                 

                 

                もし、黒川弘務氏が「この人事は、将来に禍根を残すばかりか三権分立を破壊するものだ。日本を三流国家に貶める人事に従うわけにはいかない。」と言い残し、法の定めに従って退職したらどうでしょう。日本が独裁国家に転落することを防いだ人物として歴史に名を残すかもしれません。しかし、太陽が西から昇ることがあったとしてもそれはないでしょう。そういうふうに教育されているからです。

                 

                 

                 

                最後に一言。安倍首相の知識不足(「募集」と「募る」は別の意味だそうです。これは知識不足というより、まともな教育を受けていないということでしょうね)、言動が乱暴かつ下品で子供じみていること、非論理的で何を言っているのか分からない等々、普通であればマイナス材料であるべき部分が、逆に安倍首相を支持する理由になっているのではないか。つまり、それが選挙に行かない過半数の有権者のメンタリティーなのではないかと考えると、思い当たる節があるので、なんだか怖くなってきますね。

                 

                 

                 

                今回も読んで頂いた方に感謝いたします。黒川氏については2016年のブログですでに書いています。時間が許せばお読みください。

                 

                『空洞化した人格』

                http://oitamiraijuku.jugem.jp/?eid=219

                 

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